福島の中高生を地元密着通訳ボランティアに

新型コロナによる急な休校。中高生の皆さんびっくりですね。
そこで中高生限定無料オンライン通訳道場を7回分用意しました。そもそも少人数ですが、その半数を福島県枠にしています。

なぜ?

福島での通訳は福島地元の言葉が話せる人がいい。地元の人がいつも通りに自然に話せるよう、通訳も地元の言葉で話せるといいのです。

地元の言葉は免疫でもあります。

実はこんなことがありました。

震災後、身内の用事で浜通りに出かけたときのこと。

ドイツ人らしいジャーナリストの方が日本人通訳をつれて地元の人に英語でインタビューをしています。盗み聞きするつもりはなかったのですが、気になる。

相馬中村神社の狛犬 2011年7月 相馬野馬追にて

ジャーナリスト「Do you think people still stay here because they cannot evacuate?」
通訳「 ここに残っている人たちは避難できない人たちだと思いますか?」
地元のおじさん「あー、そういう人もいっがもわがんないです。」(微妙に丁寧)
通訳「Yes, I think that’s right.」

ええええー!それじゃ「そういうことだと思います」になっちゃう。

地元の人が緊張しているのは明らかでした。通訳をしていた若い女性の日本語は標準語、英語はアメリカ英語。通訳養成を経ていない自己流であるのも明らかでした。

これか…

私にも福島に取材に行きたいという海外ジャーナリストからの通訳打診が頻繁に来ていました。条件は「実費以外は無償ボランティアで。プロでなくていい。英語が話せればいい。」

それって、通訳者にも福島にも失礼でしょう。そう言って断りました。

ああ、これなのか…

暫くするとドイツ在住の友人がFBで「福島に住んでいる人たちは本当は避難したいけれどできない人たちだ。福島は住むところではない」というドイツの記事をシェアしているのを見かけました。

あのとき見かけたドイツ人かどうかはわかりませんが。

友人は「日本にいると日本のことがわからないでしょう」のようなコメントもつけていました。

ご立派なドイツからのありがたいご託宣、と日本在住の友人たちも浮き足だったのです。

何度バカにされたら気が済む?日本辺境コンプレックスここに極まれり。どいつもこいつも本当にバカか?

以来、私は福島の免疫として中高生に地元密着ボランティアになってほしいと願ってきました。

新型コロナウィルスによる休校を機会として活かします。

福島のみんな、来らっせ!(いや、みんな来たら困るんだけんじょも)

中高生3月限定無料オンライン通訳道場はこちら

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厚生労働省の英語ページが??な本当の理由

持続可能な未来のための通訳者、冠木友紀子です。

先週末のこと「厚労省の英語がひどい」と、SNSの友人たちが次々と投稿していました。機械翻訳はこんなものだ、やはり人力翻訳でなければ、というよくあるちょっと残念な主張もあれば、自力で日英訳しなおしている、という方もありました。

私はすぐにピンときました。手がふさがっていてすぐにチェックできなかったのですが。

厚労省サイトの日本語が問題なのです。

多くの人が誤解、混乱なく読めるようになっているとは言えないのではないでしょうか。これを自動翻訳に入れたら、そのわかりにくさが増幅されます。自動翻訳がダメなのではありません。入力する日本語が不適切なのです。だからといってはじめから人力翻訳のみ頼りにしてはお金と時間がかかるばかりです。

今日では厚労省もメディアでの批判を経て、多少改善したようです。

そこで、日英訳にプロを頼むほどではない、という場合、グーグル翻訳をうまく使うヒントをご紹介しますね。

①「てにをは」格助詞を省略しない。
②主語、述語を明示する。(ねじれているのはもってのほか)
③「主語+述語」の組み合わせをつなげるのは2つまで。間に接続詞を使う。
(「が」は多用途なので、しかし、そして、などのほうがよい)
④羅列は箇条書きにする。

