忙しいのは心を亡くす!【シュタイナー・魂の旧暦?】

まあ、呆れたことでございます。

ドイツ語学び祭りと銘打って始めたルドルフ・シュタイナーの「魂のこよみ」訳、なんと2週間も遅れているではありませんか。

とにかく忙しかったのです。どれもよくぞこんな私を頼りにして下さったとうれしくなるお話ばかり。精一杯応援したいとねがい、そのようにしたつもりです。

ところが…第24週の魂のこよみの詩にガーン!

どんなに思いで相手の幸福を願っても、あまりに忙しいのは考えものです。

魂は自らを生み出しながら自らに気づく、とあります。

生まれ出る魂自らになんて気づくひまないよ!では黄色信号。生まれ出ずるものは深みに欠け、今日明日に喜ばれても、すぐに潰えることでしょう。

英国、ストラウドの秋の朝

それにしても、宇宙、や精神、は私の坂東者の腹にはおちないなあ。現代語古語類語辞典で調べても限界です。私は神道や仏教の日本語を知らなすぎるのですね。

Sich selbst erschaffend stets,
Wird Seelensein sich selbst gewahr;
Der Weltengeist, er strebet fort
In Selbsterkenntnis neu belebt
Und schafft aus Seelenfinsternis
Des Selbstsinns Willensfrucht.

みずからをつねに生みだしつつ
魂という存在はみずからに気づく
宇宙の精神は力強く励み
みずからを知ることで新たによみがえり、
魂の暗がりから生み出すのは
みずからを感覚するという意志の実り。

持続可能な社会のための通訳者 冠木友紀子のプロフィール

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台風で大変だっていうのに「魂のこよみ」23週

台風15号大変でしたね。関東、とくに千葉の皆さん、お疲れがたまっていることでしょう。くれぐれもご自愛ください。

私は聴覚と発声のパイオニア、トマティス・メソッド®の通訳で神戸にいたため、猛暑の晴天下で気をもんでおりました。

どちらにしても、日本の状況はこの週のシュタイナーの詩とぴったり、というわけにはいかないようです。今秋の詩は秋の静けさの中に冬のおとずれを予感しています。ヨーロッパと日本の違いなのか、気象変動のせいなのか…。気をつけてみると確かにかすかに秋らしさ、かなたに冬を感じられなくもないのですが。

今回も困りました。

秋の明るみのうちに冬の気配…?
Es dämpfet herbstlich sich
Der Sinne Reizesstreben;
In Lichtesoffenbarung mischen
Der Nebel dumpfe Schleier sich.
Ich selber schau in Raumesweiten
Des Herbstes Winterschlaf
Der Sommer hat an mich
Sich selber hingegeben.

ここです。5、6行目。
Ich selber schau in Raumesweiten
Des Herbstes Winterschlaf

英訳は「秋の冬眠」としているのですが、それって秋眠?
秋Herbstesはその前のRaumsweitenにかかるとは考えられないでしょうか。英語で言えばin wide space of the autumnてな感じです。

そうすると、目の前にある今の季節のなかに、次の季節がひっそり忍び込んでくる、というモチーフの繰り返しとしても自然では?と思うのです。

秋めいて鎮まる
刺激を求めていた感覚。
あらわな光のうちに混じる
霧の湿った帳(とばり)
私も目を留める、はるかに広がる
秋の内なる冬の眠りに。
夏はもう、私に
みずからを委ねた。

こんな構造を感じます。
1-2行 夏の終わり 
3-4行 明るさの中にくぐもり
5-6行 秋のうちに冬眠
7-8行 夏の終わり 変奏

英語は語順が決まっている、なんていうのは昨日今日の散文だけの話。韻文ではイメージと音を活かすためにとんでもない語順のオンパレード。それでも勘違いしないのは文法のおかげ。まあ、教科書みたいな散文ばかりでは文法も本領発揮せず、面倒なばかり。その妙味も楽しめないとは思いますが。

それにしても、私はドイツ語では新米。ドキドキです。

持続可能な社会のための通訳者 冠木友紀子のプロフィール

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果実はいつ生まれる?!シュタイナー「魂のこよみ」に??

