地球が1年かけて再生できるエネルギー、今年はいつ使い切った?

こんにちは。持続可能な医療・農業・教育のための通訳者、冠木友紀子です。

さて、地球が1年かけて再生できるエネルギー、私たちは今年いつ使い切ったか知っていますか?

推計ですが、なんと世界全体で7月29日。

Global Footprint Networkより 

この日をアース・オーバーシュート・デイといいます。地球エネルギー使い切り日、とでもいいましょうか。

7月30日以降は将来の分を前借りしているのです。しかも今年ばかりではありません。1970年からずっと。あらっぽい計算ですが、もう10年先のエネルギーを使っているのではないでしょうか。使い込むほど地球の再生効率も下がるとしたらさらにまずいことです。

このことを教えて下さったのはドイツのユルゲンさんとケルスティンさんご夫妻。 先日おもちゃ箱さんのブランドセミナーで通訳をさせていただいたご縁です。

ケルスティンさんとユルゲンさん。ご創業の頃、日本はバブルに浮かれ…

お2人は30年余り前にドイツでソーダサン社を設立。環境破壊を少しでも食い止めるため、自然な洗剤づくりを続けています。

さて、通訳の仕事の8割は事前準備をして相手を知るべく努めること。今回も理念、社史、メディア露出、お客様の声、と十二分にリサーチしました。

そして当日を迎えると…ユルゲンさんがプレゼンで一層熱をこめるのは自社製品紹介よりも地球環境を語る時。
「みなさん、洗剤が生分解可能か気になさいますが、それは最後の一歩。そこに至るまでの原材料、調達方法、製法、働き方…すべてまっとうでなくては。今年、我々は地球が再生できる1年分のエネルギーを7月29日に使い切ってしまいました。ドイツなんかひどいものです。3月3日でした。日本のほうが少しましで3月29日。1970年からずっと次のお正月を待たずに使い切っているのです。こんな調子でよいわけがありません。なんとかしましょう。」

ソーダサンの製品を安くないという人もいます。でも、倹約、節約のつもりで安いものを買い、自分の手を荒し、環境を害し、子、孫の世代が困るとしたら…!

安いは高い、高いは安い。

ソーダサンを買うのは、ただ洗剤というモノを買うのではありません。環境、未来に対し倫理にかなった行動をとることでもあります。

きっとみなさんのご近所でも手に入ります。冬の手荒れに悩む前に、おもちゃ箱さんのサイトをご覧ください。

包装も再生プラスチック

持続可能な(土に還れる)エシカルビジネスのための通訳者・冠木友紀子のプロフィール

文学はいらない?魂のこよみ第32週

持続可能な医療・農業・教育のための通訳者、冠木友紀子です

もう文学はいらないのでしょうか。皆さんはどう思われますか?

つい先日も、先輩たちに「大学で英語を教えられる卒業生がいたら紹介して」とお願いしたら、2人から全く同じことを言われました。

「最近は誰も文学、語学系には進まない。語学力をつけたとしても 国際機関、外資で働いている。」

まるで、文学に進む者は世捨て人である、といわんばかりです。がっかり…。

熟れた実が地に捧げられ…

私はそうは思いません。

文学こそコピーライティングの永遠の流行の宝庫。新しい言葉を生み出す力の源。

「それなりに」英語を使える人はたくさんいますが、英語でコピーや歌詞を書けるひとがどれほどいるでしょう?

確かにこれまで文学教育は受け身に読むことばかりに傾いていたかもしれません。英文科卒の条件に詩作というアクティブな課題なんていいかも。

ルドルフ・シュタイナーの「魂のこよみ」も第32週。私にとって詩の翻訳はアクティブな瞑想です。

ドイツ語3行目のkraftendは名詞die kraft(力、熟練のわざ、など)からのシュタイナーの造語。名詞kraftから動詞 kraften を作り、それをさらに現在分詞kraftendにしたのです。kraftigという形容詞はあるのですが、シュタイナーはこれに満足しませんでした。もっと能動的で動きのある様子は現在分詞でなくては表せないと考えてこの語を作ったそうです。ドイツ語が生き生きと言語を形づくる力を失ってきたのでおのずとそのような語は作られなくなった、だから自分がやってみた、のようなことを語っています(GA299)。

Ich fühle fruchtend eigne Kraft 
Sich stärkend mich der Welt verleihn;
Mein Eigenwesen fühl ich kraftend
Zur Klarheit sich zu wenden
Im Lebensschicksalsweben.

