AI翻訳がまだやらない、プロ翻訳者がやっていること

AI翻訳は日々進歩しています。ただ、今のところはハサミや包丁、楽器と一緒で使い方に工夫が必要です。

では、なぜひとつ前のブログでご紹介した「字幕をAI翻訳したからチェックだけお願い」の案件は難航したのでしょう。

実は、問題はAIの翻訳作業ではなく、その前の段階にありました。

英語のナレーション原稿がいまいちだったのです。

He was a curious man who was able to follow his own curiosity in those days.

これじゃ「馬から落馬して落っこちた」みたいじゃありませんか。

多くの日本人が、外国語、ことに英語を見るとフリーズして、そこにクセや弱みがあるとは思わなくなるようですが、あるんです。

日本語ができる日本人の誰もが日本語のプロではないように、英語が書ける人たちがみな、英語のプロというわけではないのです。

英語で学んだ人たちも、今日では大方、ロジカルなアカデミックライティングだ、スキミングやスキャニング読みだ、戦術モードです。

文体や語彙選び、響きの調整は「典雅で高尚、でも役に立たない趣味」とみなされがちです。

でも、そこなんですよ。「多くの人が知らない」けれど「人の心にすんなり届くために欠かせないコツ」は。

black woman with pen taking notes in planner
Photo by SHVETS production on Pexels.com

私が翻訳するときは、まずもとの英語を推敲します。もちろん必要に応じて著者に確認をとります。「まかせる!」と言われる場合がほとんどですが。

そういえば、国際基督教大学の恩師、斎藤和明先生も、アイヴァン・モリスの「The Nobility of Failures 高貴なる敗北」を訳しながら、史実、人物関係を調べ直し、50箇所も訂正していらっしゃいました。

翻訳者は校閲者、編集者でもあります。原文の傷やへこみを直してから日本語にするのは、筆者への敬意あってこそ。弱点ごと日本語で複製するほうがよほど失礼です。

さて、英語のまま読むのが苦手だからAI翻訳を使っているのに、英語の推敲や校閲なんてとても…と思われる方もあるでしょう。

ご自分の専門分野だったら、校閲はご自分の脳内でおやりになれば、まあ、よろしいかと。

推敲ですが、今は便利な推敲アプリがあります。Pro Writing AidやGrammarlyが知られています。アカウントを持っている大学では、これを通していない学生のエッセイは受け取らないところもあるくらいです。

推敲アプリだのみになると、前述の「戦術」に適うつまらない文になる傾向はあります。でも、少なくとも「馬から落馬して落っこち」たりはしません。

そのうち、翻訳アプリと推敲アプリが統合されるかもしれませんね。

私も Pro Writing Aid の生涯アカウントを持っています。申し込み確認のメールに期限が2059年とあったのには笑ってしまいました。そのころは遊んでいたいですが、もっと長生きする予定です。

次回はAI翻訳が向く分野、向かない分野をご紹介しましょう。

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「AI翻訳をプロ翻訳者にチェックさせる」がうまくいかないのは?①

こんにちは!通訳藝術道場の冠木友紀子です。
すっかり春めいてきましたね。Spring is just around the corner.

このごろはAI翻訳も相当進歩しています。

でもまだなんでもお任せというわけにはいかないようです。先日、私もえええ!と思うことが2つありました。

そのうちの1つを今日はご紹介します。

「AI翻訳した字幕をチェックしてほしい」と長年のご縁の方々からご連絡いただきました。

あのAIでこの分野ならけっこうイケるのでは!チェックだけなら格安でお受けできるはず…と拝見したら…

心に訴えるはずのところはお勉強の英文和訳調。情報の順番が前後して頭が悲鳴をあげます。科学的な内容を論理的に順序良く伝えるべきところもこんがらがって…。

こうなると、「もとの英語音声」と「AI翻訳の日本語」の両方を気にしなければ…。

ふだんはもとの英語だけ聴いて翻訳するのですから、仕事は「倍」です。

city road man people
Photo by zhang kaiyv on Pexels.com

結局、はじめから翻訳することになりました。

どうしてこんなことになったのかは次稿にてお知らせします。

AI翻訳のチェックを翻訳者に頼んだら、意外とお金がかかったとご不満の皆さま、AI翻訳をする前に、翻訳者にご相談ください。プロならば、AIと人間の按配を忌憚なく見積もりするはずです。

誰もが限られた時間をよく生かすことができますように。

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通訳メモはどこに取る?

こんにちは。エキスパート通訳トレーナーの冠木友紀子です。

以前、担当していた医療通訳養成講座でのことです。

受講生のTさんの通訳がなかなか始まりません。話し手の発言が終わって3秒以内に訳し始めないと、リズムが乱れ、不穏な空気が漂い始めます。それなのに…。

私「どうしました?」
Tさん「待ってください。」

さては…!