これを実際にやってみます。厚労省サイトにはこんな文があります。1文で1段落です!主語、述語がどれかわかりにくい!分詞構文だらけのような日本語です。

乗員については、ほぼすべてに対して講習を行い、症状がない状態で勤務中の乗員に対しても、業務中は必ずマスクと手袋を着用する、手指をアルコール消毒する手指衛生を行う、食事を離れてとる、船内の乗員の各居室への消毒用アルコールの設置など衛生環境の整備を行うことなどを徹底してきました。

これをグーグル先生に放り込むとこうなります。(厚労省のサイトにはこの文章はありません)

Training is provided for almost all occupants, and for occupants who are working without symptoms, be sure to wear masks and gloves during work, perform hand hygiene by disinfecting hands with alcohol, and eat meals. Thorough efforts have been made to maintain a sanitary environment, such as by installing disinfecting alcohol in the occupants’ cabin away from the ship.

読んでいるうちに息が止まりません?人の息をとめる文章はよろしくありません。しかもこの呼吸器感染症の時期に!

日本語を手直ししてみます。

乗員対象の講習
講習はほぼすべての乗員に行いました。以下の指示が乗員のなかで症状がなく勤務中である者にはなされています。
・業務中は常にマスクと手袋を着用すること
・手指をアルコール消毒すること
・食事は他者から離れてとること
また、衛生環境を整備するために船内の乗員の各居室に消毒用アルコールを設置しています。以上を徹底して行っています。

これをGOOGLE先生にお願いすると…

Crew training
The training was provided to almost all crew members. The following instructions have been given to the crew who are on duty and have no symptoms.
・Always wear masks and gloves during work
・Alcohol disinfection of fingers
・Eat food away from others
In order to maintain a sanitary environment, rubbing alcohol is installed in each crew’s room on board.We are doing the above thoroughly.

これに細かい仕上げ手直しをすれば十分用が足りるでしょう?

自動翻訳不信も、人力翻訳過信も時代遅れです。よい道具と自分の頭をうまく使って、時間を大切したいものです。

持続可能な未来のための通訳者、冠木友紀子のプロフィール

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気になる洋楽歌詞和訳【On My Way】 by Alan Walker, Sabrina Carpenter & Farruko

通訳道場の悦子さんにすごい人のことを教えてもらいました。

アラン・ウォーカーという音楽プロデューサーです。
いや、この人すごい。
10代の頃からPCで楽曲制作、どんどんYouTubeに上げて、あっというまに大ヒットメーカー。それでもいつもパーカかぶって顔をかくしているとか…。ソニーの公式ページによるとまだ21歳ですって?

ITを駆使した時代の寵児、天才です。

なんでも、アラン・ウォーカーAlan Walkerとサブリナ・カーペンターSabrina Carpenter、ファルッコFarrukoがコラボした楽曲『オン・マイ・ウェイ On My Way』が気になって、検索してみたら腑に落ちない和訳が目についたのだそう。

私も調べてみました。

いやあ、ネットのおかげで誰でも発信できるようになりました。

アラン・ウォーカーのような才能が世に出るのと同様、
いまいちな情報も出まくりです。

すべて注釈を入れるのはご容赦願いまして、気になるところだけ…

I’m sorry but 
Don’t wanna talk
I need a moment before i go
It`s nothing personal①

I draw the blinds
They don’t need to see me cry
Cause even when they understand
They don’t understand

So then when I’m finished
I’m all ‘bout my business
And ready to save the world
I’m takin my misery②
Make it my bitch③
Can’t be everyone’s favourite girl

So, take aim and fire away④
I’ve never been so wide awake⑤
No, nobody but me can keep me safe
And I’m on my way
The blood moon is on the rise⑥
The fire burning in my eyes
No, nobody but me can keep me safe
And I’m on my way

