【英詩講座レポート⑧】人間はそんなに偉いか?-“Unstooping” by Walter De La Mare

第1回でとりあげたウォルター・デ・ラ・メア(1873-1956)。
Some Oneでは人間の世界の向こうに広がる、自然の世界の不思議を感じさせてくれましたー夜明け前の森の小屋の扉を叩くノックの音…扉を開けると誰もいなくて、向こうの森からはフクロウの声…

さて、今回は…?

え?なんだか人間中心、動物に優位?

え、まさかデ・ラ・メアが、そんな…

Unstooping 
                       Walter De La Mare 
 
Low on his fours the Lion 
Treads with the surly Bear;
But Men straight upward from the dust
Walk with their heads in air;
The free sweet winds of heaven,
The sunlight from on high
Beat on their clear bright cheeks and brows
As they go striding by;
The doors of all their houses
They arch so they may go,
Uplifted o’er the four-foot beasts,
Unstooping, to and fro.

1,2行目のLion, Bearは大文字でしかもtheがついています。
初登場でtheがついていると、ライオンのなかのライオン、ライオンたるもの、というふうに本質を体現する代表を示します。「ライオンは百獣の王である」のライオンはthe Lion ですが、「オスのライオンは子育ても狩りもせず昼寝ばかりしている」はthe ではなく、そんじょそこらのa lionです。

さて、のしのしと大地をふみしめる立派なザ・ライオン(ビール?)とザ・熊と対比される人間は…ただのMen。ザ・人間ではなくただの複数形の「人々」。3行目のdust (塵)からまっすぐ立ち上がる、のくだりは、土くれから作られたアダムが神様の息吹に魂をもって人として生き始めた、アダムの創造を想い起こします。

アダムの創造は1回きりではないのでしょう。
ひとりひとりがアダムであり、「人々」はそれぞれ日々創造され続けているのです。

そのことが、第2連の天の風と光という精神の糧を頬に受け続け、晴れやかな面差しでいる、あたりに現れているのではないでしょうか。

strideも大股でさっそうと歩いていて爽快です。

第3連、玄関扉がアーチしているのは直立姿勢を保つため、と聞いた子どもは、アーチ扉を見るたびに思わず姿勢を整えるでしょうね。

close up photography of brown lion
Photo by Pixabay on Pexels.com

直立、とは書きましたが、デ・ら・メアはuprightという言葉は使っていません。upliftedと過去分詞です、受け身です。人がまっすぐ立つのは自分の気合頼みではなく、天から引き上げられてのことなのだ、と思えます。

そして最終行はunstoopingとタイトルにもなっている語で始まります。

unstoopで辞書を引いてみてください。たいていの辞書にはないでしょう?。OEDでも用例は4,5文しか載っていません。そんな言葉、第一印象はきっと「造語」です。しかも否定の接頭辞unがついています。

人間は肯定文を想像し、それをもとに否定文を作ります。いきなり否定文は作れません。

Unstoopingの場合、まずstoop(身をかがめる)が目に浮かびます。これは受け身ではなく、自動詞の現在分詞です。自分でしちゃうんですね。

となると…どうも「人間よ、お前は動物より優位だ。世に君臨せよ」とはだいぶニュアンスが違います。そもそも「人間の皆さん」がそんなつもりになったらSDGsどころではありません。

実は、この詩に描かれている人間はそんな強者ではないように思うのです。

弱い人間が絶望にうなだれ、孤立するのは簡単。

だからこそ、他者と共に、自らのみをより頼むのではなく、天に任せ、望みをもって思うように歩み続けよ、と励ましているのではないでしょうか。

この詩が何年に書かれたのかは不明です。

ただ、1910年ごろから英仏露と独・オスマン・ハンガリーの関係が悪化し、戦争の暗雲が近づきます。

人間がみずからの内なる獣性に屈服し、互いに戦い続ける時代の到来です。
立派なライオン、立派な熊が呆れるようなことを人間が性懲りもなく続けた時代です。

そんな時代に飲み込まれた普通の人々を、この詩は激励しているように思います。

新コロ騒動をデ・ラ・メアだったらどう描くことでしょう。

シュタイナー学校の先生のための英詩講座、明後日は何と旧約聖書、創世記の出だしです。
英語表現を深く理解するには、キリスト教の知識が不可欠です。一方通行講義はしません(できません)。ご参加の皆さんの疑問、発想を中心に一緒に旅をします。ぜひご参加ください。