こういう場合は十中八九メモの取りすぎです。

案の定、Tさんは速記のようなメモを取っていました。しかも、メモを取り終わったころには出だしの話を忘れていました。

これでは何のためのメモかわかりません。

Tさんはメモとり術を教えてほしい、と言いました。

私は断りました。努力の方向が間違っていると考えたからです。

black woman with pen taking notes in planner
Photo by SHVETS production on Pexels.com

通訳学校ではメモとりの臨時講座も人気です。「速記ではなく、簡略化・記号化して要点のみを」とアドバイスもごもっとも。

しかし、それで「簡略化・記号化した要点のみのメモ」が取れるようになった人はどのくらいいるのでしょう。

うっかりすると、先生の記号を覚えたり、自分なりの記号を開発したり、余分な仕事を増やしかねません。

紙のメモなんてとらずにすめばそれに越したことはありません。

私は基本、メモは頭にとっています。頭の中ですから、わざわざ記号を使うこともありません。聞こえたらすぐに映像化して、次々格納します。

この方法は名人芸ではなく、理に適っています。生理学研究所の先生に伺ったところ、人間の思考は抽象的な映像のようなもので始まる、とのことでした。思考は「原初の映像→音声→文字」の順で言語になっていくと見なすことができるそうです。

「音声→文字メモ」と「音声→映像メモ」では方向が逆でしょう?音声を聞いて音声で通訳するのだから、文字への寄り道は最低限にしたいものです。

ひとりよがりな映像にならない決め手が文法と写真撮影の共通点です。今は「一眼レフ法」と名付けてお伝えしています。

ちゃんと聞けば、紙メモはなくても大丈夫。

まあ、メモしないと周囲が不安がるので適当に書きます。新たな記号は使いません。英日通訳の場合はほぼ漢字です。簡体字もどきのようですが。

何事も、なぜそれをしているのか見失わぬよう、俯瞰し続けたいものですね。

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それは食品ロスじゃなくてfood wasteだ

こんにちは。持続可能な未来のための通訳者、通訳藝術道場主宰の冠木友紀子です。

日本でも「食品ロス」が話題です。政府広報によると年間600万トンを超えるそうですが、あまりの量に10tトラック1700台分、なんて言われてもさらにクラクラしてしまいます。

ここでちょっと気になるのがこの「ロス」。英語の綴りは”loss”。lostからの逆成語で13世紀初出とあります。

まあ日本語では「ペットロス」「朝ドラロス」のように、自分の力ではどうにもできない喪失を嘆く気分によく使いますね。

ん?ちょっと待って。

冷蔵庫の中にショウガを入れたのを忘れてミイラにした本人がどの面さげてショウガロス?

そういえば、10年来通訳として参加している食品工学の学会ではfood waste を頻繁に使っていました。

たとえば、アフリカでは畑の作物を鉄道で都市部に運搬する。気温は高く、貨車は揺れ、作物の包装が不十分なので、都市に到着するころには積み荷の8割が食べられない状態。インフラやシステムの欠陥が原因で、人間がどうソフトな手を打っても、心がけてもどうしようもない。

これと、アメリカの家庭がいろいろと買い込みすぎて、1年でなん万円分もトマトを冷蔵庫でだめにするのと、まるで同じ?

後者は小さな工夫で改善できるのではないでしょうか?

この学会の集まりでは家庭で食品が無駄になることをいかに防ぐかをテーマにしていたので、一貫してfood wasteと言っていました。食べ物を無駄にする張本人は自分たちなのだ、自分たちの行動は変えられるんだ、という呼びかけもなされました。

ペットロスや朝ドラロス、ウェイトロスみたいに食品ロスなんていうのはちょっと甘いと思います。

植物や動物を誕生の時から人間の食物にすべく育て(←私はそもそもコレが嫌なのです。狩猟採集生活が理想)、それで食べないなんてとんだ罰当たり。

まあ、ふつうに何も感じずに訳せばfood wasteは「食品廃棄物」や「廃棄食品」あたりでいいのでしょうが、腹が立ってしょうがない。莫迦殺生くらい言ってやりたいもんです。

まあ、急な事情で、ということもあるでしょう。それでも堆肥囲いでもあれば新たな役目を果たせます。

日本の「始末」な台所仕事はどこへ行ったのでしょう。プンプン!

気を取り直して、
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「あしあと」の詩、こっちのほうがいい!

持続可能な未来のための通訳者、冠木友紀子です。
先日、教えている大学で学生の発想にうなりました。人類の未来は明るいぞ!

というのも…

生きていればいろんなことがあるものです。なかでも、苦しいと感じるのは、課題そのものより、孤独や自責の念が苦しみの原因では?と思うことがあります。そんな心に慰めと発想の大転換をもたらすのがこの詩、「あしあと」です。

筆者はマーガレット・フィーシュバク・パワーズさん。アメリカ出身の敬虔なクリスチャンです。

さて、これを紹介するときは…最後のひとことを伏せておくんです。まあ、いろいろなアイデアが出てくること、出てくること。みなさんも考えてみてください。

(すみません、この写真はスウェーデンの湖畔なんですが…きれいでしょ?)

