忙しいのは心を亡くす!【シュタイナー・魂の旧暦?】

まあ、呆れたことでございます。

ドイツ語学び祭りと銘打って始めたルドルフ・シュタイナーの「魂のこよみ」訳、なんと2週間も遅れているではありませんか。

とにかく忙しかったのです。どれもよくぞこんな私を頼りにして下さったとうれしくなるお話ばかり。精一杯応援したいとねがい、そのようにしたつもりです。

ところが…第24週の魂のこよみの詩にガーン!

どんなに思いで相手の幸福を願っても、あまりに忙しいのは考えものです。

魂は自らを生み出しながら自らに気づく、とあります。

生まれ出る魂自らになんて気づくひまないよ!では黄色信号。生まれ出ずるものは深みに欠け、今日明日に喜ばれても、すぐに潰えることでしょう。

英国、ストラウドの秋の朝

それにしても、宇宙、や精神、は私の坂東者の腹にはおちないなあ。現代語古語類語辞典で調べても限界です。私は神道や仏教の日本語を知らなすぎるのですね。

Sich selbst erschaffend stets,
Wird Seelensein sich selbst gewahr;
Der Weltengeist, er strebet fort
In Selbsterkenntnis neu belebt
Und schafft aus Seelenfinsternis
Des Selbstsinns Willensfrucht.

みずからをつねに生みだしつつ
魂という存在はみずからに気づく
宇宙の精神は力強く励み
みずからを知ることで新たによみがえり、
魂の暗がりから生み出すのは
みずからを感覚するという意志の実り。

持続可能な社会のための通訳者 冠木友紀子のプロフィール

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いったいどうなる?2020年大学入試、民間英語試験導入。

2020年大学入試、民間英語試験導入のはずが、 高校生にも、高校の校長先生にも延期を望まれるという異常事態。

実は10年ほど前、大学入試センターの通訳をしていたことがあります。

その頃、政治主導で共通テストの複数回化が唱えられていました。けれどセンターの現場、専門家には根強い疑問が。「たった1回のセンター試験で出されるたった1問を作るのに数百問を検討して、年1回の試験にやっと間に合わせているのに、どうして何回もできるものか!」ある先生は「床屋談義もいいかげんにしろ」と呆れていたほどです。

それで、民間試験。

もう、やめちゃえ!

民間英語試験を?

いえいえ、入試英語そのものを。私は外国語を入試科目にすること自体反対です。

皆さん、思い出してみてください。

ピアノでもギターでも茶道でも、なにがしか身についたとき、それに夢中だったのではありませんか?恋愛状態だったのでは?だから、多少の困難、苦労も乗り越えられたのでしょう?

恋愛は個別のものです。

他人から見たら野暮ったいブ男でも、夢中になっている本人には世界のすべて。他人にとっては平凡でも本人には特別。

外国語の学びも似ています。

ドイツ語に夢中になる人もいれば、あんなカタイのはいやだ、という人もいる。イタリア語と恋に落ちる人もいれば、あんなに明るいのはついていけない、という人もいる。

英語の楽しさを伝えたい、というハシャイだ先生が多いのも困ったもの。イタリア語のほうが楽しいかもよ。律儀な人にはドイツ語の方が楽しいかもよ。

英語を全員で好きになるなんて気持ち悪い。

全員で英語を学ぶのが無理なのです。全員でやらなくていいのです。

できないと困る?そんなことありません。
困りそうになったら人間本気出します。間に合います。
台所の消火器じゃないんだから、わけもなく用意しておく必要はありません。

多くの教科書に見られる、地域色を薄めた「国際語」としての「英語」にはもともとの言語の色気がありません。

さて、どうするか。

中高生諸君、他の外国語に浮気しなさい。自分だけの恋人を見つけなさい。

学校の英語の先生には、実は大学の専門はモンゴル、トルコ、中国と別の外国語だった方も少なくありません。ぜひ、そのお話をきいてみてください。先生の目の色、きっとかわるよ。