すまないけれど
話したくない
少し時間を、発つ前に
悪気はないの

ブラインド降ろす
あの人ら、私の涙見なくていい
だって、わかってるつもりで
わかってない

だから、すべてが済んだら
私はやるべきことをやる
すぐにだって世界も救える
自分の惨めさ引き受けて
すごい玉にしてみせる
みんなのかわい子ちゃんじゃいられない。
だから、狙い定めて撃ち尽くす
こんなに冴えてたことはない
私のほかに誰も私を守れはしない

私は私の道をゆく
紅月が昇りゆく
私の目にも炎が燃える
私のほかに誰も私を守れはしない

私は私の道をゆく

別に都都逸や演歌にするつもりはないのですが、どうも調子づいてしまいますなあ。

①これは個人的なことではない=私的な悪意ではない、ということ。IRAを描いた映画でNothing Personalというのがありましたねえ。

②takeの基本のしぐさは自分の領分の外にあるものごとに手を伸ばし、領分内に引き入れる動き。「惨めさを振り払う」という訳はoffの幻を見てしまったのでしょう。いやなものをさっさと振り払っていては本当の変容は無理です。

③ここは難所。bitchはson of a bitchでご存知の通りあばずれな雌犬。ただ、極端な意味の単語はわざと反対の意味で使われることも。英語ならwicked、日本語なら「ヤバい」がその例。この歌全体として今のどん底状態から「逆転」を宣言していると考えると、「あばずれ雌犬」の逆の意味と解釈するのが自然。ただ、「素晴らしい女性」なんて訳すといきなり「家庭画報」の世界になってしまって、ビッチの音の響き、逆転の妙味が活きません。そこで、「玉」としました。

④awayはホームとアウェイのアウェイだけではなく、間断なく続ける様子、完全になされる様子を表すこともあります。この場面、狙い定めて一発撃ってありゃ、外れ、失敗!ではいかんのです。一発でしとめられればそりゃ結構ですが、この主人公はon my wayと続く自分の道を歩む、つまり継続を覚悟しているようですから、撃ち「尽くす」としました。

⑤ここは睡眠時無呼吸症候群のような誤訳が多いです。「こんなにすっきり目覚めたことはない。」この人、寝起きだったのですか?それならI have never woken up so refreshed.とかでは?awakeは目が覚めている状態。 wideは十分に開いている、という意味。widelyではなく wideと組み合わせる語は限られていて意味にも注意が必要です。私がこの表現に出会ったのは17歳のとき。カーペンターズの I Need to be in Loveの一節でした。I’m wide awake at four a.m. without a friend in sight. Hanging on a hope but I’m alright.のところ。これもまた気の毒な状況ですが、この歌の邦題は「青春の輝き」。

⑥ブラッドムーンは皆既月食のときに見えます。その月影が目に移り込んで炎のようだというんですから、尋常じゃありません。まあ、気が済むようにするしかありませんけどねえ。

いかがでしたか?私も絶対これが正しいなんて思っているわけでもありませんので、どうぞ皆さんのご意見をお聞かせください。

カーペンターズとチャゲアスがmy wayの冠木友紀子のプロフィール

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海外講師のパワポが英語で困ったときは

お久しぶりです。ヨーロッパ出張通訳の後はまるで休みなし。英語落語集中ワークショップもあり、楽しいながらもさすがにちょっとくたびれて、なかなか更新できずにいました。

でも、今日は書かずにおれません。まだこんなことで困っている人がいるなんて!

友人が参加した海外講師の割とお高いセミナー、通訳はいたけれど関係者でプロではなく、パワポは英語のままだったそうです。えええー、まさか?

「通訳をきけばわかるでしょ。」
「みんな、英語読めるから大丈夫でしょ。」
「翻訳に出しているお金ないし。」

心の底から参加者の喜びを願っていたら、こんな言い訳は出ないものです。
本当に参加者に「しょうがないね」と言わせたくなかったら、「さすがだね」と言ってほしかったら、何とか方法を探すものです、見つけるものです。

私が通訳しているセミナーはすべてスライドも日本語を用意します。参加する皆さんを快適にして、自由に考えることを楽しんで欲しいから。

なぜ、ここに洗濯機が…?あとのお楽しみ

で、私が1から翻訳しているかって?―No.