Footprints in the Sand
by Margaret Fishback Powers

“One night I dreamed a dream.
ある晩私は夢を見た
As I was walking along the beach with my Lord.
砂浜を主とともに歩いていると
Across the dark sky flashed scenes from my life.
空を横切って瞬いたのは我が人生の出来事さまざま
For each scene, I noticed two sets of footprints in the sand,
そのひとつずつに、ふた組のあしあとが砂に残っていた
One belonging to me and one to my Lord.
ひと組は私、もうひと組は主のものが

After the last scene of my life flashed before me,
人生最後の場面が閃くと
I looked back at the footprints in the sand.
私は振り返って砂に残されたあしあとに目をやった
I noticed that at many times along the path of my life,
幾度も、人生の道すがら、
especially at the very lowest and saddest times,
ことさら沈みきり、悲しみ極まった時ばかり
there was only one set of footprints.
あしあとはひと組しかなかった

This really troubled me, so I asked the Lord about it.
このことにひどく苛まれ、私は主を質した
“Lord, you said once I decided to follow you,
「主よ、おっしゃいましたね、ひとたびあなたに従うと決めたなら
You’d walk with me all the way.
どこまでも私と共に歩いて下さると
But I noticed that during the saddest and most troublesome times of my life,
けれど、もっとも悲しく辛かったときに
there was only one set of footprints.
あしあとはひと組しかありませんでした。
I don’t understand why, when I needed You the most, You would leave me.”
わかりませんね、なぜ、心底居てほしかったときに、あなたは私を見放してばかりなのか。」

He whispered, “My precious child, I love you and will never leave you
主はささやいた。「いとしい我が子、大切なあなたを決して見放しなどしない。
Never, ever, during your trials and testings.
絶えて、決して、あなたの試練の時になど。
When you saw only one set of footprints,
あなたの目にひと組のあしあとしか映らなかったのは…

さーて、この後の締めの一言をお願いします。

ある港区の私学女子中高ではあまりに自罰的なアイデアばかりなので大変心配しました。
「それがお前にはちょうどいい教訓になる。」
「ひとりで歩けないようではだめだ。」
ええー。

今回、F大学で紹介したら、まあ、ブレイクアウトルームでアイデア出しの時間が大盛り上がりで面白いこと!精選して、クラスでおおー!と声が上がったのがこちらです。
「I was walking ahead of you so that you could follow me stepping into my footprint.」

いいじゃない!オリジナルよりいいじゃない!オリジナルはこれです。It was then that I carried you。

だっこやおんぶよりいいじゃない!自分もちゃんと歩いている。Jesusの背中を目の前にして。

これを提案したのは雪国育ちの学生。さすが、みんなの心をとらえました。画面上の彼女の真っ白に見える窓の向こうは大雪。関東の学生たちはえーっと声をあげました。

人が「想定外」と呼ぶ苦しみや悲しみを、一歩先んじてすべて味わいつくしどこまでも共にある存在。それをキリストと呼ぶのだ、福島という子羊の一歩先を歩き続けるのだ、と思った2011年の春を思い出しました。

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バイデン大統領、就任演説のなかのAmerican Anthemとは?

なんとか無事終わったアメリカ大統領就任式。

バイデン大統領の演説にはジョージ・ワシントンの名も登場。
あちこちにリンカーンのゲティスバーグ演説のフレーズも見られました。

たとえばリンカーンがゲティスバーグの戦地をあらためて墓地として呼ぶときthis hallowed groundと呼んだのを連邦議事堂前の描写に使っています。

testもバイデンさん何度も使っています。リンカーンもtesting whether that nation or any nation so conceived can long endure…と。

the last full measure of devotion などこれを聴いてリンカーンを思い出さないとしたらわかったつもりでわかってない、でしょう。

さて、いろんな人物や地名が盛り込まれたスピーチのなかにAmerican Anthemというひとことがありました。

これは「星条旗よ永遠なれ」ではありません。割と新しい歌で、初演はスミソニアン協会の式典で、クリントン大統領夫妻を前にDenyce Gravesというメゾソプラノの歌手がい歌ったときだそうです。

いったんは訛って訳した方が歌いやすいべな、と思ったのですが、その格調高さに、あわてて讃美歌日本語をかきあつめてみました。

All we’ve been given
By those who came before
The dream of a nation
Where freedom would endure
The work and prayers
Of centuries
Have brought us to this day

What shall be our legacy?
What will our children say?
Let them say of me
I was one who believed
In sharing the blessings
I received
Let me know in my heart
When my days are through
America
America
I gave my best to you

