シュタイナー教育の通りの子育てなんてムリ!というお父さん、お母さんたちへ

持続可能な未来のための通訳者、通訳藝術道場主宰の冠木友紀子です。

シュタイナーの視点に出会い、「ああこれだ!」と心が故郷に帰るような喜びに満たされる方も少なくないようです。

ぜひ、我が家の子育てはシュタイナー教育で…
でも、だんだん気になるのは…あの7年周期。

7歳までは頭を使いまくる教育よりも遊んで動いて身体を育てること…
あれはだめ、こうしなさいと口で説明するより模範を示し、模倣を誘うこと…
テレビ、録音などのヴァーチャルなコピーはなるべく避けて…
小学校時代の先生は尊敬と信頼に値する権威として存在し…
14歳のころに心がみずからのものとして顕れ…
21歳のころに存在の核がみずからのものとして生まれ…

あちゃー、うちの子育て、全然そんな風になってない…。

おめでとうございます!いいんです!!
何も反省することはありません。
やりなおす必要もありません。

お父さん、お母さんは、毎日ちゃんと服を着せて、ご飯を食べさせるだけで満点。

つくづく思うのですが、シュタイナーの7年周期はあくまでも無垢な、植物的な典型。

現代の人間であれば、番狂わせ、逸脱はつきもの。

そして…番狂わせ、逸脱のときこそ、思いがけない贈りものがやって来るのです。(来なければ、来ない贈りものの方が間抜けなんです。)

説得力があるかどうかわかりませんが…私自身、いまは年齢の割に元気でけろけろ暮らしていますが、相当順番めちゃくちゃな育ち方をしました。アタマから生まれたようで、最初の記憶は1歳。2歳で絵本読み倒して3歳でお箸を納豆で練習。幼稚園では教育実習生を泣かせ…でも小学校の体育は学年ビリ。親に叱られないようにとばかり考え感情を凍らせ、16歳で拒食症、自分の身体が大嫌いで、死に憧れ…。いまも人間恐怖の傾向があります。

でも、危機が種となり、求めずとも、求めたであろう以上の助けが、思いがけないところから届けられたんです。

「まさか学ぼうと思ってはいなかった英文学」の恩師、「長らく援軍ナシの自己流で自己嫌悪の塊だったヴァイオリン」の恩師、「排除されることに慣れ、諦めていた」通訳者としての私を蘇らせてくれた教育者でもある上司…

そう、なんだか先生が多いですね。だから、私は生来向いているとは思えない先生をやめないのかもしれません。受け取ったバトンをぶんなげたくはないのです。そして、もし、天から「はい、あんた、出動せよ」と言われたら、喜んで贈りものとして届けられたいと願っているのです。

ああ、私の子育てまずかった、と思う時は、お子さんはこっそり贈りものを受け取っている時かも。あるいは、受け取る準備をしているかも。

だいたいね、私の子育て完璧です、なんて親御さんに言われたら、お子さんはウンザリですって。

子育ての不完全の自覚は親御さんの愛情そのもの、子どもの自由への一歩ではないでしょうか。そして、世界(天でも神様でも仏様でもいいんですが)は、あなた以上に、あなたもお子さんも大切に思っている。

さて、その「大切」な思いはどこから届けられることでしょう?近所のおばさん?学校の先生?バスの運転手さん?ねこちゃん?お花屋さん?ユーチューバーのお兄さん?農家のおじさん?

私は今でもまだまだこれから何が届くか楽しみだと思っています。イヒヒ、逸脱してなんぼやで(西の言葉はちょっと私には無理がありますねえ)。

こんな講座開いています。
シュタイナー学校の先生のための英詩講座
プレ通訳道場★あのプログレスで英語の土台徹底リノベ講座

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カタカナ怪談「ストーブにストウブで煮れば…」

持続可能な未来のための通訳者、通訳藝術道場主宰の冠木友紀子です。

いやー、カタカナは悩ましい!先月のことです…

「黒豆ならストーブをストーブにのせておけば…」
料理好きな友人のひとことに周りの人たちは目を白黒。

ストーブにストーブをのせる?燃えてまうがな。

いえいえ、のせるのは「ストウブ」。

フランス伝統の鉄製無水鍋で、素材の水分を活かしておいしく仕上がると人気です。

素材の水だけで驚きの美味に!