音声情報を扱う通訳に比べてフォント(手書きでさえない)情報による翻訳は情報量がけた違いに少ないのです。自動翻訳もすすんでいます。

私が使っているのはマイクロソフトのPresentation Translatorというパワポのアドイン。一瞬で翻訳されたコピーのパワポを作ってくれます。グーグルにファイルを放り込むとか、コピペするとか、そんなお手間もいりません。

Presentation Translator ダウンロードはこちらから

アドイン翻訳の出来栄えは70点。これを110点まで持って行くのが私の日本語力や知識の出番です。0点から70点まで持って行くのはアドインさんのほうが私よりずっと速い。でもアドインさんは110点にはできない。うまいことコンビを組んでいるわけです。 それもこれも参加者の皆さんに驚き、喜んでほしいから。

自動翻訳のおかげで人より早く、うまく、大量に安く仕上がれば怒る人は誰も居ません。

セミナー主催者の方が、すでにアドインで日本語訳したファイル作成し、通訳者にもとのファイルと比べて直してもらえばさらにお安く済むかもしれません。そのお金もなければ、アドイン訳を当日表示し、通訳者さんのちゃんとした訳を聞いて、アドインの変な訳はみんなで笑えばよいのです。

翻訳は洗濯に似ています。なんでもかんでも人力でやるのは桃太郎のお婆さんと一緒。川で洗濯板ですよ。皆さん、お家でも洗濯機、あるいは乾燥機までお使いでしょう?そしてものによって洗剤や洗い方も変えるでしょう?干すときに形を整えることに気をつかうでしょう?

それと同じです。カシミヤのセーターにはやさしい手洗いが必要、臭い剣道着はコインランドリーへ。それぞれに最適な方法が最善の仕上がりにつながるのです。

通訳道場★横浜CATS 朝活盛況です









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ベテラン通訳者が頭打ちを乗り越えるには

S子さんはベテランの英日通訳者さん。ドイツ語も1級ですから、私も大いに見習わなくては、と思っています。さぞヨーロッパ関係のお仕事でご活躍のことでしょう…と思ったら。

忙しい、は忙しいのだそうです。何に忙しいのかと聞いてみれば、事前準備に忙しいとか。大いに結構。プロ通訳者の仕事の8割は事前の準備と信頼関係づくり。そこがアマとの違いですから…え、そうじゃない?

なんでも、まるで違う分野の新規クライアントの勉強に追われているのだそう。

それってつまり…リピートが少ないということ?

それはつらい。お悩みはそれだったのですね。

常連さんがついてこそ、同じ時間をかけた準備でも深く細やかなものになる。その分野の定訳を積み重ねられるようになる。これって通訳が終わっても続く貢献。

なぜマジメそのものものS子さんにリピートがつかないのかしら…

S子さんの通訳録音を聴いて10秒で突破口が見えました。

日本語の語りを磨いてこそストーリーテリングも通訳できるんです!

英語もドイツ語も100%聞いて分かる。でもそれを訳した日本語は「しかしながら」「-というもの、でしょうか」といった通訳独特の変な言い回しが多く、呼吸は浅く、喉声でした。違う人物を訳しても口調は1種類。

クライアントはそれにずっと耳を澄ませなくてはなりません。これは疲れる。その結果、 リピートにつながらない。

S子さん、日本語の語り手としてのトレーニングが足りなかったのです。足りない、というより要素として意識していなかったのです。

S子さんはご実家も洋風好みでお父様は海外駐在も永く、小さい頃からお家には海外からのお客さまも多かったとか。小さい頃から英会話教室に通い、大学はドイツ語専攻。すてきなお嬢様だったようですが…生活習慣も価値観も西洋寄り。

