英語を話すために、英会話レッスンの前に必要なこと②

前回、英語のストーリーの宝庫としてThe Story Museumをおすすめしたのは、語り手の録音とテキストがあるから。教材用のわざとらしい読み方ではく、プロの語り手の録音であることもポイント。音源なしのテキストを自分で読み上げて…はおすすめしません。ストーリーは、必ず自然な語りの音源があるもので覚えてね。便利な時代、必ずあるはずだから。

2割を見つける、それは自分への責任

さて、2-8の法則は前回紹介しましたね。シャドウイングしたり、音読したり、リピーティングしたり…全体を通してさらってみるとひっかかるところがあるでしょう?そこがあなたが集中して練習すべきところ。練習すべき個所は人によって違うはず。だから全体をだらだら同じように繰り返すのは、自分が自分でなくなっているのと同じで、無責任。あなたオリジナルのひっかかり箇所、ぜひ見つけてください。それが2人といないあなた。そこで自分と向き合ってください。

結局学ぶ対象を鏡に自分と向き合うことで学びは成立するのだと思う。だから断片的な会話ごっこロールプレイを隣の席の子と3回やったくらいじゃ、お話にならない。それで身につく程度のことは、習得してもちっともうれしくない。たいしたことじゃないんだもの。

合唱で私が実際にやっている練習を例にお話ししますね。

できない、と言う前にまず100回

ブラームスのレクイエム、難しい2割に集中、全体が変わる!
ブラームスのレクイエム、難しい2割に集中、全体が変わる!

これ、私が入っている合唱団で練習しているブラームスのドイツレクイエム。どうしても、この右ページ1、2小節目にまたがった上のソラシが出なかったのです。これも私の2割のうち。この2小節だけをやりました。交通量カウンターを手に100回。

なぜ100回?科学的根拠があるわけじゃありません。できないならできないで仕方ないけど、100回やってからそう言おうと思っただけ。もしかしたらできるかもしれないし。ただ100はそんなに多くない。まったく同じことの繰り返しでなく、毎回はっきり意識していられる。小さなチャレンジを選べる。人間の寿命に近いのか、不思議な気分も味わいました。30回くらいのころは「まだ30か~」、50回くらいから細かい音色が気になりだし、85回を超える頃は1回1回が惜しくてならず、100回終わった時には一生涯終わったような気がして。ここであと1回、2回と約束をやぶって延長しないことが大事な気がします。そういうズルをするとその前の100回が全部甘くなる、きっと。これは量が質に転化しているのではありません。量ではない。毎回質が変化している。

運転免許やTOEICを100回受けたら受験料だけで大変だけれど、この100回練習に必要なのは自分の気持ちと行動力のみ。安いもんじゃない。

 

で、100回やれば確かにソラシは出るようになる。でも1日ではダメ。毎日繰り返す。そうするとだんだん何かが定着して、自動化して、形になって、普通になる。このフレーズの場合、2週間で大丈夫、と思いました。

8割を捨てるのではなく、8割も変わる、全部変わる

ソラシだけやって他は大丈夫?と思うでしょ。だいたい大丈夫、というより驚くべき変化がありました。他の、もともと楽だった音域の響きががらっと変わったのです。楽だと思っていた歌い方も、限られた音域でしか通用しないものだったのでしょう。だから、ソラシが鏡となって「そんなの一時しのぎ」と告げていたのです。で、ソラシが出る歌い方は…他の音域にも通用するのです、あら不思議の当たり前。というわけで、2012年に入団した頃は上のミがやっとでしたが、今はその上のドまで楽に出るようになってしまいました。

あらゆる変化は大道楽、あるいは憧れ

We can change! はうまく言ったもので、We should change!ではないのです。変わらねばならない、は今の自分を否定から始まっている。それは自発的変化じゃない。義務、流されているのと大差ない。たとえば英語。話せない自分を否定して話せるように必死になる人は、次にはきっと話せる自分を否定して別の何かを求めるよ。求め続け、成長し続けるのは素敵だけれど、その原動力が否定っていうのはどうだろうね。趣味の問題かもしれないけど。私は…憧れの対象が現れるのを静かに待つことも大事だと思う。憧れは必ず向こうからやってきて誘いかける。いくら逃げても無駄。向こうから来る。まあ、憧れをかきたてられないようなものに半端に我慢して付き合っていると直観鈍ってわからなくなるかもしれないけどね。(だから、ずっと学校で過ごした先生が「グローバル人材に英語が必要です!」といってみんなに教科書で勉強させる、というのはどうも趣味が合わないのです。)