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家庭菜園、私は「間引き」しない

持続可能な未来のための通訳者、通訳藝術道場主宰の冠木友紀子です。

家庭菜園の季節がやってきました。指南書には必ず「間引き」せよと書いてあります。

「種まき穴1つに複数の5,6粒の種をまきます。
発芽して双葉が開いたら成長のよさそうな2つに、
本葉が開いたら1番強そうなものだけ残しましょう。」

これがどうも私は納得できませんでした。

買ってきた種も袋に発芽率80%って書いてあります。
なのに5.6粒のうち1つ、とは日の目を見ない種が多すぎる!

間引きをしないとどうなるんだろう。

間引きをしない人たちの理由を調べると…

「面倒だから」

え…。

よし、間引きをしなくてもすむようにしよう。

野菜も花も区別しない庭。ブロッコリが芽を出しました。右のほう、水菜が固まって発芽しちゃってるなあ。

種と種の間に距離をとって蒔いてみました。案の定、どれもよく育っています。

でも、手元が狂ってどばっと種がこぼれ、密に発芽したところも。このイタリアンパセリ。さて、どうしよう…。

そうか、植え替えが負担ならば、強く丈夫なものを植え替えよう。

植え替えは根がちょっと傷つく。がまんできるのは丈夫な子のほうでは。

これも皆無事に育っています。
しかも、大きな苗に日陰を作られていた妹、弟たちが大きくなっている。

大きな苗は「強い」というより、「早く」大きくなって周りに日陰を作っていたようで。

おそらく、間引きを必要とするような密な蒔き方は、うっかり空席になって圃場を無駄にしないため。プロの農家ならば収入に直結する問題でしょう。

でも、素人の家庭菜園は市場とは無縁。植物が天寿をまっとうできるよう、お裾分け頂戴しながらのんびりやります。

人間の社会はどっちに似ているんでしょう。

プレ通訳道場【あのプログレスで英語の土台徹底リノベ講座】プログレスを教えられるようになるというおまけつき。第2期はこちらです。

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春休み、中高生が退屈したら

こんにちは!持続可能な未来のための通訳者、通訳藝術道場主宰、冠木友紀子です。

新コロ騒動収束もいまいちな中、まもなく再びの春休み。外出自粛、ステイホームで中高生のお子さんはさぞ退屈するのでは。

そんなお子さんに見せたい、進路相談室にはまず無いスゴイ景色があります。

black butterfly preaching on peach flower
Photo by FOX on Pexels.com

それは、若い庭師さんたちの現場。

目下、我が家は庭師さんにお願いして庭の造作を新しくしてもらっています。

朝8時になるとおそらく私と同世代の親方含め、3-4人の庭師さんが元気にご登場。てきぱきとその日の仕事を確認すると、もう、ひとつの生き物のように動き続け、働き続け、新しい庭を形にしていく。時折、豪快な笑い声が上がる。お茶の時間のおしゃべりは屈託なく、仲の良さそのもの。

素晴らしいチームワークだけれど、チームとして固定しているわけではないそう。ゆるいギルドのような集まりがあって、地域や時期によって声をかけあって一緒に仕事をしているとか。最近の言い方なら、プロジェクトチームでしょうか。ひとりひとりが個人事業主、あるいは株式会社主として、自分の人生の経営者という心構えでいるのです。