私は感じる、自らの力が実を結び、
勢いを増し、私を世界に授けるのを。
私の存在には力がみなぎり
澄み切った境地で向かう、
人生の巡合せという織物に。

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留学帰りの専門家が翻訳で躓かないための2つのコツ

「留学して専門分野を学んできた。最先端の内容がわかっているのは自分だ。
ぜひ翻訳もして日本で広めたい。」

そう思うのはごもっとも。

ところが、読書会を開いたところ参加者の表情がいまひとつ…単語単位での言い換えが提案されガッカリ、ということはありませんか?、

決してあなたの専門分野理解に問題があったわけではありません。

単純なことです。専門分野での実力と、翻訳能力は別の話です。専門分野をよく知っているからと言って、翻訳ができるというわけではないのです。

自己流で翻訳しようとすると、実は自己流ではなく「古い学校流」に
しばられたままになりかねません。

「古い学校流」の英文和訳は「規範文法」に基づいて「書き言葉」をよしとしていたはずです。

「規範文法」とは言語の表現にはよしとされる規範が決まっていて、これにのっとって表現すべし、とする文法です。

ヨーロッパではラテン文法が長い事規範文法とされ、各国の言語の文法もラテン語の枠にはめられてきました。このせいでラテン語はわけわからん、文法は難しい、という誤解を招くことになりました。

日本の外国語教育でも規範文法的に書かれたテキストが普通だったので、規範文法を学校文法と呼ぶこともあります。規範文法の感覚でI love you.を訳すと「私はあなたを愛しています」となります。(こんなふうに日本語でコクられた人、いるんですかね。「あっそう、勝手にすれば」と答えたくなりますけど。)

この感覚で専門分野を訳そうとしていませんか?知らないうちに規範文法に縛られていたのではありませんか?

新たに意識してほしいのは記述文法と生成文法ですが、その詳細の代わりにすぐに心がけてほしいことを2つご紹介します。

①言葉は「ためしてガッテン」。
NHKのクイズ番組、ためしてガッテンでは「テーマ提示→問題→回答」とすすみます。言語表現もこれと似ています。

I 俺なんだけどさ
love 好きなんだ、愛してんだ、
you お前のことを

規範文法的な「日本語と英語は語順が違う」という思い込み石頭から自由になってください。さもないと、肝心な情報の順を狂わせて読者を船酔いさせることになります。

②陸の火山、海の火山
いくらクイズ番組式にしても、これではへんです。
John ジョンたらさ
gave くれたんだ
his bike 彼の自転車を
to his sister..彼の妹に

カレカレうるさいです。

言語は山のようだと思います。陸上に山脈をなしている山もあれば海面からちょこちょこ顔を出して群島をなしている山もあります。英語をはじめ西洋言語は山脈のようで、日本語は群島のようだと思うことがあります。日本語のほうが潜在的な部分が多いのです。ただ、潜在しているのであって「ない」のではありません。

だって…朝、娘さんが出かけに忘れ物に気づいて、お母さんに「ハンカチとってー!」と言ったら娘さんのハンカチが出てくるでしょう?「誰の?」とお母さんが訊いたり、お父さんのハンカチが出てきたりはしません。

外国語で顕在しているからといってぜんぶ顕在させたら、日本語としてはちょっと変になるわけです。

むろん、そうした差異を承知のうえで、新しい日本語を創るつもりで訳されるならご自由です。ただ、気づいていない縛りから自由になっていただけたらさいわいです。

近々、「通常業務に加え、通訳・翻訳もちゃんとできるスタッフになるためのオンライン講座」(仮題)はじめます。それにしてもひどいタイトル。もっといい名前ないでしょうか?