自分の日常生活を超える、プロの、芸としての日本語をまだ仕込んでいなかったのです。

でも、日本のクライアントが通訳者から受け取るのは日本語がメインです。大いに磨くべきでしょう。

日本は話芸の宝庫です。私は通訳者のみなさんに落語に行くようおすすめします。ひとりで沢山の声を持ち、多くの人物を演じる落語家から学ぶことは大いにあります。また、見習い、前座、二つ目、真打の違いを耳で感じる機会でもあります。自分の通訳がちゃんと真打レベルをキープしているか確認もします。

通訳者の方向けの個別レベルアップコンサルティング、始めます。

通訳者 冠木友紀子のプロフィール

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仏像を英語で案内するなら

講座の通訳をしていると、あいまに休日の観光案内もご一緒することがあります。

先日も京都にご一緒させていただきました。さすが、京都のお寺はインバウンドの方たちでにぎわっています。タクシーで移動中、アメリカからの講師の先生から訊かれました。

「そういえば、講座が始まる前の日、京都駅の近くを観光したんだけれど…ええと、あれはどこだったかしら。すごく変わってて、おんなじような小さい仏像がずらーっと並んでるところ。普通違うわよね。」

ああ、それは三十三間堂。ずらーっと並んでいたのは千手観音Sahasrabhuja。「普通の」とおっしゃるのは、 ボスが真ん中にいて、左右に2体サポーターがいて、さらにその周りに警備員…のような、でしょう?それは 三尊形式(中尊と脇侍二尊から成る)というそうですよ。

そう。通訳者にとって医学に引けをとらず勉強しがいがあるのが仏教です。事前準備が必須です。

お寺に行ってその場で説明を英訳すればいいや、最近は説明も英語になってるし、なんて慢心はいけません。薬師如来はMedicine Buddhaあたりでごまかせたとしても、阿弥陀如来はどうします?阿弥陀って何?!如来と菩薩の違いは?持国天の天はheavenでいい?(良いわけない!)

その場であわてるのはもったいないです。

仏教の言葉は奥深くて、サンスクリット語、ヒンズー教、中国語、日本仏教がミルフィーユのように重なっています。あまりに面白くて通訳の準備だったことなど忘れるくらいです。そう、そんなこと忘れて没頭したほうがよいのです。

本当にきりがありませんから、今回は高校生の修学旅行にもおすすめの「これだけは」の分だけをご紹介します。アクサン記号がうまく出なくてちょっと困りました。長母音は母音字のあとに「-」をつけました。

  • 仏像の4種類(部)
    • 如来 tatha-gata
    • 菩薩 bodhisattva
    • 明王 vidyaraja
    • 天 deva
  • それぞれの部のメンバー
    • 如来
      • 釈迦如来 Sha-kyamuni / Buddha
      • 薬師如来 Bhaisajyaguru / Medicine Buddha
      • 阿弥陀如来 Amita-bha / Buddha of Infinite Light
      • 大日如来 Maha-vairocana
    • 菩薩
      • 弥勒菩薩 Maitreya
      • 聖観音菩薩 A-rya-valokitesvara
      • 十一面観音菩薩 Eka-dasamukha
      • 千手観音菩薩 Sahasrabhuja
      • 文殊菩薩 Manjusri-
      • 普賢菩薩 Samantabhadra
      • 地蔵菩薩 Ksitigarbha
    • 明王
      • 不動明王 Acalana-tha
      • 五大明王
      • 降三世明王 Trilokavijaya
      • 軍荼利明王 Kundali-
      • 大威徳明王 Yama-ntaka
      • 金剛夜叉明王 Vajrayaksa
      • 愛染明王 Ra-gara-ja
      • 梵天 Brahna-
      • 帝釈天 Indra
      • 持国天 Dhrtara-stra
      • 増長天 Viru-dhaka
      • 広目天 Viru-pa-ksa
      • 多聞天 Vaisravana

こちらの本、おすすめです。「仏像バイリンガルガイド」バイリンガルで、コンパクトなのに内容も充実していてイラストも綺麗。おみやげにプレゼントしても喜ばれます。



お寺にも花のあふれるこの季節。よい週末をお過ごしください。

通訳道場★横浜CATS 第5期




  

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医療通訳の準備に思う、患者は忍者?

