オンライン授業を活かすには-中高生無料通訳道場より

おかげさまで新コロ臨時休校中高生限定無料オンライン通訳道場も4クラス7回は無事終了!

私こそ、朝に夕に中高生のはじける声を楽しみに、まことに健康的な毎日をありがとうございました。

元女子校の先生が初対面の中高生のみなさんに出逢って、オンライン授業の強み、弱みを改めて実感しました。そして2つ、思うことは…

話し手の頭の中の景色を聴き手の頭の中で再現するのが通訳

1.地域の縛りはいらない。
今回は北海道から和歌山まで、さまざまな地域から参加者が集まりました。北海道で雪が降っているときに和歌山はみかんが熟れる温かさ。「え、いま雪なの?」「そうだよ、いま見せるから」こんなやりとりができると天気予報の見え方も変わるものです。

2.学年の縛りはいらない。
急に決めたことだったので、その日時に集まれるメンバーで始めました。学年別でも志望校別でもありません。中1と高卒が一緒というクラスもありました。素材は中1の教科書に出てくるストーリーでしたが…すぐに通訳トレーニングで扱うのは上級生にも充分やりがいアリ。下級生は質問をし、上級生はすでに習ったことを下級生にプチ先生として答え…これ、同学年クラスではなかなか容易でないことです。

課題は、円になって輪唱などのちいさなコミュニティづくりの活動ができないこと。私のアプローチは脳化と逆行するのですが。

というわけで、新学期もオンライン授業にするなら、地域の学校ごとにまとまっているばかりではちょっともったいないですよ。そういう部分があってもいいと思いますが、神奈川の中学生が長崎の中学の授業に参加…なにが問題?そういう変化に富む体験を、地元の学校で分かち合おうではありませんか。

新学期も休校が続くようです。通訳道場、もっと通訳に焦点をあてた講座を中高生限定無料オンラインで1クール(6回)やるかしら、と思っています。

新コロ休校中高生限定オンライン無料通訳道場

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国産チーズパンフ英訳、翻訳の前に大事なこと

持続可能な未来のための通訳者、冠木友紀子です。

自動翻訳もずいぶん精度が上がりました。それでも翻訳者がやらねばならないことが1つあります。

新しい読み手を想像することです。ゼロから書く心づもりでいることです。
(もちろん分野によります。自然科学論文、文芸作品はこの限りではありません。)

考えてみれば当たり前のことです。言語を変えるということは、異なる読者層を対象にするということです。

共働学舎の宮嶋さんからのご紹介で、チーズプロフェッショナル協さんの国産チーズパンフの英訳を担当したことがあります。共働学舎のチーズ大好きな私には願ってもないお話。大いに張り切りました。

もとのパンフはすみずみまで工夫が凝らされた素晴らしいものです。チーズになじみのない日本人に向けて、多種多様なナチュラルチーズの製法と楽しみ方を紹介。チーズの専門家、有名人のインタビュー記事は国産チーズに親しみを感じさせます。生産者のインタビューは情熱にあふれ、思わず応援したくなります。

さて、最初のご依頼は「全部英訳」

ん???

ここで新読者確認です。

英語はあまりに世界で広く使われすぎています。誰でも読めるけれど、誰も自分宛てと思わない可能性も大です。英訳の難しいところです。宛名のないラブレターになってはもったいない。

依頼主に確認したところ、主にヨーロッパとのことでした。

そうなると日本人向けの丁寧な説明部分はかえって冗長、不要となります。ヨーロッパのみなさんは先刻ご承知ですから。チーズの専門家、有名人のインタビュー記事もあまり意味をなしません。かえって生産者の声がかすんでしまいます。

優しいイラストからはもうチーズが薫るよう!

生産者の声にしぼることになり、英訳を始めると…今度は生産者の「日本人向け」のメッセージが気になりました。

「おいしさの感度って他国と日本は違います。日本人はきれいな味が好き。だから日本人シェフたちの意見を聞きながら僕は雑味のない味を目指してきました。」

ごもっともです。日本の地に足をつけた見事なお仕事。ヨーロッパ輸入チーズの強い風味が苦手なひとでもおいしく楽しめるのはこういうたゆまぬ努力あってこそです。

でも、ヨーロッパの人たちにはこう聞こえませんか?
「日本のおいしさの感度は特別です。日本人はきれいな味が好き。他国はきたない味でもいいみたいだけどね。だから日本人シェフの意見を聞きました。他国のシェフのアドバイスきくと雑味のあるものができちゃうかもしれないからね。」

