シュタイナー関係の通訳について思うこと

「わかってる」ってどういうこと?

「○○さんの通訳は良いの。シュタイナーわかってるから。それにボランティアでやってくれるし。」

こういうの、多いんですよ。ウンザリしますね。それでも満面の笑みで言われると「あなたたちがその調子だからだめなんだよ。」とは言いにくくなりますけど。

別に「冠木さんはわかってない」というつもりでないのはわかっています。いや、「冠木さんはわかっていない」のほうがいいかも。いや、私も十分「シュタイナー関係の身内」でしょうし、「専門用語がちゃんと出てくるわかってる人」と思われていることでしょう。でも、「わかっている」つもりなんてないのです。アントロポゾフィーに限らず、ある分野を知れば知るほど未知の領域が広がるばかり。「学んでいます。励まされています。」とは言えたとしても。

ひとのことを「あの人わかっている」ってどういう意味だろう?

たぶん、海外のナニヤラカレッジなどに留学してコースを修了、そのまま在住してその関係の仕事もしていて、「自分よりわかっているはず」。専門用語もすらすら出てくるしね。まあ、こんなところでしょう。

春の芽吹きは凍てつく冬に準備してこそ。スウェーデン、イエルナにて。

主催者も聴衆も楽をしている

つまり、楽なんです。主催者は通訳してもらう分野を通訳者と打ち合わせをする必要がない。聴衆はクリティカルに訳を聞く必要がない。たとえ通訳者が聞こえなかったところをたまたま知っていた専門用語でつくろったとしても。

むろん、無駄な骨折りは必要ありません。でも、なにか本気でやろうとしたらアマチュアの仲間どうしで「楽」をしていたら黄色信号。

プロはプロと組み、参加者に最善の貢献をしようと真剣です。

シュタイナー関係でも医学関係は卒倒するほどの資料を提供してくれます。録音、録画もして、病名の言い間違いなど許されません。

この夏からご縁のあるオステオパシーの講座はさらに多くの資料を提供し、直前まで私のような門外漢の質問にも丁寧に答えてくれました。

オーガニックオリーブオイルの商品発表会での通訳のために、実際に購入しようとするとプレゼントとして全種類が送られてきました!私がJAS規格や国際的なオリーブオイルの基準まで頭に入れて臨んだのは言うまでもありません。

これらの分野で私は猛勉強の門外漢。「私はわかっていません」ので組む相手のプロに質問しまくります。そしてどうしたらこの商品、サービスがよりよく活きるだろうとコンサル的視点で俯瞰しています。終わった後でも情報提供は惜しみません。

異質のプロ同士が組むと掛け算になります。地の塩、世の光にはこの掛け算が大切では。

確かに、通訳養成は受けていなくても、アントロポゾフィーに生涯をかけていて、素晴らしい訳をなさる方もあります。私も大好きな方が数人います。

でも、主催者はシュタイナー関係で通訳を依頼する時、手抜きしすぎていませんか?いつ、だれがどの形式で通訳するか、ちゃんと想定していますか?なじみの仲間でもきちんとした打ち合わせをしていますか?

聞いた話ですが…ある講座でプロの通訳ではない方が日本人参加者の自己紹介のときに沈黙。海外講師が置いてきぼり。同通ウィスパリングが必要なことを確認していなかったのでしょう。その場になって「できないからやらない」だったようです。

え?プロの通訳に頼んだら散々だった?

通訳の出来栄えは通訳者の力量だけでなく、事前に主催者が本気で関わったかどうかが反映されます。

その通訳者に事前に会いましたか?本を渡すだけでなく、思いを伝えましたか?あなたにとってのアントロポゾフィーを自分の言葉を尽くして語りましたか?

医学、オステオパシー、オリーブオイルはちゃんとやっていました。

プロ通訳者は言葉に体験そのものと同等のインパクトを感じる異能集団です。言葉を尽くす人をアントロであるなしにかかわらず尊びます。

彼らに通じなかったら、なおさら世には…

私はシュタイナー関係の通訳をサイマルやNHKに在籍する通訳者に依頼し、事前に仕込み、あの通訳口調を直させ、結果として関係者を唸らせる自信があります(彼らの人生も変わるかも)。

実際そうしないのは、自分の仕事を回してもしょうがないから。

私は、シュタイナー関係であるとないとによらず、自分の生きる時代にしっかり地に足をつけて社会貢献したいと願うプロと、これからも手を組んでまいります。

これを書いた人のプロフィール

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オバマ大統領広島演説④-nature 本質?自然?

週末、いかがお過ごしですか?

私は相変わらず、「英語ができる社員に通訳を頼んだら散々だ」のようなご相談が舞い込んで「そりゃーそうだろう」と思いつつ、どうしたらいいものか、と思いめぐらしています。

さて、オバマさん4回目。

困りましたねえ、Natureは大文字だったりそうでなかったり。音声ではわかりません。

でもこれはひどい。

「そして人間の本質と切り離して自分たちを定めたり、自分たちの意志に応じてそうした本質を曲げたりする能力といったものを私たちが人類として際立たせること―」

自分が何を言っているのかわかっているのでしょうか。

こうした通訳がプロとしてまだ残っていることが、一般のひとたちの通訳業への信頼を損なっているとしたら、切腹モノです。

冗談ではありませんよ。

医療の通訳なら人の命にかかわりますので。

いえ、政治、外交の誤訳ははるかに多くの人命損失、環境破壊につながりますので。

通訳道場★横浜CATS

 

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オバマ大統領広島演説②-同時通訳はイメージの順を最大限守る

今日はシンプルです。

日本語と英語は語順が違うと言う人がいます。さあね。
「I love you」と「私はあなたを愛しています」は順番が違うというのです。

では伺います。「私はあなたを愛しています」と言われたことはありますか?いやいや、愛されたことがある、なしを訊いているのではありませんよ。生き生きした告白はそんな表現ではなかったでしょう?