中国、フランス、インドネシア、いまはネットでいくらでも聴けます。たとえばこれはフランスのテレビ。

これ好き!と思えるのをイチからこっそり学んだら、学校の英語がラクに思えます。 私も中3のとき、友達とドイツ語学習会をはじめました。すぐ頓挫しましたが、後悔はしていません。

ドイツ語祭り続行中!持続可能な社会のための通訳者 冠木友紀子のプロフィール

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私の嫌いな言葉「通訳者の『拘束時間』」

先日、聴覚発声メソッドのパイオニア、トマティス・メソッドの講座を通訳をしていたときのこと。休み時間に講師のフランソワーズ先生がこぼしました。

「トマティスの国際学会でも通訳探しにはほとほと苦労してるのよ。ぴったりの人が見つからない。事前準備不足で専門用語がぼろぼろか、ちゃんと準備してくれる人はエージェントが時間にうるさくて。5分の延長もその場でエージェントに連絡。そのやり取りに5分以上かかるんだから、もう。」

日本でもよくある問題です。特に後者。「拘束時間」なんていう用語さえあります。

私は「拘束時間」という言葉が大嫌いですし、使いません。和英辞典を引いても英語にこんな言葉はありません。

インド大使館つき武官の方の通訳。軍の規模を示す数字がずらずらずらずら…

仕事はひとさまに喜んでもらうこと。通訳の現場ではどうしたらもっと喜んでもらえるだろう、とばかり考えています。拘束されているなんて思ったこともない。そりゃ、勝手に現場を抜け出して地元で人気のラーメン屋さんなどに出かけてはいけません。でも、そんなことしようとも思いません。

まあ、2時間延長になるなら、ペース配分が狂いますから前もって知らせてほしい。

でも。2時間のびても拘束とは思いません。

だって、自分もプロジェクトの一員と思っているから。私が拘束されているなら、プロジェクトのみんなも拘束されている。そんな囚人集団で仕事がうまくいくものでしょうか?

みんながライフワークと思ってかかわっているのに、通訳者ひとりが拘束時間なんてケチなこと言うなんて、野暮ってもんです。

私は細かい時間をお金との関連で気にせずにすむよう、年間契約、プロジェクト契約を基本にしています。時間単位の単発もそれがベストの方法と思える長いお付き合いの方のみです。

通訳は疲労が激しいし、年間契約は難しい?

数時間の通訳で疲れるなら身体の使い方に改善の余地があります。生理学・芸術にかなう準備を整え、芸としての通訳ができれば、時間切り売りを卒業できるはずです。

そう望む通訳者の皆さんを全力で叱咤激励、応援します。

拘束時間なんてね、酔っぱらって留置場の虎となった折にでも使えばよろしいのです。

通訳者のための短期集中個別コンサルティング始めました。

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台風で大変だっていうのに「魂のこよみ」23週

台風15号大変でしたね。関東、とくに千葉の皆さん、お疲れがたまっていることでしょう。くれぐれもご自愛ください。

私は聴覚と発声のパイオニア、トマティス・メソッド®の通訳で神戸にいたため、猛暑の晴天下で気をもんでおりました。

どちらにしても、日本の状況はこの週のシュタイナーの詩とぴったり、というわけにはいかないようです。今秋の詩は秋の静けさの中に冬のおとずれを予感しています。ヨーロッパと日本の違いなのか、気象変動のせいなのか…。気をつけてみると確かにかすかに秋らしさ、かなたに冬を感じられなくもないのですが。

今回も困りました。

秋の明るみのうちに冬の気配…?
Es dämpfet herbstlich sich
Der Sinne Reizesstreben;
In Lichtesoffenbarung mischen
Der Nebel dumpfe Schleier sich.
Ich selber schau in Raumesweiten
Des Herbstes Winterschlaf
Der Sommer hat an mich
Sich selber hingegeben.