持続可能な医療・農業・教育のための通訳者 冠木友紀子プロフィール

「ワーク」って仕事?勉強?シュタイナー「魂のこよみ」第31週に寄せて

ドイツ語祭り続行中の通訳者、冠木友紀子です。

こんなに短い詩に、しかも同じ語が何週も繰り返し登場するのに、毎回一週間うんうん唸っております。

それだけのことはあるんです。多読、乱読、速読では入れない洞窟で瞑想している気分です。

今回はdie Kraft, die Macht、そして das Werkが気になりました。英語で言えばcraft, might, work です。

die Kraft は「熟練のわざ、力」が語源。おお、クラフトって音も玄人と似てる、なんてダジャレです。 die Macht は「大きな力、可能性をはらんでいること」が元です。ありゃ、マッハトってこれはサンスクリットのマーハー、般若心経の出だしの「魔訶」と関係ないかしら、とアタマの寄り道限りなし。 そしてこの2語が女性名詞であるのも面白い、というか当然でしょうかね。いつかインドヨーロッパ語の語源と東洋の言語の語源をじっくり尋ねてみたいものです。

das Werkの英語のいとこ(?)はおなじみwork。仕事、労働、といってもlaborやtoilのこき使われてくたびれた感はありません。taskの人から指示された感もありません。ワークは自らの意志で取り組むことを指すんです。鳥が飛ぶように、魚が泳ぐように自然。そういえば、このごろワークショップってよくききますね。参加者が主体的にかかわりますもんね。シェイクスピアの作品、なんていのもShakespeare’s Worksといいます。

日本のみなさん、会社でも学校でも大いなる力に支えられ、喜び多い「ワーク」をなさいますように。

Das Licht aus Geistestiefen,
Nach aussen strebt es sonnenhaft:
Es wird zur Lebenswillenskraft
Und leuchtet in der Sinne Dumpfheit,
Um Kräfte zu entbinden,
Die Schaffensmächte aus Seelentrieben
Im Menschenwerke reifen lassen.

光は魂の深みより
外に向かう、太陽のように。
やがてそれは生きる意志の働きとなり
感覚の暗がりを照らす、
さまざまな働きが生まれるよう、
魂に衝き動かされた創造の諸力が
人の営みのうちに熟れるよう。

お粗末様でございました。おあとがよろしいようで。

持続可能な医療・農業・教育のための通訳者 冠木友紀子プロフィール

通訳レポート★え?タンポンで死ぬ?!

土に還れるエシカルライフを応援する通訳者、冠木友紀子です。先日イギリスのオーガニック生理用品メーカー、ナトラケア社のスージーさんの通訳を担当しました。プレゼンで出たお話に会場の取引先の皆さんもびっくり!タンポンで死ぬなんて、まさかないと思うでしょう?

これまで、何百人もの女性が毒素性ショック症候群で亡くなっているのです。

昨年、2018年もカナダの女子高生が一泊学校旅行で亡くなっています。


というのも、8時間も交換不要と書いてあるプラスティック製超吸収体。ついついうっかり長時間交換せずにいると…

ふだんは何も悪さをしない常在菌の黄色ブドウ球菌がアンバランスに増えることがあるんです。それが生理の血をさかのぼって体内を巡ったら…

80-90年代のアメリカでは何百人もの女性が毒素ショック症状で落命しています。

みなさまも生理中のちょっとした風邪のような症状を軽く見過ごしますな。そして、ご愛用品の素材の風通しを見直してくださいね。できれば、ご近所に気軽にかかれる婦人科のお医者さんを探してください。婦人科の先生こそ女性のGPでは。

土に還れるエシカルライフのための通訳者 冠木友紀子

大学入試共通テスト、英語スピーキング、ライティングで測っているのはスピーキング、ライティングだけじゃない?!

このテーマは書いていてもうんざりしますので、これで一旦終わりにします。自分の人生を振り返って、この30年何やってたんだと思うことはありますが、大学入試に比べりゃまだましです。

さて、言語スキルを4つの技能分けることが人間の感覚処理、運動表出にうまく合わないことは前回のブログで指摘しました。

今回は4技能に分けたテストを採り上げます。スピーキング力はスピ―キング力だけを、ライティングはライティング力だけを測っているわけではないことがおわかりになるでしょう。

さて、民間英語試験の選択肢のひとつであったGTEC。

こちらのスピーキング問題では4コマ漫画を見てストーリーを語ります。スピーキングとして表現するのは最終段階で、準備として漫画の主人公を見つける、何が起きているか読み取る、漫画から感情を推し量る、など英語以前のさまざまなスキルが求められます。

