厚生労働省の英語ページが??な本当の理由

持続可能な未来のための通訳者、冠木友紀子です。

先週末のこと「厚労省の英語がひどい」と、SNSの友人たちが次々と投稿していました。機械翻訳はこんなものだ、やはり人力翻訳でなければ、というよくあるちょっと残念な主張もあれば、自力で日英訳しなおしている、という方もありました。

私はすぐにピンときました。手がふさがっていてすぐにチェックできなかったのですが。

厚労省サイトの日本語が問題なのです。

多くの人が誤解、混乱なく読めるようになっているとは言えないのではないでしょうか。これを自動翻訳に入れたら、そのわかりにくさが増幅されます。自動翻訳がダメなのではありません。入力する日本語が不適切なのです。だからといってはじめから人力翻訳のみ頼りにしてはお金と時間がかかるばかりです。

今日では厚労省もメディアでの批判を経て、多少改善したようです。

そこで、日英訳にプロを頼むほどではない、という場合、グーグル翻訳をうまく使うヒントをご紹介しますね。

①「てにをは」格助詞を省略しない。
②主語、述語を明示する。(ねじれているのはもってのほか)
③「主語+述語」の組み合わせをつなげるのは2つまで。間に接続詞を使う。
(「が」は多用途なので、しかし、そして、などのほうがよい)
④羅列は箇条書きにする。

これを実際にやってみます。厚労省サイトにはこんな文があります。1文で1段落です!主語、述語がどれかわかりにくい!分詞構文だらけのような日本語です。

乗員については、ほぼすべてに対して講習を行い、症状がない状態で勤務中の乗員に対しても、業務中は必ずマスクと手袋を着用する、手指をアルコール消毒する手指衛生を行う、食事を離れてとる、船内の乗員の各居室への消毒用アルコールの設置など衛生環境の整備を行うことなどを徹底してきました。

これをグーグル先生に放り込むとこうなります。(厚労省のサイトにはこの文章はありません)

Training is provided for almost all occupants, and for occupants who are working without symptoms, be sure to wear masks and gloves during work, perform hand hygiene by disinfecting hands with alcohol, and eat meals. Thorough efforts have been made to maintain a sanitary environment, such as by installing disinfecting alcohol in the occupants’ cabin away from the ship.

読んでいるうちに息が止まりません?人の息をとめる文章はよろしくありません。しかもこの呼吸器感染症の時期に!

日本語を手直ししてみます。

乗員対象の講習
講習はほぼすべての乗員に行いました。以下の指示が乗員のなかで症状がなく勤務中である者にはなされています。
・業務中は常にマスクと手袋を着用すること
・手指をアルコール消毒すること
・食事は他者から離れてとること
また、衛生環境を整備するために船内の乗員の各居室に消毒用アルコールを設置しています。以上を徹底して行っています。

これをGOOGLE先生にお願いすると…

Crew training
The training was provided to almost all crew members. The following instructions have been given to the crew who are on duty and have no symptoms.
・Always wear masks and gloves during work
・Alcohol disinfection of fingers
・Eat food away from others
In order to maintain a sanitary environment, rubbing alcohol is installed in each crew’s room on board.We are doing the above thoroughly.

これに細かい仕上げ手直しをすれば十分用が足りるでしょう?

自動翻訳不信も、人力翻訳過信も時代遅れです。よい道具と自分の頭をうまく使って、時間を大切したいものです。

持続可能な未来のための通訳者、冠木友紀子のプロフィール

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