大げさかもしれません。でも、この生産者の方はこんないやな意図で話したわけではありません。ならば誤解の芽はできるだけ摘んでおきたい。そこで、誤解の可能性について依頼主に連絡し次のような修整を打診しました。

「おいしさの感度って地域それぞれです。日本人はどうも繊細な風味が好き。(そうした味づくりに慣れた)日本のシェフたちに相談しました。おかげで気になるいやな雑味のない風味が生まれました。」

するとすぐに協会と広告会社で話し合いがもたれ、これで行こう、ということになりました。迅速かつ柔軟な対応はさすが、とありがたく思いました。

また、日本のチーズを喜んでもらえるのは、ヨーロッパでも多数派の風味がしっかりしたチーズが苦手な人たちだということも見えてきました。(ヨーロッパの友人にいます。気の毒…)

英文はこのとおりです。
“Taste preferences vary from country to country and region to region.Japanese people tend to prefer subtle, delicate flavors. To acheive such flavors without any unpleasant distraction, I consulted with servera Japanese chefs.”

将来、納豆のねばねばと苦さが嫌いな日本人のために、ヨーロッパからさらっとして臭くないナッツのようなフレーバーの納豆がやってきたら面白いですねえ。

翻訳は新しい読者を想定して、ゼロから書くつもりで。人間だもの。

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福島地方紙の大学合格記事に思うこと

持続可能な未来のための通訳者、冠木友紀子です。

福島の地方紙の一面を見て驚いたことがあります。数年前のことですが。

ある東京の大学に合格者が出たというのがトップ記事。嬉しそうなご本人のインタビューも詳しく載っていました。

実におめでたい。でも、この調子で掲載してたら3月いっぱいじゃ追いつかないだろうなあ…

思い出していたのは福島県の高校の風景です。震災以降、私は「県境なき教師団」よろしく出前授業で通訳トレーニングやストーリーテリングを活かしたワークショップを提供していました。

伺うたびに(2時間授業して4時間呑んでいたのですが)感心するばかりでした。福島の県立高校の授業のレベルの高さ、先生方の仲間づきあいの濃さ、私たちへの行き届いたおもてなし…どう見ても支援していただいているのは県外からのこのこ出かけていった私たちでした。

あの感じなら、この大学には毎年30人くらい合格していて不思議はない…あの大学も、この大学も…ん?新聞が足りない?!

ふと、気になったのは記事の中の「十数年ぶり」の部分。

福島と言えばコレ!

え?どうして?

ここから先は憶測の域を出ません。

どうもたくさんの生徒が受験して不合格になったとは思えないのです。そもそも受験していないのでは。

…もしかして、実力はあるのに受験していないのでは。
実際よりその大学は難しいと思い込んでいるのでは。
受かるはずがないと思い込んでいるのでは。
地元を離れてはいけないと思い込んでいるのでは。
いったん地元を離れたら戻れないと思い込んでいるのでは。

いや、先生方がそんな思い込みは解いてくれるはず…

地元の大学も首都圏の大学もくまなく調べて自由に決めたことならよいのです。地元にも専門分野に優れた大学はあります。地元の大学に通いながら家業を継ぐ準備をするのもめったにない幸せな道です。それならよいのです。

ただ、もしかしたら東大の女子率が2割を超えないのと似ている構造があるのかもしれないと妄想しています。女子が受けて合格しないのではなく、そもそも受験するまでのハードルが多いとか。同じようなことが男女のジェンダーではなく、首都圏、地方のイメージの差にあるかもしれません…なんていうのが私の勘違いだといいのですが。

もし勘違いでなかったとしたら…次にやるべきことは酔っぱらい押しかけ授業ではないのかもしれません。

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合格=成功、不合格=失敗ではない

持続可能な未来のための通訳者、冠木友紀子です。

ここ数日、あちこちで高校入試の結果が出ているのですね。コロナ休校中高生限定オンライン無料通訳道場でも話題です。

第一希望に落ちたら…そりゃショックでしょう。気が済むまで落ち込んで、気が済むまで悔しさにまみれてください。いっぱい泣いて、いっぱい八つ当たりしましょう。それはあなたの努力の証。努力してなかったら落ち込むことなんてできませんよ。

でもね、しばらくしたら耳をすませてみてください。「これがよいのだ。このまま行け。」という心の声が聞こえてきませんか?

