クリスマスソング、Joy to the worldに込められた英国自由人の願い

日本語では「もろびとこぞりて」の詞で知られるあのメロディー。パン屋さんのケーキCMでTVでもよく耳にします。

昨日の投稿では「もろびとこぞりて」はJoy to the worldの日本語訳ではないことをご紹介しました。変なこともあるものです。

さて、英語で歌えるとまた盛り上がるJoy to the world。英語詞はアイザック・ウォッツ(Isaac Watts 1674ー1748)が、詩篇98篇をもとにアレンジしたものと言われています。この詩篇では、神をこの世の王とし、その即位を大自然も喜ぶとしています。

アイザック・ウォッツの肖像

このウォッツという人、ケンブリッジかオクスフォードで学びたいと望んだものの、許されませんでした。当時のオクスブリッジは英国国教会会員に限定されていたのですが、ウォッツはCongregational、つまり会衆派(組合派とも)とよばれる国教会ではないグループに属していたためです。

そこで別の学校で神学、ヘブライ語、ラテン語、ギリシャ語を始め、当代一の教養を身につけたそう。

ただ、ウォッツは会衆派にこだわったわけではないようです。ひとつの教派の中にとどまり、似たような価値観をもつ限られた人々を相手に説教をするより、外に出て、天地の仕組みを探求し、人々と共に学ぶことを選び、楽しんだと言われています。ずいぶん自由な人だったのですね。

Joy to the Worldにも派閥、分別の愚から自由な者たちの喜びが願われているようです。

あと180年遅く生まれていたら、ルドルフ・シュタイナーと話が合ったかもしれません。

クリスマスおめでとうございます。

以下、ウォッツの詞と私の訳です。中学生のみなさん、使役動詞のおさらいですよ。let S Vは「Sが望む通りVするにまかせる」。make S to Vは「有無を言わさずSにVさせる」です。後者の方が実現まで距離があるのでVにtoがついているのもうなづけます。

Joy to the World; 
the Lord is come!
Let earth receive her King!
Let ev'ry heart prepare Him room,
And Heaven and nature sing.

Joy to the earth,
the Savior reigns!
Let men their songs employ;
While fields & floods, rocks,
hills & plains
Repeat the sounding joy.

No more
let sins and sorrows grow,
Nor thorns infest the ground;
He comes to make his blessings flow
Far as the curse is found.

He rules the world
with truth and grace,
And makes the nations prove
The glories of His righteousness,
And wonders of His love.

喜びを世に! 主、来たりしゆえ
大地がその王を受け入れるにまかせよ
めいめいが心に王の部屋をととのえるにまかせよ
天と自然界が歌うにまかせよ

喜びを大地に! 救い主は君臨したもうゆえ
人々が声を挙げて歌うにまかせよ
そのとき、陸や海、岩や丘や野も
くり返しその喜びを響かせる

もう罪と悲しみをのさばらせまい
いばらを大地にはびこらせまい
主は来ませリ、その祝福を絶えず巡らすため
呪いが見いだされるところまで

主は世を治めたもう、まこととあわれみによって
そして国々に証しさせたもう
さかえある主の義と
驚くべき主の愛を

(冠木友紀子 イメージ順尊重試訳)

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