通訳は専門用語をきちんと把握していることが必須です。

専門用語という「点」が頭に入るには、点と点をつなぐ線、専門領域という「面」を理解することも必要です。ただの単語暗記では思考の流れについていけません。

なかでも準備にきりがないのは医療の通訳。日進月歩の技術とともに新しい言葉も生まれ続けています。

そんなとき、ふと気になるのがごく当たり前の言葉。

たとえばpatientは「患者」でいいのでしょうか。

話し手の頭の中の景色を聴き手の頭の中で再現するのが通訳

個人的には患者の「患、わずらう」という字がなんだかフナムシみたいで…具合の悪いときには見たくない気がします。

語源によると、patientはまさに「耐え忍ぶ」。(インパチェンスimpatienceという花がありますが、種に触ると弾けて飛ぶ様子が「不」「忍耐」というわけです。)

patientは「患う者」ではなく「忍ぶ者」、なんと「忍者」ではありませんか。身体の状態ではなく、心のありようを表しているように思えます。

と、こんな寄り道も準備の楽しみのひとつです。

通訳道場★横浜CATS 第5期 ご相談承ります

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その通訳が伝わらない理由

「違う!それは文化の違いじゃない。」カナダと日本のディスカッションを訪問し、振り返りに参加したときのことです。

カナダ側が「日本のみなさんは思いがけないところで他人事のような返事をする。」とこぼしました。日本人通訳者の方も「そうですね。日本人は変化に慎重ですからね。」と同調しています。

違うでしょ!

私はずっと気になっていました。私より一回りほど上らしいこの男性は、標準語書き言葉で話し、shouldをことごとく「べき」と訳していたのです。

たとえば、日本側が費用を理由に変更を渋った時、カナダ側が少々苛立ってIt shouldn’t be so expensive.と言いました。「そんなに高いはずがないでしょう・高いわけじゃないでしょう・高いはずがない」=そこはケチる所じゃないだろう!!!と感情チャージはフォルテッシモ。

その日本語訳が…「そのことはそれほど高価であるべきではありません。」

え?なんだその通訳口調は。どこの誰に言ってるの?何のことを?

日本側の返答はこうです。「まったく、おっしゃるとおりです。」

おいおい。生硬な通訳のせいで「日本人はにやにや同意していながらちっとも行動をとらない。わけがわからない。」という不満や誤解につながりかねません。

もし「そんなの高いわけがないだろ。」と伝わっていたら…

「高いとは言っていません。ただ、ほかにも緊急で費用が必要なところがあるんです。タイミングの違いです。優先順位はこっちで決めさせてもらいたいですね。」

「じゃ、いつごろ…」

こんなやり取りもありえたのでは、と思います。

「should=べき」のように単語を1対1対応させる昔の学校英文和訳は脇へ置きましょう。語は文脈のなかで色合い、ニュアンスが決まります。文脈を把握したうえで適切な訳語を選ぶのはAIでもなかなか苦労するところ。

音楽でいえば、同じ音高のオタマジャクシでも、フレーズによって響きが違うはずです。自動演奏が演奏家に適わないのはそこでしょう。

生人間、生きているうちにがんばりましょう。楽しみましょう。

通訳道場★横浜CATS 第5期 ご相談受付中

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通訳者が展示会に出かける理由

お台場のビッグサイトで開かれているバイオマス展に行ってきました。商談アテンド通訳の仕事?いえいえ、違います。純粋にお客さんとして行ってきました。これも大事な通訳準備なんです。しかも今回はヨーロッパ視察旅行の旅の仲間も日本各地から再集結。現場をもつ専門家と展示会に行けるなんてとてもありがたいこと。

私が通訳者として展示会を重宝する理由は2つです。

バイオマス関連の資料をこんなに沢山入手!