大いなる導き手(運命でも神仏でもコンコン様でも名前はなんでもいいです。ゼウスはあてにならないけど)は、失敗の仮面をかぶってやってくることがあります。

あなたを待っている学校はあなたの居場所になる

私も入試の現場で数年を過ごしました。受験生や入試問題、入試当日オペレーションに関する情報は他言無用。秘密厳守でした。

それでも振り返ってみると、学校ごとに別々にやっているようで、学校の垣根を超えた力が働いている気がするんです。いろんな学校の先生たちが自分たちでも知らないうちに、学校を超えたサッカーやバレーボールでパスをまわして、ひとりひとりが待っている学校行けるようにしている気がするんです。

絶対間違えないはずの漢字をど忘れしたのも…
ありえない計算間違いをしたのも…

すべてあなたを待っている人がいる学校に、あなたが行けるため。うっかり「第一志望」に受かってしまったら、人生の第一志望に行き損ねてしまう。

しばらくして落ち着いたら、どうか、人生の第一志望を信じてみてください。

「ここへきてよかったと思えるようにがんばろう」なんて気合を入れる必要はありません。それは気合でもポジティブでもなくてただの下心。自然にしているだけでいいです。

「あっちの学校に行かなくてよかった。こっちのほうがいい。」なんて思う必要もありません。それは失礼な負け惜しみ。あっちの学校のことをあなたは何も知らないのに比べようもないでしょう?

大いなる導き手はあなたの手をしっかり握り、一歩先だってあなたの道を一緒に歩いていくことでしょう。

ゆっくりと、あなたの心に「これだ」という温かい喜びが満ちてゆきますように。

よくがんばった、おめでとう!

1-4組終了後どうしようか、思案中→コロナ休校中高生限定オンライン無料通訳道場 

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新年度の参考書、問題集を選ぶなら

こんにちは。持続可能な未来のための通訳者、冠木友紀子です。

中高生の皆さん、いかがお過ごしですか?なんだか出かけにくい?

でも、そろそろ来年度の準備も気になりますね。新学年の参考書や問題集も欲しいでしょう?選ぶの、結構難しくないですか?近所の本屋さんでもなかなか決められない学生さんをよく見かけます。

先生や先輩のおすすめも参考になるけれど、自分にあっているかはわからない…見た目やタイトルに惹きつけられる。でも、中身はどう?…

そんな時、私はこんなふうに選びます。

①たとえば「関係代名詞」のように自分の知りたい項目をひとつ決めます。

②ちょっといいな、と思う参考書数冊で「関係代名詞」について読みます。

③「これを書いた人に会いたい」と思えた本がアタリ。

情報の量やわかりやすさも無視できないけれど、それだけじゃ肝心のところが抜けています。肝心なのは、本の向こうに書いた人が感じられるか、その人に興味を持てるかどうか。

普段の勉強でも、受験勉強でも、「これは自分に関係がある」「自分に宛てて書かれている」「書いた人は自分に用がある」「書いた人に会いたい」という感覚を大事にしてくださいね。この感覚のスイッチを切ったまま、みんなが買ったものを真似して買ったり、親がとりあえず買ってきたものをぼーっとやったりするのはあまり感心しないなあ。

「向こうにいる誰かを感じる」感覚を切ったままでいると、自分がお留守になるからね。そして、そういう人は沢山いる。

私が受験勉強で手ごたえを感じた問題集、参考書は中原道喜さん、伊藤和夫さん、という先生方が書いたものでした。タイトルは忘れてしまったけれど先生方の名前は忘れない。それくらい、日本語での解説にも思いが込められていました。

だから、昔、英検やTOEICを受けた時も、対策問題集や過去問は仕上げにやっただけです。私はあの手のナニヤラ協会が出した問題集には「向こうにいる人」を感じなかったので。

普段は著者の声が聴こえるようなものをたっぷり味わいましょう。

自分にとってぴったりな声を聞き分けるのは自分。

さあ、ご近所の本屋さんへGO! 帰ったら手洗い、うがいをしっかりね。

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言語が変われば性格変わるというけれど

持続可能な未来のための通訳者 冠木友紀子です。

言語は人柄。話す言語によって性格が変わるそうで、こんな研究もあります。確かに英語がある程度身についてくると、こう言い人います。
「私、英語話すと性格変わるの。オープンでポジティブというか自己主張しやすいのよね。」
「そうなんだ…」
英語が苦手なお友達はそう相槌を打つのみ。