できあがった部分を見てびっくり。打ち合わせでの私の予想と期待をはるかに超えている。まさにプロの仕事。

私はもっぱらPCに張り付いてひとりでZoomやら録音、録画などしていますが…彼らの働き方を見ているだけで、気持ちが清々します。

拙宅においでになれるお子さんは見学大歓迎と言いたいところですが、まもなく完成してしまいます。

でも、近所を見回してください。春の芽吹きを前に、慌てて庭師さんを頼んでいるお家があるのでは。

そういえば、中2の国語の時間、教科書をはるかに超えた次元で人生を語る先生が、窓の外に庭師さんを見つけてこうおっしゃいましたっけ。「いいわねえ。若い人が身体を使って確かに働いている。部屋の中で勉強ばかりでは、ねえ。」

庭師はBullshit Job 「クソどうでもいい仕事」(デーヴィッド・グレーバー著)とは無縁です!

冠木友紀子のプロフィール

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カタカナ怪談「ストーブにストウブで煮れば…」

持続可能な未来のための通訳者、通訳藝術道場主宰の冠木友紀子です。

いやー、カタカナは悩ましい!先月のことです…

「黒豆ならストーブをストーブにのせておけば…」
料理好きな友人のひとことに周りの人たちは目を白黒。

ストーブにストーブをのせる?燃えてまうがな。

いえいえ、のせるのは「ストウブ」。

フランス伝統の鉄製無水鍋で、素材の水分を活かしておいしく仕上がると人気です。

素材の水だけで驚きの美味に!

でもStaubという綴りはフランス語というより、ドイツ語に見えて仕方ありません。

なるほど、フランスと言ってもアルザスなのですね。ここはフランスとドイツが小競り合いを繰り返したところ。ドイツの単語もあちこちに残っています。アルザスの白ワインは甘くて、細いビンに入っていて、ドイツのワインのようです。

で…Staubは創業者のFrancis Staubさんの名前に由来しますが…フランスのFrancoisでもドイツのFrankでもないところがまたアルザスらしいような…

(実は、20年前に初めて公に通訳したのが、アルザス問題研究者のフランスの方の講演でした。このことはまた別稿にて。)

そして、Staubシュタウプはなんとドイツ語で「塵」。

人の名前は不思議です。映画「いまを生きる」でもPittsやMeeksをキーティング先生が「変わった名前」と言っています。

Staubをフランス読み、カタカナ書きすると、auはカフェオレの「オ」なので「ストーブ」でいいと思うのですが…よくない!!先客ありです。困った先客です。

ストーブはstove、律儀に書けば「ストウヴ」。いかにも日本のみなさんになじみませんねえ。それに、いわゆるストーブはheaterと呼ぶことが多いんです。

変な先客に居座られて、本当のストーブさんがお困りのようで。

英語の土台徹底リノベ講座はこちら。 Progress in English旧版が味方です。



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それは食品ロスじゃなくてfood wasteだ

こんにちは。持続可能な未来のための通訳者、通訳藝術道場主宰の冠木友紀子です。

日本でも「食品ロス」が話題です。政府広報によると年間600万トンを超えるそうですが、あまりの量に10tトラック1700台分、なんて言われてもさらにクラクラしてしまいます。

ここでちょっと気になるのがこの「ロス」。英語の綴りは”loss”。lostからの逆成語で13世紀初出とあります。

まあ日本語では「ペットロス」「朝ドラロス」のように、自分の力ではどうにもできない喪失を嘆く気分によく使いますね。

ん?ちょっと待って。

冷蔵庫の中にショウガを入れたのを忘れてミイラにした本人がどの面さげてショウガロス?