また、ライティングでは活字離れをテーマに考察、意見を述べるよう求められています。これもライティングという最終成果以前の仕込みのスキルが影響します。現象を考察し、情報を解釈し、仮説を立てる。ひとりブレスト、コンセプトマップづくりをして意見をまとめる。

両方とも細やかに受信し、明瞭な構成で発信する、つまり考える力も問われているのです。

中高の段階で「思考技法」「言語技術」という科目横断総合授業があればいいのですが、一部の私学を除けば珍しい話。

大学の必修英語でもスピーキング、ライティングとそれぞればらばらにテキストが用意され、応用がきく共通の核をしっかり鍛えることは容易ではありません。

英語、英語と浮足立つ前に、考える力を磨きましょう。キーワードはラテラルシンキング。ゼロベースで新しいアイデアを作りだす力を育てます。ロジカルはその後でいいんです。

lateral thinking、日本では木村尚義さんによってビジネスに紹介されていますが、発祥の地、イギリスでは学校でも実践されています(Brexit騒動に妙案が浮かぶといいのですが)。オンライン通訳道場生放送でもクイズにしようかしら。

土に還れるエシカルライフのための通訳者 冠木友紀子プロフィール

大学共通テスト、英語民間試験延期しても4技能評価は非科学的

政界では本音を言うと失言になるみたいですね、萩生田さん。それにしても延期は遅いとはいえ適切な判断です。このあと5年をかけて新たな体制を作るとのこと。令和6年から4技能を評価するそうですが…

この4技能が大いに問題です。英語教育関係の資料で見かけるのはこんなフレームワーク。

確かに教材やテストもリスニング、スピーキング、と別れていますしね。でもこの分け方、人間の情報処理プロセスをうまく反映しているとは言えません。

結論から言えば、すべての土台は聴く力です。

聴く力自体細やかに込み入ったプロセスなので、それをここで詳しく述べることはしません。(後で参考文献を紹介します。)

端的に言えば、聴けなければ話すことはできません。
聴けなければ読むこともできません。
聴いて読むことができなければ書くことはできません。

え?昔の英語の授業ではリスニングなんかしなかったので話せなかったけれど、難しいものも読めていたし、書けていた?

それは日本語の音の影響をうけた「英語もどき(カタカナ英語)」で乗り切っていたのです。「英語もどき」は実際の英語と違うので、とっさの会話が聴き取れない、返事できない、というわけです。

どうして語学教育が、これほど人間の運動・感覚発達を視野に入れずに行われるているのか私には理解できません。

次回ではテストでの問題を指摘します。

言語の認知神経科学をご自分で詳しく読みたい方にはこちらをおすすめします。
Cognitive Neuroscience of Language by David KEMMERER

アントロポゾフィーに基づく、持続可能な医療・農業・教育のための通訳者 冠木友紀子のプロフィール

魂のこよみ、再出発

なんと前回の投稿はほぼ1か月前ではありませんか!

ありがたいことに、この1か月はてんてこ舞いでした。スマホからログインを試みたもののどうも目が疲れるばかり。手書き原稿ばかりたまっております。

その間、台風、大雨が続き…被害には心が痛みます。台風19号接近時、私は福島の浜通りにいました。夜中もTVニュースを消す気になれず、浜通りの河川、ついには阿武隈川の堤防が決壊する様子を呆然と眺めるばかりでした。

台風の巨大化には海面温度上昇が関係しているといいます。もう純粋な天災などないのかもしれません。

シュタイナーは「自分を知りたければ、世界をよく見てごらん。世界を知りたかったら、自分の内をよく見てごらん。」という内容のことを言っています。

激しい気象は私たちの心のうちの何を示そうとしているのでしょうか。

第30週

私の魂の陽光のうちに
思考の実りが熟れゆく。
自意識の確かさへと
変容してゆくあらゆる感情。
私は喜びにあふれ知覚する、
秋に魂が目覚めるのを。
冬は私のうちに
魂の夏を呼び覚ます。

Es spriessen mir im  Seelensonnenlicht
Des Denkens reife Früchte,
In Selbstbewusstseins Sicherheit
Verwandelt alles Fühlen sich.
Empfinden kann ich freudevoll
Des Herbstes Geisterwachen:
Der Winter wird in mir
Den Seelensommer wecken.