まず、通訳を担当する専門分野、業界を一望できること。展示会には日本を中心に世界各地から第一線の企業が集まります。一社ずつ会社訪問したら旅行だけで大変なことになります。それが何百社と一堂に会して、しかも営業担当の方が控えていて、資料も無料でもらえるんです。

今回は専門家の方の見方を伺うこともできたので、とても勉強になりました。

もうひとつの理由は、通訳者の働く様子を見て、通訳道場で提供するサポートの参考にすること。

展示会での通訳は社員があたることが多いようです。なかには「スミスさんは~とおしゃっています。」と間接話法で話している方も。これはとても疲れます。でも社員として発言を求められる場合もあるので、I=私=自分を指す普段のモードでいないとまぎらわしいのでしょうね。ふむふむ…。そうだ、あれを作ってみよう。

別の展示会ではええっ、と思うこともありました。ドイツのとある企業は日本の通訳エージェントでドイツ語の通訳を手配していました。よし、通訳してもらう側の気分を味わってみようと通訳をお願いすると…楚々としたその女性は控えめに「私、この分野は専門ではないもので…」

専門分野を勉強していないと言うのです。準備が不十分かもしれない、ではなく準備していない、と言うのです。

だめだこりゃ。

依頼主の仕事に敬意と愛着、応援したい気持ちを抱いていれば、その専門分野を勉強せずにいられないと思うんですけどね。

仕事は他者のため、誰かを喜ばせるため。通訳者が学ぶのも他者のため。

いつか、おお、この人はすごい、弟子入りしたい、と思える通訳さんに出会いたいものです。

通訳道場★横浜CATS 第5期は5月から

 

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ボランティア通訳さん、日本語の連語に気をつけて

外国語ができることときちんと通訳できることは別のことです。

それでも、外国語、英語ができる人に通訳を頼む人は後を絶ちません。本来、断っていただきたいところです。

先日も「グループのなかの英語ができる人が通訳をしたけれど、なんだかわかりにくかった。訳し直してほしい」という相談を受けました。

録音を聞いてみると…明らかになったのは、このアマチュア通訳さんの聴く力と記憶する力の不足です。無理もありません。聴く力と訳出するまで記憶する力は通訳訓練で鍛えるのですから。

それらの力が不足すると、聴きとれたもの、覚えていられた単語をよすがに自分の憶測で埋めたくなるのです。

この録音、講師がdistort the memoryと言った場面がありました。

このフレーズではmemoryのほうがおなじみの単語だったのでしょう。アマチュア通訳さんは「記憶」と迷いなく訳しました。ところが、そのあと「薄れる」と続けたのです。

これは日本語の連語、コロケーション=語の組み合わせ、に引っ張られたのでしょう。東日本大震災以降、「記憶の風化」「記憶が薄れる」というフレーズがあちこちで聞かれました。

でも、この録音で講師は「記憶をゆがめる、捻じ曲げる」と言っています。この講演自体、ある集団が政治的な意図をもって社会の記憶をゆがめることに警告を発したい、という思いを土台としています。

それを「薄れる」としてしまっては、ニュアンスが違います。

複数個所でこのような日本語連語での埋め合わせをしていると、つじつまが合わなくなります。

聞いているひとは、わかろうとして聴きますから、つじつま合わせに苦労することになり…「わかりにくかった」「疲れた」となるのです。

通訳者の仕事は、話し手の心の中の風景を聴き手の心の中になるべく歪めず(!)に再現すること。前もってきちんと修行していれば、少しも疲れる仕事ではありません。

通訳道場★横浜CATS、第5期は5月から

 

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