「見えない敵からいのちを守る」への違和感

持続可能な未来のための通訳者、冠木友紀子です。

新コロ騒動、収束への道のりが見えません。粉骨砕身がんばっている医療関係者、介護職の皆さん、保育士さんたちには頭が下がります。どうか健康が守られますように。

ただ、メディアで見かける「いのちを守る」「ウィルスという見えない敵と戦う」というフレーズにはちょっと違和感を感じています。

生命は大事。でもいつか手放すときがくるのです。「敵から守る」ものではないでしょう。

いつから私たちはこんなに死を忌み嫌い恐れるようになったのでしょう。死を受け入れるのは生命を粗末にするのとは違うでしょう?

9年前にも違和感を覚えたことでした。

いつまでも肉体をもって永らえることは幸せでしょうか。

Memento Mori 死を心に留めよ。

確かに、心に留めるといってもどういうことだよくわからない。自分の死は自分だけはわからない。だからなんだかこわい。

けれど思うのです。
「自分がいなくなっても遺したら喜んでくれるもの」があるのは、なんとありがたいことか。「これのためなら死んでもいい」ことに出会えるのはどんなに稀で自由なことか。

そして、そんなもんがなんにもなくても、まあいいじゃないかと。

とても安らかで幸せな、死を迎える歌をご紹介します。リヒャルト・シュトラウスがヘッセの詩に曲をつけました。「4つの最後の歌」の3曲目、「眠りにつくとき」です。
ジェシー・ノーマンの歌声で、
9分あたりからご覧ください。

眠りにつくとき

もうこの日に疲れはてた
私の切なる望みも
喜んで星の夜空を迎えるとしよう
疲れた子どものように

手よ、すべてのわざをそのままに
額よ、すべての思考を忘れよ
私の感覚すべては今、望む
まどろみに沈むこと

そして、見張りを離れた魂は望む
自由に飛翔し、漂うことを
夜の不思議の中へ
深く、幾千世と生きるために

(冠木友紀子試訳)
 Beim Schlafengehen 

Nun der Tag mich müd' gemacht,
soll mein sehnliches Verlangen
freundlich die gestirnte Nacht
wie ein müdes Kind empfangen.

Hände, laßt von allem Tun,
Stirn, vergiß du alles Denken,
alle meine Sinne nun
Wollen sich in Schlummer senken.

Und die Seele unbewacht,
Will in freien Flügen schweben,
Um im Zauberkreis der Nacht
tief und tausendfach zu leben

英語はできるけれど通訳は自己流の大人を応援します。通訳道場★横浜CATS 

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