Each generation from the plains
To distant shore with the gifts
What they were given
Were determined
To leave more
Valiant battles fought together
acts of conscience fought alone
these are the seeds
From which America has grown

Let them say of me
I was one who believed
In sharing the blessings
I received
Let me know in my heart
When my days are through
America
America
I gave my best to you

For those who think
They have nothing to share
Who fear in their hearts
There is no hero there
Know each quiet act
Of dignity is
That which fortifies
The soul of a nation
That never dies

Let them say of me
I was one who believed
In sharing the blessings
I received
Let me know in my heart
When my days are through
America
America
I gave my best to you
我ら受けしすべては
先に来りし者らより
その国の望みは
この地の自由久しくあれと、
働き、祈りの
幾世紀
そして今日我らあり

何を我らは遺しゆく
如何に子らは我らを語る
子らに我をかく語らせむ
かの人信念のもと
受けし恵みを
分かち合えり
我が心に知らしめよ
我が日の尽きるとき
アメリカよ
アメリカよ
我汝に最善を捧げたりと

大平原より、はるかなる海辺より
おのがじし世代、賜物たずさえ来る
その賜物の定めには
さらに遺せと
雄々しき戦は共に闘い
善なる行い身一つで
これらを種に
アメリカ育つ

子らに我をかく語らせむ
かの人信念のもと
受けし恵みを
分かち合えり
我が心に知らしめよ
我が日の尽きるとき
アメリカよ
アメリカよ
我汝に最善を捧げたりと

何ら分かち合うべきもの
無しと思う者
恐れを心にいだく者
其処にいさお無し
思い知れ、静けく
気高き行いは
国の魂に
力をあたえ
死に絶ゆることなし

子らをして我をかく語らせむ
かの人信念のもと
受けし恵みを
分かち合えり
我が心に知らしめよ
我が日の尽きるとき
アメリカよ
アメリカよ
我汝に最善を捧げたりと

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イギリス好きなら訪れてほしい、横浜のもうひとつの外人墓地

持続可能な未来のための通訳者、冠木友紀子です。

ご存知ですか?横浜には2つ外人墓地があります。

え?山手は有名だけれど、もうひとつはどこ?

保土ヶ谷は狩場の丘の上、巨木の森深くに「英連邦戦死者墓地」はあります。ここにはイギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、インド、パキスタン、オランダの戦死者の方々2000名近くが眠ります。

なぜ、ここに?なぜ、こんなに沢山の方が?

世界中でいろいろなことをやらかした大英帝国は戦没者を亡くなった現地で埋葬する方針をとりました。遺骨を祖国の遺族のもとに戻すのはとても大変ですから。

ということは、この方たちは日本で…?

美しい墓石の享年は17歳、19歳、…胸つぶれる思いがします。

そうです。

日本軍の捕虜となった英連邦の兵士たちは日本に連行されました。「生きて虜囚の辱めを受けず」と唱導した日本軍が捕虜に関するハーグ、ジュネーブ協定を守るはずもありません。捕虜たちは人間以下の扱いを受けたのです。彼らは大船、鶴見、函館など各地の工場で強制労働に就かされ、体調を崩し、充分な栄養と医療を与えられることなく亡くなりました。

同じような捕虜虐待はタイとミャンマーをつなぐ泰緬鉄道の突貫工事でも起こり、2万人ほどの英連邦の方々、8万人ほどのアジア人労務者が亡くなっています。

このことに居てもたってもいられなくなった「クワイ河に虹をかけた男」永瀬隆さん、青学の雨宮剛先生、ICUの斎藤和明先生が、英連邦戦死者墓地で初めての追悼礼拝を始めたのは1995年のこと。今年も新コロ感染予防に必要なことをしたうえで、8月1日11時から礼拝が行われます。各大使館からも大使館付武官の方々が7名も参加してくださいます。私もインド大使館の方の締めのスピーチを通訳します。当然のことながら原稿ナシなのでいつもどおり準備します。

インド大使館のボーズさんの通訳をしています。

イギリス大好きだけれど、新コロ騒動で行けないわ、という皆さん、横浜の英連邦戦死者墓地での追悼礼拝にぜひお出かけください。次に渡英するときのよい準備にもなることでしょう。

横浜 英連邦戦没捕虜追悼礼拝 8月1日 11時 詳細とお申し込みはこちらから

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洋楽歌詞、本当はこう歌ってるのでは?―Deacon Blues by Steely Dan

こんにちは。持続可能な未来のための通訳者、冠木友紀子です。

便利な世の中になりました。でも何でも検索できると思ったら大間違い。自分の知らないことは検索できない。知らない音楽は聴けない。だから人に教わるのがありがたい。

訳詞に満足できない、とM姉さんがSteely Danを教えてくれました。以来すっかり気に入っています。今日はDeacon Bluesをとりあげます。

それにしても、かっこいい。洗練されてる。なによりあの半音が心地よい。MUと呼ばれるコード(CソドミをCmuソレミにずらす。ドとミのあわいが際立つ)は12世紀の聖歌からひとの耳になじんだものだそうで。