忙しいのは心を亡くす!【シュタイナー・魂の旧暦?】

まあ、呆れたことでございます。

ドイツ語学び祭りと銘打って始めたルドルフ・シュタイナーの「魂のこよみ」訳、なんと2週間も遅れているではありませんか。

とにかく忙しかったのです。どれもよくぞこんな私を頼りにして下さったとうれしくなるお話ばかり。精一杯応援したいとねがい、そのようにしたつもりです。

ところが…第24週の魂のこよみの詩にガーン!

どんなに思いで相手の幸福を願っても、あまりに忙しいのは考えものです。

魂は自らを生み出しながら自らに気づく、とあります。

生まれ出る魂自らになんて気づくひまないよ!では黄色信号。生まれ出ずるものは深みに欠け、今日明日に喜ばれても、すぐに潰えることでしょう。

英国、ストラウドの秋の朝

それにしても、宇宙、や精神、は私の坂東者の腹にはおちないなあ。現代語古語類語辞典で調べても限界です。私は神道や仏教の日本語を知らなすぎるのですね。

Sich selbst erschaffend stets,
Wird Seelensein sich selbst gewahr;
Der Weltengeist, er strebet fort
In Selbsterkenntnis neu belebt
Und schafft aus Seelenfinsternis
Des Selbstsinns Willensfrucht.

みずからをつねに生みだしつつ
魂という存在はみずからに気づく
宇宙の精神は力強く励み
みずからを知ることで新たによみがえり、
魂の暗がりから生み出すのは
みずからを感覚するという意志の実り。

持続可能な社会のための通訳者 冠木友紀子のプロフィール

いったいどうなる?2020年大学入試、民間英語試験導入。

2020年大学入試、民間英語試験導入のはずが、 高校生にも、高校の校長先生にも延期を望まれるという異常事態。

実は10年ほど前、大学入試センターの通訳をしていたことがあります。

その頃、政治主導で共通テストの複数回化が唱えられていました。けれどセンターの現場、専門家には根強い疑問が。「たった1回のセンター試験で出されるたった1問を作るのに数百問を検討して、年1回の試験にやっと間に合わせているのに、どうして何回もできるものか!」ある先生は「床屋談義もいいかげんにしろ」と呆れていたほどです。

それで、民間試験。

もう、やめちゃえ!

民間英語試験を?

いえいえ、入試英語そのものを。私は外国語を入試科目にすること自体反対です。

皆さん、思い出してみてください。

ピアノでもギターでも茶道でも、なにがしか身についたとき、それに夢中だったのではありませんか?恋愛状態だったのでは?だから、多少の困難、苦労も乗り越えられたのでしょう?

恋愛は個別のものです。

他人から見たら野暮ったいブ男でも、夢中になっている本人には世界のすべて。他人にとっては平凡でも本人には特別。

外国語の学びも似ています。

ドイツ語に夢中になる人もいれば、あんなカタイのはいやだ、という人もいる。イタリア語と恋に落ちる人もいれば、あんなに明るいのはついていけない、という人もいる。

英語の楽しさを伝えたい、というハシャイだ先生が多いのも困ったもの。イタリア語のほうが楽しいかもよ。律儀な人にはドイツ語の方が楽しいかもよ。

英語を全員で好きになるなんて気持ち悪い。

全員で英語を学ぶのが無理なのです。全員でやらなくていいのです。

できないと困る?そんなことありません。
困りそうになったら人間本気出します。間に合います。
台所の消火器じゃないんだから、わけもなく用意しておく必要はありません。

多くの教科書に見られる、地域色を薄めた「国際語」としての「英語」にはもともとの言語の色気がありません。

さて、どうするか。

中高生諸君、他の外国語に浮気しなさい。自分だけの恋人を見つけなさい。

学校の英語の先生には、実は大学の専門はモンゴル、トルコ、中国と別の外国語だった方も少なくありません。ぜひ、そのお話をきいてみてください。先生の目の色、きっとかわるよ。

中国、フランス、インドネシア、いまはネットでいくらでも聴けます。たとえばこれはフランスのテレビ。

これ好き!と思えるのをイチからこっそり学んだら、学校の英語がラクに思えます。 私も中3のとき、友達とドイツ語学習会をはじめました。すぐ頓挫しましたが、後悔はしていません。

ドイツ語祭り続行中!持続可能な社会のための通訳者 冠木友紀子のプロフィール