でもStaubという綴りはフランス語というより、ドイツ語に見えて仕方ありません。

なるほど、フランスと言ってもアルザスなのですね。ここはフランスとドイツが小競り合いを繰り返したところ。ドイツの単語もあちこちに残っています。アルザスの白ワインは甘くて、細いビンに入っていて、ドイツのワインのようです。

で…Staubは創業者のFrancis Staubさんの名前に由来しますが…フランスのFrancoisでもドイツのFrankでもないところがまたアルザスらしいような…

(実は、20年前に初めて公に通訳したのが、アルザス問題研究者のフランスの方の講演でした。このことはまた別稿にて。)

そして、Staubシュタウプはなんとドイツ語で「塵」。

人の名前は不思議です。映画「いまを生きる」でもPittsやMeeksをキーティング先生が「変わった名前」と言っています。

Staubをフランス読み、カタカナ書きすると、auはカフェオレの「オ」なので「ストーブ」でいいと思うのですが…よくない!!先客ありです。困った先客です。

ストーブはstove、律儀に書けば「ストウヴ」。いかにも日本のみなさんになじみませんねえ。それに、いわゆるストーブはheaterと呼ぶことが多いんです。

変な先客に居座られて、本当のストーブさんがお困りのようで。

英語の土台徹底リノベ講座はこちら。 Progress in English旧版が味方です。



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「夢を持つ」がピンとこないなら、ただ、〇〇を見ればいい。

持続可能な未来のための通訳者、通訳藝術道場主宰の冠木友紀子です。

昨日のブログをお読み下さったYさんから「夢は見るものでは」とコメントをいただきました。私もそう思います。だいたい、have a dream を夢を持て、と訳したのもまずい。haveは「持つ」に限りません。

さてさて、今回は「見る」についてとりあげます。

私たちは毎日おびただしい量の情報を「見ます」。あまりにおびただしいので、「いかに」「見て」いるか、など振り返る間もないかもしれません。

selective focus photography of brown and black tabby cat
Photo by Eliza Lensa on Pexels.com

ちょっと前に、青木さやかさんが「なに見てんのよー」とすごむ芸?がありました。

あれ、なかなか面白いと思うんです。見る、というと見る側が主体で、見られる側は何も感じない、死んでいる、ように思いがちですが…さにあらず!とはっきり言っていると思うんです。

視線は、注がれたものに作用する。

青木さやかさんは見られてお怒りのようですが…

子どもが、すごいなあ、と思って親を見上げる視線は…
生徒が、先生を見上げる視線は…
見られた大人をどれだけ喜びで満たし、励ましたことか。

あなたが憧れと敬いの目で相手を見ることは、見られた相手を「愛す」に等しいのです。

口幅ったいのですが…大学時代、私の目つきがよかったとも思えませんが、恩師にこう評されたことが今でも支えです。「教える立場につかされた者を奮い立たせ、その喜びを思いださせる、心の友なる学び手である。」

「夢」を無理やり「未来」の「自分」に押しつけることはない。

「夢」は「いま」あなたの周りの「他者」「世界」にある。
ひと、もの、ことをいいな、と思ったら、気が向いたときになぜいいと思ったのか考えてみてもいい。

バイトの先輩の接客に感動。なぜ?
大学の先生のイギリス英語に感動。なぜ?
魚屋さんの生きのよいおさかなに感動。なぜ?
ごみひとつない街路がシニアボランティアのおかげと知って感動、なぜ?
 
10年後の自分なんて考えなくても大丈夫。そんなひま、ないんじゃない?

あなたが今誰かに憧れの視線を注ぐように、10年後のあなたに誰かが憧れの視線を注ぎますように。大丈夫。

【言語の奥深い美しさに出会えば、生きる喜びと勇気が心の底から湧いてくる。
英語の土台徹底リノベ講座はこちらから。】

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「夢を持て」がピンとこないあなたに

持続可能な未来のための通訳者、通訳藝術道場主宰の冠木友紀子です。

私にとって大学での授業は、娘のような世代のひとたちの話を聞く楽しい、楽しいひととき。ところがこのコロナ禍、苦しい胸の内を聴くことも増えました。先週のCAになりたかった学生の次に授業後に残ったのは…

「わたし、先週のCAになりたいっていう○○さんみたいに思ったことがないんです。なりたい職業もないし、なりたい自分も別にない。失う夢もない。こんなの、変ですか?だめですか?どうしたらいいですか?」

あまりに思いつめた様子と裏腹に、彼女のまなざしはワイルド。

brown and gray bird
Photo by Jean van der Meulen on Pexels.com

「そういう自分を責めてるみたいだよね?」
「はい。」

まずそれをやめよう。

人はひとりずつ、植物、動物の1種に相当するくらい違ってる。そういえば蝶々や鳥みたいなお友達、いない?電車の中で秋刀魚や茄子みたいな雰囲気のおじさん見たことない?