いろいろな楽器が繊細な音のレイヤー重ねていくようで、ヴェールペインティング(層技法絵画)を想います。すべての楽器が輝いているのに、どれも野暮な主役を主張しない。さらりと主役を交代していく。

Steely Danに参加したプレーヤーが言っていました。「考え尽くす、試し尽くす、完璧にする。さらに完璧の先を行く。それが自然なんだ」と。

フェイゲンはこの曲をベッカーと振り返って、「なんか俺、ジェリー・ルイスみたいな声出している」と言っています。ジェリー・ルイスといえば寄り目のアクションを志村けんが取り入れたとか。我らが志村けん、同じ年ごろのSteely Danを聴いていたのでしょうか…

さて、少しずつご一緒に。原詩の右端の数字は韻の目印です。

 This is the day1
Of the expanding man2
That shape is my shade1
There where I used to stand2
It seems like only yesterday1
I gazed through the glass3
At ramblers4
Wild gamblers4
That's all in the past3

今日こそは
意識拡張者の日
その姿は俺の影だ
そこはかつて俺が立っていたところ
つい昨日のようだ
グラス越しにじっと見た
ごろつきどもを
荒くれ勝負師どもを
すべては過ぎたこと

2行目のthe expanding manはアルフレッド・べスターのSF小説「破壊(分解)された男」に登場する人物。思考と意識を自分を超えて拡張できる能力があるとか。地元の図書館が再開したら日本の文庫版を確認してきます。

3行目まではこれからナニヤラ大きなことが始まる気配ですが、4行目以降で語り手の現在はどうもイマイチ、ブイブイ言わせていたのは昔のことらしいと察せられます。なるほど、この曲はアメリカでは中年の危機にある人々に愛され続けているそうです。

man とstand、 glassと pastで韻と言えるの?と思われるかも知れません。綴りとしては不完全な韻です。でも歌をお聴きください。ばっちりです。歌は母音が長くなって強調されます。おまけにフェイゲンは行末の子音を柔らかく歌ってますから丁度いいです。

You call me a fool1
You say it's a crazy scheme2
This one's for real1?2?
I already bought the dream2
So useless to ask me why3
Throw a kiss and say goodbye3
I'll make it this time4
I'm ready to cross that fine line4

お前は俺をばかという
血迷った企みだという
これは本気だ
もうこの夢は買った
だから無駄だ、なぜと訊いても
投げキスしてさよならだ
今度はきっとやってやる
覚悟してる、あの一線を超えると

おや、Youが登場。誰なんでしょうね。フェイゲンはインタビューでこんな風に言っています。

“‘Deacon Blues’ is about as close to autobiography as our tunes get. We were both kids who grew up in the suburbs, we both felt fairly alienated. Like a lot of kids in the ’50s, we were looking for some kind of alternative culture, an escape from where we found ourselves.”
「Deacon Bluesって僕らの自伝みたいなもの。二人とも子どもの頃は郊外で育ったけど、すごく疎外感があった。50年代、多くの子どもたちと同じように僕らもなんらかのオルタナティブな文化を探してた。実際の居場所からの逃避としてね。」

どうも「夢から覚めろ。現実を見るんだ。それじゃ食えないぞ」てなことを言うドリーム・ブレイカーのようです。

さて、コーラス?サビの部分です。改行がうまく表示されるといいのですが…

I'll learn to work the saxophone1
I'll play just what I feel2
Drink Scotch whisky all night long1
And die behind the wheel2
They got a name for the winners in the world
I want a name when I lose 3
They call Alabama the Crimson Tide4
Call me Deacon Blues3

ものにするんだ、サックスを
ただ感じるままに吹き鳴らす
スコッチ夜通し飲み明かし
死ぬんだ、車運転しながら
世間は勝者に呼び名を与える
俺は名が欲しいのは負けの時
アラバマ大がクリムゾン・タイドなら
俺はディーコン・ブルースと呼んでくれ

ははあ、夢とはサックスを吹くことだったのですね。あら、音楽教室に?いえいえ、3行目から穏やかじゃありません。練習どころか飲んだくれて飲酒運転交通事故死。ちょっとちょっと!!