今週もうんうんうなって日曜、つまり次週となってしまいました。。

これも広がりと深み、空間と時間、世界と人間…なんと次元と構造の整った詩だろうと思って感心して読み進むと、なんでしょ、これ。

果実に誕生させる?!Um Früchte zu entbinden,

Ruth and Hans Puschによる 英語版も To bring to birth the fruits 果実に誕生をもたらす、とあります。

え?果実に誕生?それっていつのことかしら。うちのゴーヤも小指の先ほどのゴーヤの胎児みたいなのから、へちまと見まがう大将まで同時にぶらさがってる。そういえば、実っていることに気づかないで、大きくなってから見つけてびっくりすることもあるけれど… ん?いつ生まれてるの?実の中の種が芽を出すこと?むむむ。

そういえば、人間も「誕生日」というけれど、その日に人間のすべてが生まれるわけではないなあ。

今時分の果実と言えば、これだっぺ。

それにしても果実と誕生ってコロケーションがおもしろい。もちろん、ドイツ語でも、英語でもそうでしょう。それで、新しい概念、見逃していた一面が認識されるのかもしれません。

ああ、もうひとつ悩ましいのはWelten。宇宙と世界を両方含む大きな表現はないものでしょうか。仏教の日本語をもっと知りたいなあ。

 
Das Licht aus Weltenweiten,
Im Innern lebt es kräftig fort:
Es wird zum Seelenlichte
Und leuchtet in die Geistestiefen,
Um Früchte zu entbinden,
Die Menschenselbst aus Weltenselbst
Im Zeitenlaufe reifen lassen.
遥かなる宇宙からの光は
心のうちに力強く輝き続ける
それは魂の光となり
精神の深みを照らす
実りがあらわになるよう
宇宙の自己より来る人間の自己が
時の流れのなかで熟れゆくように。
英語版は言葉が多くてなんだか野暮ったい、と思っていたのですが、先日新発見。
森省吾さんのアドバイスから、英語はアイアンビックを保つという工夫をしていることを知りました。

Have a good week.

ドイツ語祭り中の通訳者、冠木友紀子のプロフィール

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シュタイナー「魂のこよみ」に通訳者も困った!

今週の「魂のこよみ」の詩には参りました。ひとつ、らちが明かないことがあったのです。3行目の’empfind’です。 ‘ich’が主語なら ’empfinde’とEが最後につくのでは?つかないのってどんな形?接続法?いや、違う。なにこれ ?!

そこでシュタイナー教育の自然科学教育に詳しくてご著書も多い森章吾さんにお訊ねしました。森さんとはIPMTという医療者限定のアントロポゾフィー医療研修で、幸運にも通訳仲間としてご一緒させていただいたご縁です。

びっくりするほどすぐに届いたお返事には、たぶん韻律の関係ではないか、とのこと。たぶん、の部分は私が調べてご報告差し上げることにしました。

あ…!

ロンドン、緑の木陰で深呼吸

それ、英詩でもあります!文字より音声が優先するのです。 たとえば、シェイクスピアの「As You Like It お気に召すまま」では貴族アミアンスが人々と声を合わせてUnder the Greenwood Treeを歌う場面があります。

Who doth ambition shun,
欲を振り捨てて
And loves to live i’ th’ sun,
太陽のもとに暮らしたいひと(ここにおいで…)

おおすごい。in the sunが i’ th’ sun。 でもアポストロフィがあるからすぐわかる。シュタイナーはどうしてアポストロフィをつけなかったのでしょう?

さて、くだんの詩はこちらです。

 Ich fühle fruchtend fremde Macht 
Sich stärkend mir mich selbst verleihn,
Den Keim empfind ich reifend
Und Ahnung lichtvoll weben
Im Innern an der Selbstheit Macht.

私は感じる、実りゆく未知の力が
勢いづき、私に私自身を授けるのを
私は覚る、その種が熟し
予感が明かにきらめくのを
心の内に、みずからの力に依って。

詩の翻訳は終わりのない旅です。私はイメージの順を守ったり、語源のしぐさを活かしたりするのは得意です。でも、ここにこうして書いても、私の中では終わっていません。ことに、シュタイナーの詩の韻律はほぼ弱強のアイアンビックですが、それを日本語に写すことはできていません。できたところで、日本語として奇妙かもしれません。まあ、翻訳はそういう前例ナシの変なことで言語の枠をひろげるという役割もありますが。

ともかく、詩を訳していると豊かな充電時間を過ごせるのは確かです。気分一新して、また数百枚のパワポを自動翻訳したものの編集へと戻ります。

みなさんはどんな充電時間をお過ごしですか?