そういえば、10年来通訳として参加している食品工学の学会ではfood waste を頻繁に使っていました。

たとえば、アフリカでは畑の作物を鉄道で都市部に運搬する。気温は高く、貨車は揺れ、作物の包装が不十分なので、都市に到着するころには積み荷の8割が食べられない状態。インフラやシステムの欠陥が原因で、人間がどうソフトな手を打っても、心がけてもどうしようもない。

これと、アメリカの家庭がいろいろと買い込みすぎて、1年でなん万円分もトマトを冷蔵庫でだめにするのと、まるで同じ?

後者は小さな工夫で改善できるのではないでしょうか?

この学会の集まりでは家庭で食品が無駄になることをいかに防ぐかをテーマにしていたので、一貫してfood wasteと言っていました。食べ物を無駄にする張本人は自分たちなのだ、自分たちの行動は変えられるんだ、という呼びかけもなされました。

ペットロスや朝ドラロス、ウェイトロスみたいに食品ロスなんていうのはちょっと甘いと思います。

植物や動物を誕生の時から人間の食物にすべく育て(←私はそもそもコレが嫌なのです。狩猟採集生活が理想)、それで食べないなんてとんだ罰当たり。

まあ、ふつうに何も感じずに訳せばfood wasteは「食品廃棄物」や「廃棄食品」あたりでいいのでしょうが、腹が立ってしょうがない。莫迦殺生くらい言ってやりたいもんです。

まあ、急な事情で、ということもあるでしょう。それでも堆肥囲いでもあれば新たな役目を果たせます。

日本の「始末」な台所仕事はどこへ行ったのでしょう。プンプン!

気を取り直して、
シュタイナー学校の先生のための英詩講座はこちらです。

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通訳準備、専門用語と同じくらい大切なのは

持続可能な未来のための通訳者、冠木友紀子です。

最近、おや?と思うことがありました。

私が主催する通訳道場の朝稽古でのことです。ある道場生が自分の専門分野の最新動向についてのプレゼン動画を稽古に提供してくれました。ほかの参加者は私を含め門外漢です。

この方は懇切丁寧に説明しようとしながら、「イメージわきます…?」と不安そう。

「やっぱり難しいです」という答えを期待されていたのかもしれませんが…

私は「イメージわきまくりです。」

だって、その動向は世の中のトレンドの一部。他分野の動向と共鳴しないはずがない。孤立していたら滅ぶはず。日常生活にも容易に比喩が見つかります。

「専門家でないとわからないのでは」と思い込むと、自分の言葉が干上がります。

自分の分野で起きていることが、よその専門分野でも起きていないか、という目できょろきょろすれば、自分たちのことを他者の言葉で語ることもできるでしょう。それは豊かなことだと思います。

そんなこと言われたって具体的にどうすれば?

まずはユヴァル・ノア・ハラリさんの「サピエンス全史」やデービッド・クリスチアンさんの「ビッグ・ヒストリー・プロジェクト」などで「人類史」の視点に慣れることです。

通訳の準備といえば「専門用語」を想いますが…それは点に過ぎません。

点と点をつなぐ思考の線、ビジョンの面を捉え、専門家の頭の中にある景色がだいたい見えるようになること。その専門家の頭の中の景色を「人類史」を背景に捉えること。人類史をふだんから気にすること。

通訳の適性としては、こうした歴史や社会の動向への関心ほうが海外生活の有無や外国語運用力よりよほど大事です。

英語ができるので通訳を頼まれてしまう方たちのために小冊子作りました。こちらからどうぞ。

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新コロ騒動が開花させたチカラとは

持続可能な未来のための通訳者、通訳道場主宰の冠木友紀子です。

新コロ騒動どうなりますやら。

皆さんそれぞれにこれまで通りでない生活に多少のご苦労がおありのことでしょう。

私はオサンドンと皿洗いが3日続いたときは、ダイニングの一隅に竹藪のパンダよろしく微動だにせず座って食べ続ける家人にキレました。ただ、パンダさんはおサルさんがキレても「???」。おサルさんはビールだか何かのおまけで貰って山ほどたまったダサいガラスコップを2つばかりオシャカにしました。

お耳汚しでございました。

でもね、私はおおっ!と感激していることがあるんです(パンダ氏にではなく)。

それは、セルフモニタリングの力。

大学の短縮授業はオンラインです。驚異の出席率に貢献度。なにがこれまでと違う…?