5,6行目。持つ者はますます名実ともに持つようになり、持たざる者は…の世の中なのですね。アメリカが代表する20世紀後半はことさらにそうなのでしょう。(当時斜陽だったイギリスは昔から勝負によらず王様にもじゃんじゃん渾名つけていますけど。エドワード懺悔王、獅子心王リチャード、ジョン失地王、ヘンリー8世は…)

クリムゾン・タイドとはアラバマ大学を代表するのさまざまなスポーツチームの称号。クリムゾン、深紅は大学のシンボルカラー。それが次々大波のように襲ってくるというイメージです。当時アメフトチームは常勝の強豪でした。

フェイゲンは敗者にこそ称号をと歌います。源義経、天草四郎、浅野内匠守、新選組、出番です!日本人の敗者を想う文化はThe Nobility of Failureに Ivan Morrisがまとめています。

さて、Deacon BluesをWake Forest Universityの弱小フットボールチーム、Demon Deaconsに由来するとする説もありますが、フェイゲン自身が否定しています。これはDeacon Jonesというフットボール選手に由来するそう。攻撃的でぶちゃむくれ(谷啓語)なプレースタイル、人柄で知られました。フェイゲンはDeaconが2音節なのでCrimsonと合うのもいいと思ったそうです。このDeaconを「助祭」としている訳を見かけました。残念、これは固有名詞でした。

My back to the wall 1
A victim of laughing chance 2
This is for me
The essence of true romance 2
Sharing the things we know and love 3
With those of my kind
Libations 4
Sensations 4

背水(壁?)の陣
声上げ笑うチャンスの生贄
これは俺のもの
本物の恋のエッセンス
分かちあうんだ 俺たちが知り、愛することを
俺と似たような連中と
献酒と
昂奮が
心によろめく

英語でBack to the wallを背水の陣、とすると耳には心地よくても景色が違うなあ、と悩ましいです。ここでちょっと目立つ言葉はvictimとlibation。後者は要するにお酒ですが、alcohol, drinkでは韻が台無し。それにlibationは生贄を捧げるときに大地に注いだりするお神酒、献げものとしてのお酒をさします。2行目のVictimと響き合うでしょう?それにしてもチャンスがlaughing…って。笑うにもいろいろあります。静かににっこりはsmile,歯をむき出してバカにしたように笑うのはgrin.laughは「声をあげて笑う」。生贄をほふりながら声を挙げて笑う…grinより却って怖いです。力が抜けそう…

I crawl like a viper 1
Through these suburban streets 2
Make love to these women
Languid and bittersweet 2
I'll rise when the sun goes down 3
Cover every game in town 3
A world of my own 4
I'll make it my home sweet home 4

俺はマムシのように這いまわる
町外れのこんな通りをうろうろと
そして愛を交わすのはこんな女たち
けだるく、ほろ苦い
俺は起き出す、日が沈む頃
町中のあらゆるゲームを把握する
俺自身のひとつの世界
楽しい我が家にしてみせる

サックスの練習はどうしたの?そもそも「練習」するつもりはないのかしら。さて、ここで町外れと町中の対比が気になります。語り手は町中の様子は把握しているけれど、そこにはいない。微妙な疎外感が最後の一行でかえって気になります。

蛇と女の組み合わせは、エヴァと誘惑者としての蛇を連想します。ミルトンの「失楽園」ではこの蛇は天使ルシファーの堕ちた化身とされます。ルシファーは天上で自分が一番神に愛されていると思っていたのにもっと愛されている子なる神が登場。これに怒り反逆の戦いを挑むものの敗残、サタンに変えられ、神が愛する人間をたぶらかそうと地上を目指します。このサタン、近代の人間の自由の苦しみとロマンティシズムの原点、と人気があるんです。Deacon Bluesに通じるでしょうか。

 This is the night 1
Of the expanding man 2
I take one last drag
As I approach the stand 2
I cried when I wrote this song 3
Sue me if I play too long 3
This brother is free 4
I'll be what I want to be 4

今夜こそは
意識拡張者の夜
俺は最後の一服吸って
ステージに向かう
俺は泣いた、この曲書きながら
言ってくれ、長くやりすぎたら
この男は自由だ
俺は在りたい俺でいる。

いよいよ演奏のチャンス到来でしょうか。Sue me起訴してくれ、とする訳も見かけました。でもSueはもともと「求めてor手を引くように請う」ことを指します。「おい、いつまで吹いてんだよ。いい加減にしろよ」と言っていいよ、ということでしょう。でも、演奏の途中に伝えるって相当大変…。

さいごのI’ll be what I want to beは「俺はなりたい俺になる」でもいいと思います。ただ、「なりたい自分になる」は自己啓発で使い古されたポジティブ表現。「成る」に10代のようなナイーブさを感じるのは私だけでしょうか。語呂の事情もあるしょうが、ここはbeの「在る」の禅語を思わせるニュアンスを遺したいと思いました。

長文、おつきあいありがとうございます。

ときどき、洋楽の詞なんて適当だという洋楽マニアの日本人を見かけます。そういうアーティストもいるかもしれません。ただ、Steely Danに限って言えば、サウンドをデザインし尽くしているのに、詞が「テキトー」なはずはないと考えます。「酒」ひとつとってもイメージのつながり、韻といった条件からlibation を選ぶという手の込みようです。