訳した感まるでなし、セミナー集客を楽にする通訳者★冠木友紀子のプロフィール


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通訳道場★朝活とシュタイナー「魂のこよみ」

通訳道場参加者限定の朝活。月12回朝8-9時にzoomで稽古(!)しております。

これがいいんです。毎回それぞれ話す内容を準備するのですが、まあ、人の話には思いがけないこと、教わることばかり!話す方も通訳してもらうつもりで話しますから、話し方が整ってきます。相当長いまとまりを通訳していますが、生き生きときれいに訳せています。友人同士ですから、平板な従来型通訳口調ではおかしいですもんね。

今日の話題は…中国で優秀な警察犬のクローンを作ろうとして議論になっているということと、トランプ大統領がグリーンランドを買い損ねてへそを曲げてデンマーク訪問を取りやめたということ。

通訳し合うだけでなく、意見交換もします。

この2つのテーマを重ねて透かしてみると…「対象意識」という言葉が浮かんできました。

自分以外のものごとを「対象」と捉え、意のままに操ろうとする態度のことです。そこに共感や想像はありません。「対象」に与えた痛みをやがて自分も味わうことになるとは思わずに…

私にはシュタイナーの「魂のこよみ」20週目の詩が気になりました。

実はドイツ語祭り(=学習)の一環として、週ごとの「こよみ」の詩を訳そうと思い立ったところでした。

訳そう、と思うと能動スイッチが入ります。ひとこともゆるがせにできません。ああでもない、こうでもない、ここはどうして言い換えてあるんだろう。この語の語源、おおもとの仕草はどんなだろう。もう、ずっと考えています。覚えてしまいます。高橋巌さん、秦理絵さんの訳も、訳者の頭の中を想像しながら、ありがたく拝見します。

これが読者として受け身なままでいると、「シュタイナーってなんか難しい。訳語がカタいんじゃない?」と浅はかなブータレに終始しがちです。

で、あくまでも私訳の試訳ですのでお手やわらかに…

So fühl ich erst mein Sein,  
Das fern vom Welten-Dasein  
In sich, sich selbst erlöschen  
Und bauend nur auf eignem Grunde  
In sich, sich selbst ertöten müsste.
             -Rudolf Steiner

こう私は感じる、自身の在りようを-
遠く世界存在から離れては
己のうちに、己を消し去ることになり
己のみに拠り立てば
己のうちに、己を死なせることになると。
(「魂のこよみ」第20週   冠木友紀子 試訳)

グーグル翻訳もがんばっています…でも、詩や哲学は苦手ですねえ。

それが私が最初に感じる方法です
世界の存在からは程遠い
それ自体で、それ自体を消すために
そして、独自の根拠に基づいてのみ構築
それ自体で、自分自身を殺す必要があります。

持続可能な社会のための通訳者 冠木友紀子のプロフィール

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「医療・農業・教育」を通訳するなんてブレている?

なぜ持続可能な「医療・農業・教育」を通訳するんですか?違う分野でしょう?通訳さんは文系、語学系でしょう?ブレブレじゃないですか?

おお、よくぞ訊いてくれました。この時代、そう思う方は多いようです。

小さい頃から田舎育ちの私には、なんとなく想像がついたのです。この3つは、かつて教会やお寺に司られ、緩やかに連携しながら、牽制し合っていたのだと。

子どもが具合を悪くすれば、まずたっぷり寝かせる。年よりは死期をさとり、身内の者を呼び寄せて辞世の感謝をする。症状が悪くなってからそれを叩く強い薬をのむのではなく、元気なうちから自己治癒力を励ます薬草茶を飲む。新鮮な野菜を安く買おうとするより、庭で野菜を育てる。子ども達は勉強で点数競争するのではなく、他者を手伝うために頭をひねる。いつも景色のどこかにお寺や修道院が見えている。

神の退却と共に、いまやこれら3つが不安を煽る金儲けの暴走エンジンとなり人としての倫を超えたと思う場面もしばしばです。

ただ、それぞれの領域が単体になって、単純化したかと思うとその逆で。異常に込み入って見えるのです。まるで干物の鯵をバラしたようです。だから近代医療、近代農業、近代教育はそれぞれ単体でひとつの領域に見えるのかもしれません。

でもオーガニックな医療・農業・教育は生きた鯵のよう。泳ぐ姿には波の動き、鯵の体感まで共感できるよう。共通点が多いのです。生命プロセスが透けて見えるのです。

生命プロセスを感じる。これぞリベラルアーツ。

そのことに、はじめて満面の笑みで共感してくださる方に出会えました。ドイツのバイオマスボイラー関連企業のCEOの方です。

ボイラーも生きものですね、プロセスがありますね、というとニッコリ。「いままで通訳者から聞いた中でもっとも○○なコメントだ。もう安心だ。」と。

よかった、よかった。

ところで、ブレているかどうかって、見る側の視点の深さ、視野の幅広さにもよりますよね。なので私は天智神明から見れば常にブレていると思っています。他人をブレているなんて上から目線で責めるつもりはありません。