ここです。5、6行目。
Ich selber schau in Raumesweiten
Des Herbstes Winterschlaf

英訳は「秋の冬眠」としているのですが、それって秋眠?
秋Herbstesはその前のRaumsweitenにかかるとは考えられないでしょうか。英語で言えばin wide space of the autumnてな感じです。

そうすると、目の前にある今の季節のなかに、次の季節がひっそり忍び込んでくる、というモチーフの繰り返しとしても自然では?と思うのです。

秋めいて鎮まる
刺激を求めていた感覚。
あらわな光のうちに混じる
霧の湿った帳(とばり)
私も目を留める、はるかに広がる
秋の内なる冬の眠りに。
夏はもう、私に
みずからを委ねた。

こんな構造を感じます。
1-2行 夏の終わり 
3-4行 明るさの中にくぐもり
5-6行 秋のうちに冬眠
7-8行 夏の終わり 変奏

英語は語順が決まっている、なんていうのは昨日今日の散文だけの話。韻文ではイメージと音を活かすためにとんでもない語順のオンパレード。それでも勘違いしないのは文法のおかげ。まあ、教科書みたいな散文ばかりでは文法も本領発揮せず、面倒なばかり。その妙味も楽しめないとは思いますが。

それにしても、私はドイツ語では新米。ドキドキです。

持続可能な社会のための通訳者 冠木友紀子のプロフィール

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果実はいつ生まれる?!シュタイナー「魂のこよみ」に??

今週もうんうんうなって日曜、つまり次週となってしまいました。。

これも広がりと深み、空間と時間、世界と人間…なんと次元と構造の整った詩だろうと思って感心して読み進むと、なんでしょ、これ。

果実に誕生させる?!Um Früchte zu entbinden,

Ruth and Hans Puschによる 英語版も To bring to birth the fruits 果実に誕生をもたらす、とあります。

え?果実に誕生?それっていつのことかしら。うちのゴーヤも小指の先ほどのゴーヤの胎児みたいなのから、へちまと見まがう大将まで同時にぶらさがってる。そういえば、実っていることに気づかないで、大きくなってから見つけてびっくりすることもあるけれど… ん?いつ生まれてるの?実の中の種が芽を出すこと?むむむ。

そういえば、人間も「誕生日」というけれど、その日に人間のすべてが生まれるわけではないなあ。

今時分の果実と言えば、これだっぺ。

それにしても果実と誕生ってコロケーションがおもしろい。もちろん、ドイツ語でも、英語でもそうでしょう。それで、新しい概念、見逃していた一面が認識されるのかもしれません。

ああ、もうひとつ悩ましいのはWelten。宇宙と世界を両方含む大きな表現はないものでしょうか。仏教の日本語をもっと知りたいなあ。

 
Das Licht aus Weltenweiten,
Im Innern lebt es kräftig fort:
Es wird zum Seelenlichte
Und leuchtet in die Geistestiefen,
Um Früchte zu entbinden,
Die Menschenselbst aus Weltenselbst
Im Zeitenlaufe reifen lassen.
遥かなる宇宙からの光は
心のうちに力強く輝き続ける
それは魂の光となり
精神の深みを照らす
実りがあらわになるよう
宇宙の自己より来る人間の自己が
時の流れのなかで熟れゆくように。
英語版は言葉が多くてなんだか野暮ったい、と思っていたのですが、先日新発見。
森省吾さんのアドバイスから、英語はアイアンビックを保つという工夫をしていることを知りました。

Have a good week.

ドイツ語祭り中の通訳者、冠木友紀子のプロフィール

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気になる洋楽歌詞和訳【On My Way】 by Alan Walker, Sabrina Carpenter & Farruko

通訳道場の悦子さんにすごい人のことを教えてもらいました。

アラン・ウォーカーという音楽プロデューサーです。
いや、この人すごい。
10代の頃からPCで楽曲制作、どんどんYouTubeに上げて、あっというまに大ヒットメーカー。それでもいつもパーカかぶって顔をかくしているとか…。ソニーの公式ページによるとまだ21歳ですって?