見た目だけじゃなくて…本当にひとりひとりOSが違う。

夢を持つことで元気が出る、10年、20年後の自分を思い描くとワクワクする。それならそれでいい。たぶん、今はその路線が本でもセミナーでも売り出しやすいんでしょう。

でもね、これがピンとこない種族だっている。なにより私がそう。

私の感覚は…今どんなにすてきな10年後の自分を想像しても、そんなの未来を今で縛っているだけ。いま手にしていない何かを手にした未来の境地は、今からは想像つかないはず。想像できるとしたら、そんなの一昨日、昨日に実現していたはずの姿。実現が遅れているだけ。遅配の郵便。

あなたはもしかして、初めての街でもどこに郵便局、スーパー、病院、コンビニがあるか、なんとなくわかるんじゃない?初めてのビルでも迷わず最短距離でトイレに行けたりしない?

なら、本能と感覚、直感で今を深く生きるワイルド派。無理やり夢を描いても一時間後には忘れちゃうでしょうよ。

だから、夢を持つ派部族の友達と自分を比べて、あれこれ思いめぐらし、自分を責めるのをおやめなさい。

「じゃあ何したらいいですか。いま、自分の部屋で過ごしてばっかりですけど。」

まあ、このご時世ごもっとも。

2つのことをおすすめします。

ひとつは、自然に身を置くこと。山でも谷でも海でも池?でも結構。ワイルドおばさんの私も人間の想定を超えた場所が居場所として必要。でないと捕獲された狸みたいに目が濁っちゃう。三密なんていまだかつてない低山が近くにたくさんあるでしょう?

もうひとつは、本を読むこと。いろんな人に会って刺激を受ける、っていうけれど、会えるのって生きている人たち。これまで数千年の死んだ人たちとはどう会うの?霊媒?インチキもいるし、高いのもいる。でも、岩波文庫のソクラテスなら数百円で、大学の図書館ならタダ!

くれぐれも、課題図書や先生の推薦図書に縛られませんように。大好きな先生と好きを共有したいならいいけれど。

もっと大事なのは、「呼ばれてる」感覚。あなたを呼んでいると感じる本を手に取って。読んでみて違うな、と思ったらすぐに返せばいい。これを繰り返す。

図書館も山だよ。

silhouette of bird above clouds
Photo by Flo Maderebner on Pexels.com

確かにあなたがCAを夢見ているところはどうしても想像できない。だって、あなたは大鷲だからね。

英語の奥深い美しさに目をみはれば、心の底から勇気と元気が湧いてくるー
Progress in Englishで英語の土台徹底リノベ講座はこちらです。


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それは食品ロスじゃなくてfood wasteだ

こんにちは。持続可能な未来のための通訳者、通訳藝術道場主宰の冠木友紀子です。

日本でも「食品ロス」が話題です。政府広報によると年間600万トンを超えるそうですが、あまりの量に10tトラック1700台分、なんて言われてもさらにクラクラしてしまいます。

ここでちょっと気になるのがこの「ロス」。英語の綴りは”loss”。lostからの逆成語で13世紀初出とあります。

まあ日本語では「ペットロス」「朝ドラロス」のように、自分の力ではどうにもできない喪失を嘆く気分によく使いますね。

ん?ちょっと待って。

冷蔵庫の中にショウガを入れたのを忘れてミイラにした本人がどの面さげてショウガロス?

そういえば、10年来通訳として参加している食品工学の学会ではfood waste を頻繁に使っていました。

たとえば、アフリカでは畑の作物を鉄道で都市部に運搬する。気温は高く、貨車は揺れ、作物の包装が不十分なので、都市に到着するころには積み荷の8割が食べられない状態。インフラやシステムの欠陥が原因で、人間がどうソフトな手を打っても、心がけてもどうしようもない。

これと、アメリカの家庭がいろいろと買い込みすぎて、1年でなん万円分もトマトを冷蔵庫でだめにするのと、まるで同じ?

後者は小さな工夫で改善できるのではないでしょうか?

この学会の集まりでは家庭で食品が無駄になることをいかに防ぐかをテーマにしていたので、一貫してfood wasteと言っていました。食べ物を無駄にする張本人は自分たちなのだ、自分たちの行動は変えられるんだ、という呼びかけもなされました。

ペットロスや朝ドラロス、ウェイトロスみたいに食品ロスなんていうのはちょっと甘いと思います。

植物や動物を誕生の時から人間の食物にすべく育て(←私はそもそもコレが嫌なのです。狩猟採集生活が理想)、それで食べないなんてとんだ罰当たり。

まあ、ふつうに何も感じずに訳せばfood wasteは「食品廃棄物」や「廃棄食品」あたりでいいのでしょうが、腹が立ってしょうがない。莫迦殺生くらい言ってやりたいもんです。

まあ、急な事情で、ということもあるでしょう。それでも堆肥囲いでもあれば新たな役目を果たせます。

日本の「始末」な台所仕事はどこへ行ったのでしょう。プンプン!

気を取り直して、
シュタイナー学校の先生のための英詩講座はこちらです。

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