何度かこういう場面に出くわしました。そのたび、なんだかいやだなあ、と違和感を覚えました。

何がいやだったのでしょう?ううむ…たぶん…英語話せる人の口調に、「日本語しか話せないあなたが持っていないものを私は持ってるの」と言わんばかりのトーンを感じたのでしょう。そんなつもりじゃないかもしれませんが、英語が苦手な人の方は、そう言われたと感じたような顔つきでした。この図のように。

左は日本語のみ、右は日英バイリンガルさん。

私はこんな風に感じたことはありません。

そして、外国語を習得するとは上のような整数の「足し算」ではなく「割り算」、分数ではないかと思うのです。

ちょっと自分を振り返ってみます。

日本語を話していた子どもの頃から、相手によって自分の声や言葉が変わることが気になっていました。クラスのバカ男子と祖母に同じ話し方をするはずがありません。

言語そのものの違いというより、その言語を使う集団の影響を強く受けた気がします。

英語を習いたての頃は、相手に合わせる、相手の声の個性を聞く余裕なんかありません。誰に対しても同じ話し方でした。

それが、考える前にしゃべってる状態になると、細かく割れてきて…めそめそしがちなインド人の友人の泣き言につき合う時と、押しの強いユダヤ人の先生と議論するときは同じ英語でもまるで気分、態度、言葉遣いが違いました。

まだドイツ語でのご縁は少ないので、このくらい。

外国語を学んで、人の持たない何かを持った気になるとしたら…なんだかちょっと私には違うと思うのです。

足し算ではなく細かく割れてくる。

そのほうが言語中枢の分化などの神経科学にも合うように思います。

足し算発想は直線的経済成長モデルと通じませんか?割り算の方が自由、和に通じるように思います。

私が外国語、文学の達人と尊敬する方々は日本語にも外国語にも感覚が細やかで人に優しく、地に足の着いた方たちです。私もそうありたいのですが!

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字幕なしで英語映画を見るには

こんにちは。持続可能な未来のための通訳者、冠木友紀子です。

字幕なしで映画が見たいという皆さん。日本語の字幕を読みながら英語聞いてませんか?それじゃいつまで無理。聴覚と視覚の科学から見て無理です。

次の順が理に適っていておススメ。近道でも遠回りでもありません。時間はちょっとかかるので短いビデオでどうぞ。

①先に日本語字幕だけ読んで「イメージ化」する。お耳がお留守になっても気にしない。
②英語字幕にして読む。お耳がお留守になってもまだ気にしない。
③英語字幕を読みながら、聴き取ろうとする。
④再生速度を1.5-2倍にして、2分くらい(人によるけど)聴く。わけわからなくてOK.
⑤いつもの速度で再生。びっくりするほど聴き取れます。

めんどくさい?手間惜しみは己に負ける遠回り。外国語学習は心の道です。

私はドイツ語での通訳に備えて、英語字幕とドイツ語音声で上の方法を実践しています。英語でもドイツ語でも

下のビデオはスーフィーのとんち話の人気者、ナスルディンのお話です。②から始められる方は英語字幕を出してごらんください。日本語字幕は自動翻訳でちょっと変ですが、歯車印で自動翻訳を日本語にすれば出てきます。まあ、お手元にお気に入りのDVDがあれば、そちらでどうぞ。

休校中の日本の中高生のための期間限定オンライン無料通訳道場はこちら

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O Holy Night★自然に歌うコツその2

持続可能な未来のための通訳者、冠木友紀子です。

いや、びっくりしています。O Holy Nightの人気。私も去る土曜、母校同窓会のクリスマス礼拝でOG合唱団の一員として奉げてきました。

O Holy Nightの歌詞日本語訳をブログで英語の勉強ついでに発表している方も少なくありません。便利な時代、発信力さえあれば、中身の質は別として発表できるようになりました。添削、批評を受ける機会をみずから設けたつもりならよいのですが…文化、宗教の背景、語源のしぐさなどをふまえないものは要注意です。

私はこうした背景のすべてをふまえて訳語を選んでいます。対訳のみではどうしても不十分なので、注を楽しめる書式でキンドルでご案内しますね。

さて、今日は1番の部分、自然に歌うコツを1つお伝えします。ずばり、母音でつなげて歌うこと。スターズ アーや、イットゥ イズ、ナイト オヴ アワとぶつ切りにしないことです。