なるほど…ふだんは授業中に自分ではクラスメートも自分もそれほどよく見ていません。先生は教室をウロウロ。「へ、私のことなんかそんなに見てないでしょ。」

ところがZoomだと先生もみんなも、そしてなんと自分もモニターで同じように見える!

つまり、ずっと鏡を見ている状態になるんです。

ビデオをオンにする効果は絶大です。

人間は自分のことがいちばん気になる。こんなんでいいのか!と思う、修整する。これがセルフモニタリングの力です。先生にやいのやいの言われるより効果絶大。

オンライン授業にはできないことも沢山。でも、このセルフモニタリング着火はリアルよりよほどうまくいく。

というわけで、新コロ騒動も悪いことばかりではありません。それぞれ女優たるべく気が済むまで精進し、せいぜい「ごきげん」でいましょう。

持続可能な未来のための通訳者 冠木友紀子のプロフィール

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「見えない敵からいのちを守る」への違和感

持続可能な未来のための通訳者、冠木友紀子です。

新コロ騒動、収束への道のりが見えません。粉骨砕身がんばっている医療関係者、介護職の皆さん、保育士さんたちには頭が下がります。どうか健康が守られますように。

ただ、メディアで見かける「いのちを守る」「ウィルスという見えない敵と戦う」というフレーズにはちょっと違和感を感じています。

生命は大事。でもいつか手放すときがくるのです。「敵から守る」ものではないでしょう。

いつから私たちはこんなに死を忌み嫌い恐れるようになったのでしょう。死を受け入れるのは生命を粗末にするのとは違うでしょう?

9年前にも違和感を覚えたことでした。

いつまでも肉体をもって永らえることは幸せでしょうか。

Memento Mori 死を心に留めよ。

確かに、心に留めるといってもどういうことだよくわからない。自分の死は自分だけはわからない。だからなんだかこわい。

けれど思うのです。
「自分がいなくなっても遺したら喜んでくれるもの」があるのは、なんとありがたいことか。「これのためなら死んでもいい」ことに出会えるのはどんなに稀で自由なことか。

そして、そんなもんがなんにもなくても、まあいいじゃないかと。

とても安らかで幸せな、死を迎える歌をご紹介します。リヒャルト・シュトラウスがヘッセの詩に曲をつけました。「4つの最後の歌」の3曲目、「眠りにつくとき」です。
ジェシー・ノーマンの歌声で、
9分あたりからご覧ください。

眠りにつくとき

もうこの日に疲れはてた
私の切なる望みも
喜んで星の夜空を迎えるとしよう
疲れた子どものように

手よ、すべてのわざをそのままに
額よ、すべての思考を忘れよ
私の感覚すべては今、望む
まどろみに沈むこと

そして、見張りを離れた魂は望む
自由に飛翔し、漂うことを
夜の不思議の中へ
深く、幾千世と生きるために

(冠木友紀子試訳)
 Beim Schlafengehen 

Nun der Tag mich müd' gemacht,
soll mein sehnliches Verlangen
freundlich die gestirnte Nacht
wie ein müdes Kind empfangen.

Hände, laßt von allem Tun,
Stirn, vergiß du alles Denken,
alle meine Sinne nun
Wollen sich in Schlummer senken.