ITを駆使した時代の寵児、天才です。

なんでも、アラン・ウォーカーAlan Walkerとサブリナ・カーペンターSabrina Carpenter、ファルッコFarrukoがコラボした楽曲『オン・マイ・ウェイ On My Way』が気になって、検索してみたら腑に落ちない和訳が目についたのだそう。

私も調べてみました。

いやあ、ネットのおかげで誰でも発信できるようになりました。

アラン・ウォーカーのような才能が世に出るのと同様、
いまいちな情報も出まくりです。

すべて注釈を入れるのはご容赦願いまして、気になるところだけ…

I’m sorry but 
Don’t wanna talk
I need a moment before i go
It`s nothing personal①

I draw the blinds
They don’t need to see me cry
Cause even when they understand
They don’t understand

So then when I’m finished
I’m all ‘bout my business
And ready to save the world
I’m takin my misery②
Make it my bitch③
Can’t be everyone’s favourite girl

So, take aim and fire away④
I’ve never been so wide awake⑤
No, nobody but me can keep me safe
And I’m on my way
The blood moon is on the rise⑥
The fire burning in my eyes
No, nobody but me can keep me safe
And I’m on my way

すまないけれど
話したくない
少し時間を、発つ前に
悪気はないの

ブラインド降ろす
あの人ら、私の涙見なくていい
だって、わかってるつもりで
わかってない

だから、すべてが済んだら
私はやるべきことをやる
すぐにだって世界も救える
自分の惨めさ引き受けて
すごい玉にしてみせる
みんなのかわい子ちゃんじゃいられない。
だから、狙い定めて撃ち尽くす
こんなに冴えてたことはない
私のほかに誰も私を守れはしない

私は私の道をゆく
紅月が昇りゆく
私の目にも炎が燃える
私のほかに誰も私を守れはしない

私は私の道をゆく

別に都都逸や演歌にするつもりはないのですが、どうも調子づいてしまいますなあ。

①これは個人的なことではない=私的な悪意ではない、ということ。IRAを描いた映画でNothing Personalというのがありましたねえ。

②takeの基本のしぐさは自分の領分の外にあるものごとに手を伸ばし、領分内に引き入れる動き。「惨めさを振り払う」という訳はoffの幻を見てしまったのでしょう。いやなものをさっさと振り払っていては本当の変容は無理です。

③ここは難所。bitchはson of a bitchでご存知の通りあばずれな雌犬。ただ、極端な意味の単語はわざと反対の意味で使われることも。英語ならwicked、日本語なら「ヤバい」がその例。この歌全体として今のどん底状態から「逆転」を宣言していると考えると、「あばずれ雌犬」の逆の意味と解釈するのが自然。ただ、「素晴らしい女性」なんて訳すといきなり「家庭画報」の世界になってしまって、ビッチの音の響き、逆転の妙味が活きません。そこで、「玉」としました。

④awayはホームとアウェイのアウェイだけではなく、間断なく続ける様子、完全になされる様子を表すこともあります。この場面、狙い定めて一発撃ってありゃ、外れ、失敗!ではいかんのです。一発でしとめられればそりゃ結構ですが、この主人公はon my wayと続く自分の道を歩む、つまり継続を覚悟しているようですから、撃ち「尽くす」としました。

⑤ここは睡眠時無呼吸症候群のような誤訳が多いです。「こんなにすっきり目覚めたことはない。」この人、寝起きだったのですか?それならI have never woken up so refreshed.とかでは?awakeは目が覚めている状態。 wideは十分に開いている、という意味。widelyではなく wideと組み合わせる語は限られていて意味にも注意が必要です。私がこの表現に出会ったのは17歳のとき。カーペンターズの I Need to be in Loveの一節でした。I’m wide awake at four a.m. without a friend in sight. Hanging on a hope but I’m alright.のところ。これもまた気の毒な状況ですが、この歌の邦題は「青春の輝き」。

⑥ブラッドムーンは皆既月食のときに見えます。その月影が目に移り込んで炎のようだというんですから、尋常じゃありません。まあ、気が済むようにするしかありませんけどねえ。

いかがでしたか?私も絶対これが正しいなんて思っているわけでもありませんので、どうぞ皆さんのご意見をお聞かせください。

カーペンターズとチャゲアスがmy wayの冠木友紀子のプロフィール

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