洋楽の詞を深く理解するには「言語の技法・作法」という扉を開ける鍵が必要です。鍵を持っていないからと言って扉がないことにしてはなりません。

私たちも完璧の先の自然を求めています
通訳道場★横浜CATS

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ケネディ元大使「お礼のことば」字幕に学ぶ

持続可能な未来のための通訳者、通訳道場主宰の冠木友紀子です。

毎月12回!行っている朝稽古では、日英両方で読める名作を少しずつ音読し、先人から学んでいます。たとえば、「手仕事の日本」(柳宗悦著)、「天声人語」、「神道バイリンガルガイド」、今をときめくノア・ユヴァル・ハラリの「21Lessons」など。

今朝、Eさんが用意したのはキャロル・ケネディ元駐日アメリカ大使のお別れの挨拶の一部。「ケネディ大使の英語はpure and simpleですてきなんですが、日本語が…」

おやおや、そういうこともあるものなんですね。ちょいと拝見。

前略
I am grateful to the people of Tohoku for
welcoming me and for inspiring the world
with your courage and resilience.
I was deeply moved
to meet students who are staying in the
region to work on revitalization,
local officials who put their communities
first despite great personal loss and
see the progress being made over the
past three years to rebuild lives and communities.
後略

「?」が残るという日本語は、大使館の仮訳です。太字のところが不思議、という意見が続きました。

私を温かく迎えてくれた東北の皆さん
皆さんの強さは世界を元気にしています
被災地に残って復興を助ける学生や
自らが被災しているにもかかわらず
復興に取り組む自治体職員の姿に
胸が熱くなりました。
人々の生活や地域の再建は
進んでいます

調べてみると、これはYouTubeの動画でした。確かに字幕は翻訳と違って、一定時間で表示できる文字数に限界があります。表現は文字ですが、時間との勝負である点、通訳と似ています。通訳の練習に字幕づくりはおすすめです。このご時世、家でもできますしね。

2分12秒あたりからどうぞ。

さて、太字部分について。「強さ」「元気」はちょっと深みに欠けるかもしれません。最後の一文がなんだか復興庁長官の発言みたいになっているのは、I was moved toと切れてしまったように見えるから。

そのへんを手直ししてみました。ただ、この動画は大使館のものなので公開で字幕受付をしていないので、おせっかいの焼きようがありませんが。外国語が使えるのと翻訳通訳ができるのはまた別のことです。日本語も外国語と同じ心構えで語源とともおに学び直し、イメージ思考を鍛えることが欠かせません。

東北の皆さんに感謝します。
皆さんは私を温かく迎え
勇敢に復活するその姿は世界を
奮い立たせてくれました。
被災地にとどまり復興に取り組む学生たちや、
自らひどく罹災しながらも
地元を最優先する自治体職員たちとの出会い
ここ3年の生活と地域の再建ぶりを
目にして深く心打たれました。


巣ごもり期間、お家で心躍る英語ストーリーテリングとそのまま語れる日本語小冊子「The Whisperiing Road」をどうぞ。



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新型コロナウィルス戦争用語に疲れた心のためにー【アッシジの聖フランシスコ★創られしものの讃歌】

「新コロとの戦争」「ウィルスを撲滅」「団結」「勝利」

勇ましい言葉とうらはらに、人々の心は疲れ、不安にさいなまれているのではないでしょうか。

言葉は心を、人をつくります。敵対ではなく、謙遜、感謝、和解、受容にいたる言葉を大切にしたいと私は願います。

一昨日来、ふとアッシジの聖フランシスコの「創られしものの讃歌」が思い浮かびました。この時季に皆さんと分かちうようにという知らせだったのかもしれません。フランシスコ会のラテン語から訳しました。

まあしかし、訳すことのはひとつを選び、他をすてるジレンマがあります。スタイルひとつとっても敬体?常体?会話風…なら標準語?東北?女言葉、男言葉…子ども言葉…とさんざん悩みました。そしてまず打順1番は…私自身にしみ込んでいる讃美歌ふうプチ文語体にしてみることにしました。

皆さまの心に平安がありますように。

創られしものの讃歌(被造物の讃歌、太陽の讃歌とも)

いと高き、力に満てる 善なる主よ
賛美、みさかえ、ほまれ、すべての祝福(ことほぎ)は汝のもの
このすべて、汝のみもとにのみ集う、いと高き主よ
なんびとも汝のみ名を口にするに値せず。

わが主よ、創られしすべてとともに汝が讃えられんことを
まず、長なる兄弟、太陽とともに
太陽は日。汝、我らを太陽により照らしたもう
美しく、光を放ち、大いに輝く太陽は
いと高き主よ、汝に似通う。