Und die Seele unbewacht,
Will in freien Flügen schweben,
Um im Zauberkreis der Nacht
tief und tausendfach zu leben

英語はできるけれど通訳は自己流の大人を応援します。通訳道場★横浜CATS 

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新型コロナウィルス戦争用語に疲れた心のためにー【アッシジの聖フランシスコ★創られしものの讃歌】

「新コロとの戦争」「ウィルスを撲滅」「団結」「勝利」

勇ましい言葉とうらはらに、人々の心は疲れ、不安にさいなまれているのではないでしょうか。

言葉は心を、人をつくります。敵対ではなく、謙遜、感謝、和解、受容にいたる言葉を大切にしたいと私は願います。

一昨日来、ふとアッシジの聖フランシスコの「創られしものの讃歌」が思い浮かびました。この時季に皆さんと分かちうようにという知らせだったのかもしれません。フランシスコ会のラテン語から訳しました。

まあしかし、訳すことのはひとつを選び、他をすてるジレンマがあります。スタイルひとつとっても敬体?常体?会話風…なら標準語?東北?女言葉、男言葉…子ども言葉…とさんざん悩みました。そしてまず打順1番は…私自身にしみ込んでいる讃美歌ふうプチ文語体にしてみることにしました。

皆さまの心に平安がありますように。

創られしものの讃歌(被造物の讃歌、太陽の讃歌とも)

いと高き、力に満てる 善なる主よ
賛美、みさかえ、ほまれ、すべての祝福(ことほぎ)は汝のもの
このすべて、汝のみもとにのみ集う、いと高き主よ
なんびとも汝のみ名を口にするに値せず。

わが主よ、創られしすべてとともに汝が讃えられんことを
まず、長なる兄弟、太陽とともに
太陽は日。汝、我らを太陽により照らしたもう
美しく、光を放ち、大いに輝く太陽は
いと高き主よ、汝に似通う。

わが主よ、姉妹なる月と星々ゆえに汝が讃えられんことを
さやかにきらめく、尊く、美しい天の月星ゆえに。

わが主よ。兄弟なる風と空気ゆえに汝が讃えられんことを
曇るとき、晴れわたるとき、あらゆるとき
すべてにより、汝、創られしものを保ちたもう。

わが主よ 姉妹なる水ゆえに汝が讃えられんことを
いと用いやすく、つつましく、尊く、清らかな水ゆえに。

わが主よ、兄弟なる火ゆえに汝が讃えられんことを
火により汝、夜を照らしたもう
美しく、楽しく、堅く、強い火のゆえに。

わが主よ、我らが姉妹である母なる大地のゆえに汝が讃えられんことを
大地、我らを保ち、統べたもう
さまざまな実りと色とりどりの草花を生み出したもう。

わが主よ、汝の愛によりて赦し、病と苦しみを担う人々ゆえに汝が讃えられんことを。

幸いなるかな、心安らかに耐える者、
いと高き汝より冠を授からむ。

わが主よ、姉妹なるからだの死ゆえに汝が讃えられんことを
なんびともこの姉妹より逃げること能わず。

あわれ、滅びに至る罪のうちに死にゆく者
幸いなるかな、いと高き聖なるみこころのうちに死にゆく者
第二の死、彼らに害を為さざるなり

わが主をたたえ、ことほぎ
感謝し、大いに慎んで仕えよ

ラテン語より、冠木友紀子訳

通訳道場第5期 オンラインで開催します。ご相談会お申込み受付中!

ご参考まで Commission on the Franciscan Intellectual Traditionより

ラテン語

1Altissime, omnipotens, bone Domine,
tuae sunt laudes, gloria et honor et omnis benedictio,

2tibi soli, Altissime, conveniunt;
et nullus homo est dignus te nominare.


3Laudatus sis, mi Domine, cum universa creatura tua,
principaliter cum domino fratre sole,
qui est dies, et illuminas nos per ipsum;

4Et ipse pulcher et irradians magno splendore;
de te, Altissime, defert significationem.

5Laudatus sis, mi Domine, propter sororem
lunam et stellas,.quas in caelo creasti claras, pretiosas et bellas.