これはなにも小手先のワザではありませんで…「息を相手に届け続けていれば、自然とつながる」のです。

日本人の西洋言語が聞きにくい、とされるのは息の到達距離の違いも関係しています。英語の歌の場合、たとえば1.5-2メートルくらい先まで息が届き続けるイメージをもってください。単語ごと、フレーズごとにひょこひょこひっこめないことです。

以下、母音で続けるといいところを太字にしておきます。

O holy night the stars are brightly shining
It is the night of our dear Saviour’s birth
Long lay the world in sin and error pining
Till He appeared and the soul felt its worth
A thrill of hope the weary soul rejoices
For yonder breaks
A new and glorious morn
Fall on your knees
O hear the angel voices
O night divine
O night when Christ was born

【臨時特別ワークショップ1月13日】英語で味わい、自分の声で体感する宮沢賢治「春と修羅 序」

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大学入試共通テスト、英語スピーキング、ライティングで測っているのはスピーキング、ライティングだけじゃない?!

このテーマは書いていてもうんざりしますので、これで一旦終わりにします。自分の人生を振り返って、この30年何やってたんだと思うことはありますが、大学入試に比べりゃまだましです。

さて、言語スキルを4つの技能分けることが人間の感覚処理、運動表出にうまく合わないことは前回のブログで指摘しました。

今回は4技能に分けたテストを採り上げます。スピーキング力はスピ―キング力だけを、ライティングはライティング力だけを測っているわけではないことがおわかりになるでしょう。

さて、民間英語試験の選択肢のひとつであったGTEC。

こちらのスピーキング問題では4コマ漫画を見てストーリーを語ります。スピーキングとして表現するのは最終段階で、準備として漫画の主人公を見つける、何が起きているか読み取る、漫画から感情を推し量る、など英語以前のさまざまなスキルが求められます。

また、ライティングでは活字離れをテーマに考察、意見を述べるよう求められています。これもライティングという最終成果以前の仕込みのスキルが影響します。現象を考察し、情報を解釈し、仮説を立てる。ひとりブレスト、コンセプトマップづくりをして意見をまとめる。

両方とも細やかに受信し、明瞭な構成で発信する、つまり考える力も問われているのです。

中高の段階で「思考技法」「言語技術」という科目横断総合授業があればいいのですが、一部の私学を除けば珍しい話。

大学の必修英語でもスピーキング、ライティングとそれぞればらばらにテキストが用意され、応用がきく共通の核をしっかり鍛えることは容易ではありません。

英語、英語と浮足立つ前に、考える力を磨きましょう。キーワードはラテラルシンキング。ゼロベースで新しいアイデアを作りだす力を育てます。ロジカルはその後でいいんです。

lateral thinking、日本では木村尚義さんによってビジネスに紹介されていますが、発祥の地、イギリスでは学校でも実践されています(Brexit騒動に妙案が浮かぶといいのですが)。オンライン通訳道場生放送でもクイズにしようかしら。

土に還れるエシカルライフのための通訳者 冠木友紀子プロフィール

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大学共通テスト、英語民間試験延期しても4技能評価は非科学的

政界では本音を言うと失言になるみたいですね、萩生田さん。それにしても延期は遅いとはいえ適切な判断です。このあと5年をかけて新たな体制を作るとのこと。令和6年から4技能を評価するそうですが…

この4技能が大いに問題です。英語教育関係の資料で見かけるのはこんなフレームワーク。

確かに教材やテストもリスニング、スピーキング、と別れていますしね。でもこの分け方、人間の情報処理プロセスをうまく反映しているとは言えません。

結論から言えば、すべての土台は聴く力です。

聴く力自体細やかに込み入ったプロセスなので、それをここで詳しく述べることはしません。(後で参考文献を紹介します。)

端的に言えば、聴けなければ話すことはできません。
聴けなければ読むこともできません。
聴いて読むことができなければ書くことはできません。

え?昔の英語の授業ではリスニングなんかしなかったので話せなかったけれど、難しいものも読めていたし、書けていた?

それは日本語の音の影響をうけた「英語もどき(カタカナ英語)」で乗り切っていたのです。「英語もどき」は実際の英語と違うので、とっさの会話が聴き取れない、返事できない、というわけです。

どうして語学教育が、これほど人間の運動・感覚発達を視野に入れずに行われるているのか私には理解できません。

次回ではテストでの問題を指摘します。

言語の認知神経科学をご自分で詳しく読みたい方にはこちらをおすすめします。
Cognitive Neuroscience of Language by David KEMMERER

アントロポゾフィーに基づく、持続可能な医療・農業・教育のための通訳者 冠木友紀子のプロフィール

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