わが主よ、姉妹なる月と星々ゆえに汝が讃えられんことを
さやかにきらめく、尊く、美しい天の月星ゆえに。

わが主よ。兄弟なる風と空気ゆえに汝が讃えられんことを
曇るとき、晴れわたるとき、あらゆるとき
すべてにより、汝、創られしものを保ちたもう。

わが主よ 姉妹なる水ゆえに汝が讃えられんことを
いと用いやすく、つつましく、尊く、清らかな水ゆえに。

わが主よ、兄弟なる火ゆえに汝が讃えられんことを
火により汝、夜を照らしたもう
美しく、楽しく、堅く、強い火のゆえに。

わが主よ、我らが姉妹である母なる大地のゆえに汝が讃えられんことを
大地、我らを保ち、統べたもう
さまざまな実りと色とりどりの草花を生み出したもう。

わが主よ、汝の愛によりて赦し、病と苦しみを担う人々ゆえに汝が讃えられんことを。

幸いなるかな、心安らかに耐える者、
いと高き汝より冠を授からむ。

わが主よ、姉妹なるからだの死ゆえに汝が讃えられんことを
なんびともこの姉妹より逃げること能わず。

あわれ、滅びに至る罪のうちに死にゆく者
幸いなるかな、いと高き聖なるみこころのうちに死にゆく者
第二の死、彼らに害を為さざるなり

わが主をたたえ、ことほぎ
感謝し、大いに慎んで仕えよ

ラテン語より、冠木友紀子訳

通訳道場第5期 オンラインで開催します。ご相談会お申込み受付中!

ご参考まで Commission on the Franciscan Intellectual Traditionより

ラテン語

1Altissime, omnipotens, bone Domine,
tuae sunt laudes, gloria et honor et omnis benedictio,

2tibi soli, Altissime, conveniunt;
et nullus homo est dignus te nominare.


3Laudatus sis, mi Domine, cum universa creatura tua,
principaliter cum domino fratre sole,
qui est dies, et illuminas nos per ipsum;

4Et ipse pulcher et irradians magno splendore;
de te, Altissime, defert significationem.

5Laudatus sis, mi Domine, propter sororem
lunam et stellas,.quas in caelo creasti claras, pretiosas et bellas.

6
Laudatus sis, mi Domine, propter fratrem ventum
et propter aerem et nubes et serenitatem et omne tempus,
per quod das tuis creaturis alimentum.

7
Laudatus sis, mi Domine, propter sororem aquam,
quae est perutilis et humilis et pretiosa et casta.

8Laudatus sis, mi Domine, propter fratrem ignem,
per quem noctem illuminas,
et ipse est pulcher et iucundus et robustus et fortis.

9Laudatus sis, mi Domine, propter sororem nostram matrem terram
quae nos sustentat et gubernat,
et producit diversos fructus cum coloratis floribus. et herba
 
10Laudatus sis, mi Domine, propter illos, qui
dimittunt propter tuum amorem,
et sustinent infirmitatem et tribulationem.

11Beati illi, qui ea sustinebunt in pace,
quia a te, Altissime, coronabuntur.

12Laudatus sis, mi Domine, propter sororem mortem corporalem,
quam nullus homo vivens potest evadere.

13Vae illis, qui morientur in peccatis mortalibus;
beati illi, quos reperiet in tuis sanctissimis voluntatibus,
quia secunda mors non faciet eis malum.

14Laudate et benedicite Dominum meum,
gratias agite et servite illi magna humilitate.
 

英語

Most High, all-powerful, good Lord,
Yours are the praises, the glory, and the honor, and all blessing,
To You alone, Most High, do they belong, 
and no human is worthy to mention Your name.

Praised be You, my Lord, with all Your creatures, especially
Sir Brother Sun,
Who is the day and through whom You give us light.
And he is beautiful and radiant with great splendor;
and bears a likeness of You, Most High One.

Praised be You, my Lord, through Sister Moon and the stars,
in heaven You formed them clear and precious and beautiful.

Praised be You, my Lord, through Brother Wind,
and through the air, cloudy and serene, and every kind of weather,
through whom You give sustenance to Your creatures.

Praised be You, my Lord, through Sister Water,
who is very useful and humble and precious and chaste.

Praised be You, my Lord, through Brother Fire,
through whom You light the night,
and he is beautiful and playful and robust and strong.

Praised be You, my Lord, through our Sister Mother Earth,
who sustains and governs us,
and who produces various fruit with colored flowers and herbs.

Praised be You, my Lord, through those who give pardon for Your love, and bear infirmity and tribulation.

Blessed are those who endure in peace for by You, Most High, shall they be crowned.
 
Praised be You, my Lord, through our Sister Bodily Death,
from whom no one living can escape.
Woe to those who die in mortal sin.
Blessed are those whom death will find in Your most holy will,
for the second death shall do them no harm.
 
Praise and bless my Lord and give Him thanks
and serve Him with great humility.

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