なんか、役に立たない話になってきた。

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英語を話すために、英会話レッスンの前に必要なこと①

もう大学生?あっというまにみんな大きくなるんだね。私の知らないどこへ旅していくんだろう。とても楽しみ。のびのび、遠慮なくいろいろやってね。人生には正解も失敗もない。経験と自由あるのみ。それは人からもらえるものではないよ。

さて、何人か、英語を話せるようになりたいと連絡をくれました。もう何年も会っていないのに、嬉しいことです。レッスンの調子はどう?どんな先生でもご縁があって出会っているはず。最初は「合わない」と感じる相手ほど、コミュニケーションの醍醐味を味わえることもあるよ。人と人として向き合うことを大事にしてね。

イチローだって練習する=場数だけじゃだめ

語りべに聴き入る子ども達
ストーリーに聴き入ることで、子どもは自然に言葉を学ぶ。大学生はストーリーテラーに挑戦!

イチローがあれだけの結果を出せるのは質のよい練習をしているから。試合ばっかり何度も出てもねえ。試合は不可測な状況で他者に向き合うもの。それがうまくできるには予測可能な設定でしっかり自分に向き合うこと。これが練習、稽古、型。

英語でストーリーテリングを

英語でひとつお薦めするとしたら、物語(2~7分のもの)をひとつまるまる覚えて、語れるようになること。まるで自分が書いたように。えーっとなんて言いながらやっと思い出しているようではまだまだ。テストのために100%暗記したといってもたいていこの程度。終わったら忘れちゃうから面白くない。ほんとの暗記はそんなもんじゃない。自転車に乗っていても、大根切っててもすらすら出てくるくらい、身体で覚えるまで繰り返してごらん、感覚が変わるから。10000%覚えているとしか言いようのない感覚。それを知るとひとつの物差しになるよ。

つきあってくれる仲間がいたら、日にちを決めて「ストーリーテリングの会」でお互いに語りあい、聴きあうといいね。イギリス、オクスフォードのストーリー博物館のサイト、世界中のおもしろいストーリーがそろっていておすすめします。(今年、訪問して一緒にできることを進めてみるつもり。)

頭が言葉で忙しくなるのはインプット不足の証拠

英会話レッスンで一生懸命話している時、頭の中でことば探し、英作文をしていない?それはインプット不足の印。その状態のまま繰り返すのはもったいない。たぶん間違いもある。残念だけれど、がれきはどれだけ積んでもがれきなのよ。

インプットが十分、とはコップになみなみと水が注がれ、余った水が自然にあふれ流れているようなもの。インプット不十分だと、まだ2割しか入っていないコップを傾けてはこぼし、また少しいれては傾けて、を繰り返しているようなもの。まずコップをいっぱいにした方が楽で自然でしょう?それがストーリーを覚えるコト。

耳・目・身体を使って覚える

人間は聴覚、視覚、体感覚から新しい情報を学びます。この3つ、日々全部使っているけれど、自分のお気に入りはどれでしょう?逆に苦手で避けがちな感覚は?長い通学時間を活かしてイヤフォンで聴いてはシャドウイングしているとしたら…聴覚をメインに使っていますね。たまには読む、ディクテーションをする、などでバランスをとるといいかも。

全部をダラダラではなく、大事な2割に力を注いで!

さて、練習を始めると、覚えやすいところと覚えにくいところ、発音しやすい語とそうでないところがあるでしょう?さあ、どうする?全体を同じように何度も繰り返す?私のやり方は違います。いま、英語のストーリー15話くらいと外郎売の口上を全部覚えているけれど、全体をだらだら同じようにやったことはありません。さあ、どうしているかは、次回のお楽しみ。交通量計測のカウンターを使うのよ。なぜでしょう?

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