持続可能な医療・農業・教育のための通訳者
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通訳者が展示会に出かける理由

お台場のビッグサイトで開かれているバイオマス展に行ってきました。商談アテンド通訳の仕事?いえいえ、違います。純粋にお客さんとして行ってきました。これも大事な通訳準備なんです。しかも今回はヨーロッパ視察旅行の旅の仲間も日本各地から再集結。現場をもつ専門家と展示会に行けるなんてとてもありがたいこと。

私が通訳者として展示会を重宝する理由は2つです。

バイオマス関連の資料をこんなに沢山入手!

まず、通訳を担当する専門分野、業界を一望できること。展示会には日本を中心に世界各地から第一線の企業が集まります。一社ずつ会社訪問したら旅行だけで大変なことになります。それが何百社と一堂に会して、しかも営業担当の方が控えていて、資料も無料でもらえるんです。

今回は専門家の方の見方を伺うこともできたので、とても勉強になりました。

もうひとつの理由は、通訳者の働く様子を見て、通訳道場で提供するサポートの参考にすること。

展示会での通訳は社員があたることが多いようです。なかには「スミスさんは~とおしゃっています。」と間接話法で話している方も。これはとても疲れます。でも社員として発言を求められる場合もあるので、I=私=自分を指す普段のモードでいないとまぎらわしいのでしょうね。ふむふむ…。そうだ、あれを作ってみよう。

別の展示会ではええっ、と思うこともありました。ドイツのとある企業は日本の通訳エージェントでドイツ語の通訳を手配していました。よし、通訳してもらう側の気分を味わってみようと通訳をお願いすると…楚々としたその女性は控えめに「私、この分野は専門ではないもので…」

専門分野を勉強していないと言うのです。準備が不十分かもしれない、ではなく準備していない、と言うのです。

だめだこりゃ。

依頼主の仕事に敬意と愛着、応援したい気持ちを抱いていれば、その専門分野を勉強せずにいられないと思うんですけどね。

仕事は他者のため、誰かを喜ばせるため。通訳者が学ぶのも他者のため。

いつか、おお、この人はすごい、弟子入りしたい、と思える通訳さんに出会いたいものです。

通訳道場★横浜CATS 第5期は5月から

 

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すべての学びに時がある―ドイツ語の天使が舞い降りた!

ついにその時が来ました。

バイオマス関係の視察と商談を通訳するために初めて訪れたオーストリアとドイツ。いよいよドイツ語の神様と目が合い、ドイツ語の天使が舞い降りてきました。

これまで何度か学ぼうとしてはきたんです。

言語中枢の分化やら、セルフモニタリングの重要性やら、外国語学習の科学に適うプロセスは、おそらく日本一ちゃんと実践しました。そのせいか、ろくに勉強せずに独検準一級もとれました。

それでもちっとも好きにはなれず、嬉しくもありませんでした。
ドイツ語を話している自分を想像しようにも想像できずにいました。

好きでもない言語を口にしようとするのは、好きでもない男とキスしようとするようなものです。

私の心の扉はどうにも開かずにいました。

ところが!

リンツの花屋さん

今回、すーっと開いたのです。

扉のノブを外から引いてくれたのは、オーストリア、ドイツのバイオマス専門家のみなさん。

この方たちのお話や気持ちを、この方たちの言葉のままにわかりたい。そんな気持ちが湧いてきました。(間違ってもいいから自己表現を発信しようなどとは思いません。そんなの効率も行儀も悪いです。)

こうなると、24時間ドイツ語を聞いていたい、目に映るすべてをドイツ語で何というのか知りたい、という熱病恋愛モードです。

この感覚、以前にも味わったことが…

そういえば、30年前。初めての海外でイギリスの人々に出会い、ケンブリッジの英語を耳にしてからは、もう恋愛状態。インプット激増ばかりか、それまでの様々なインプットも掛け算効果を出し始めたのです。

そんなおバカキチガイ状態の再来です。

30年前よりずっと便利な世の中になりました。ネットラジオにオーディオブック。これは楽しみ。フェイスブックやiPadの設定もドイツ語にしました。

私にとって外国語は心で学ぶもの。突破口が開くタイミングはとても個人的。

すべての学びに時がある。
その時はひとそれぞれ。

みなさんはいかがですか?

みなさんは何の神様と目が合いましたか?

通訳道場★横浜CATSはこちら。

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