6
Laudatus sis, mi Domine, propter fratrem ventum
et propter aerem et nubes et serenitatem et omne tempus,
per quod das tuis creaturis alimentum.

7
Laudatus sis, mi Domine, propter sororem aquam,
quae est perutilis et humilis et pretiosa et casta.

8Laudatus sis, mi Domine, propter fratrem ignem,
per quem noctem illuminas,
et ipse est pulcher et iucundus et robustus et fortis.

9Laudatus sis, mi Domine, propter sororem nostram matrem terram
quae nos sustentat et gubernat,
et producit diversos fructus cum coloratis floribus. et herba
 
10Laudatus sis, mi Domine, propter illos, qui
dimittunt propter tuum amorem,
et sustinent infirmitatem et tribulationem.

11Beati illi, qui ea sustinebunt in pace,
quia a te, Altissime, coronabuntur.

12Laudatus sis, mi Domine, propter sororem mortem corporalem,
quam nullus homo vivens potest evadere.

13Vae illis, qui morientur in peccatis mortalibus;
beati illi, quos reperiet in tuis sanctissimis voluntatibus,
quia secunda mors non faciet eis malum.

14Laudate et benedicite Dominum meum,
gratias agite et servite illi magna humilitate.
 

英語

Most High, all-powerful, good Lord,
Yours are the praises, the glory, and the honor, and all blessing,
To You alone, Most High, do they belong, 
and no human is worthy to mention Your name.

Praised be You, my Lord, with all Your creatures, especially
Sir Brother Sun,
Who is the day and through whom You give us light.
And he is beautiful and radiant with great splendor;
and bears a likeness of You, Most High One.

Praised be You, my Lord, through Sister Moon and the stars,
in heaven You formed them clear and precious and beautiful.

Praised be You, my Lord, through Brother Wind,
and through the air, cloudy and serene, and every kind of weather,
through whom You give sustenance to Your creatures.

Praised be You, my Lord, through Sister Water,
who is very useful and humble and precious and chaste.

Praised be You, my Lord, through Brother Fire,
through whom You light the night,
and he is beautiful and playful and robust and strong.

Praised be You, my Lord, through our Sister Mother Earth,
who sustains and governs us,
and who produces various fruit with colored flowers and herbs.

Praised be You, my Lord, through those who give pardon for Your love, and bear infirmity and tribulation.

Blessed are those who endure in peace for by You, Most High, shall they be crowned.
 
Praised be You, my Lord, through our Sister Bodily Death,
from whom no one living can escape.
Woe to those who die in mortal sin.
Blessed are those whom death will find in Your most holy will,
for the second death shall do them no harm.
 
Praise and bless my Lord and give Him thanks
and serve Him with great humility.

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通貨・数字の通訳はどうする?

「億単位の金額が飛び交うと…」(わあ、すごい)
「通貨の計算に戸惑います…」

無理しなさんな。そんなところでかっこつけても仕方がない。

ちょっと才走った通訳嬢がすらりと通訳したつもりで、そのあげく、あとで言った言わないのもめごとになるのが数字、金額。

社内ならまだしも、フリーランスが請け負ったクライアントの案件だったらひとたまりもありません。

F1レーサー、日光いろは坂のバス運転手さんを思いうかべてください。

プロは直線とカーブではスピードを変えるでしょ?

どこでもかまわずすっ飛ばすのがかっこいいと思っているのは自己中心的な初心者です。

私は、数字には通訳メモとは別に大きめのポストイットを使います。先方の現地価格、数量をメモ。これでいい?とメモを先方に確認。換算して日本側に伝えます。それを海外、日本側両者で確認。参加者のどなたかに協力をお願いして、いつの、何についてのメモなのかタイトルを書いていただきます。

みなさん、喜んで協力してくださいますよ。誰もが順調かつ正確なコミュニケーションを望んでいるんですから。それに、人に頼りにされるってうれしいでしょ?

オンライン通訳道場 第5期お申込み受付中!

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