人は思い浮かんだ順に言葉にすると私は感じています。先に思い浮かんだことを後回しにして、後で思い浮かんだことを先に言うのはずいぶん手の込んだ無理だと思います。

多くの文がクイズ番組の構造をしているとも思います。

ためしてガッテンを思い出してください。①「はい、テーマです!」②「ではここで問題です」(ゲスト回答)③「正解は…」(解説+ガッテン!ガッテン!)小野アナと志の輔師匠の声が聞こえるようです。

I(俺のことなんだけどさ)
love(愛してる人がいるんだ・「え、だれだれ?」)
you(君なんだ!)

「俺、好きなんだ、お前が」

ほら、クイズ構造になってるでしょ。話し言葉はクイズ構造に近いでしょ。

クイズ構造を意識すると、無駄な前後入れ替えをせずにすみます。同時通訳も楽になります。聞いたまま言えばいいだけですから。

さて、今日の分、同通お先にどうぞ。

そして大手メディアに共通する残念な点。

It is not the fact of war that sets Hiroshima apart. Artifacts tell us that violent conflict appeared with the very first man.  Our early ancestors, having learned to make ①blades from flint and spears from wood, used these tools not just for hunting, but against their own kind.  On every continent, the history of civilization is filled with war, whether driven by scarcity of grain or hunger for gold; compelled by nationalist fervor or religious zeal.  Empires have risen and fallen. Peoples have been subjugated and liberated.  And at each juncture, ②innocents have suffered★, a countless toll, their names forgotten by time. 

①「フリントから刃を、木から槍を」→「刃を火打石から、槍を木から」
ひっくりかえす手間をかける理由はありません。フリントはちゃんと訳しましょう。

②「罪なき人たちが無数の犠牲者を、その名が忘れ去られることを苦しんだのです。」→「無辜の民が苦しみました。無数の犠牲、その名は時と共に忘れられました。」
これは大手メディアのものですが…★のカンマが抜けている版を元にしたようです。ホワイトハウス版ではありませんね。これは大統領とスピーチライター集団の作品です。ホワイトハウスが公表したテキストに準拠しましょう。ホワイトハウスのものはカンマが入っています。

通訳道場★横浜CATSはこんなところ

 

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あら!出版からもうすぐ8年「動きこそいのち」

文字だらけの今日、私たちは言語の音声を音楽として十分に体験しているでしょうか。

オイリュトミー目には見えない音楽や言葉の音を、動きを通して目に見えるようにする身体芸術。その名は「美しいリズム」というギリシャ語が由来です。人に見せるための舞踊とはだいぶ違います。私は「動きを通した目覚めたままの瞑想」のように感じています。

こちらのDVDブック「動きこそいのち」はオイリュトミーをDVDと本で紹介しようという試み。オイリュトミストのヘルガ・マイケルズさんは美しくて、おちゃめで、子どものようでエレガントな方。オランダ生まれでアフガニスタン育ち、アメリカ在住…どこか漂白の魂の持ち主、という雰囲気がありました。

「翻訳」に私の名前がありますが、実際はいわゆる翻訳ではなく…

①インタビュアー、高木さんが日本語でいろいろ言う→②ヘルガに日英ウィスパリング通訳→③ヘルガが英語で返事→④高木さんに英日逐次通訳

これをぜんぶ録音、日本語部分を文字起こししたものです。

日本の方の話し言葉をそのまま文字起こししても主語がなかったり、文末が決まってなかったりで「???」なことが多いもの。通訳がこれではいけません。話し言葉の音楽感と書き言葉の確かな構造が大切。

編集者の方が素晴らしくて、かゆいところに手が届く注をつけて下さったのも嬉しいことでした。

 

ほんの少しですがこちらで動画ご覧いただけます。

DVDブック「動きこそいのち」アマゾンはこちら

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それを教育に求めるのは野暮よ。

「お買い得な中高一貫」。

大学進学実績?その後の就職?
ここまで消費者マインド丸出しだとあっぱれです。

いかにもおりこうで損をしなさそう。

でも日本には面白い物言いがあるもので。

「あほうかしこ。
かしこあほう。」

ずば抜けた学び手はバカなんです

損得勘定を超えてはるか遠くに憧れている。
周りと比べない。
アタマで考えないからどんどん動く、近づく。

結果的にずば抜ける。

でもそれが目的だったわけじゃない。
ただ憧れに近づきたかっただけ。

ところが世間は放っておかない。
人が集まり、本人はきょとんと
したまま仕事がはじまる。

きょとんとしたまま、粗相があってはならないと
人のために尽くす。

え?

損をしたくないから確かな選択肢から選びたい?
そりゃいつまでもイワシの群れの中。

ほら、クジラがすぐそこに。

話芸レベルの通訳が聴けるライブ通訳上映会は【こちら】

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オバマ前大統領の広島演説に「よこはいり通訳」してみました。

なんだか恐ろしく勇ましい言葉が日本の上を飛び交っています…

1年半も経っていない、オバマさんの広島演説にほっとします。

この演説、大統領が謝罪するの、しないのと話題になりました。

でも、どれほどゲティスバーグ演説を思わせるものであったか、気づいていた人は多くないのでは。

リンカーンのゲティスバーグ演説は演説のお手本のような構造。過去を振り返り、これまでの犠牲者を讃え、痛みを慰め、命あるものをさらに励ましてひとつの使命を信じ、行動を促す。

なんでも出だしは試しのつもりで無謀な冒険するもの。通訳道場★横浜CATSでも「オバマさんの広島演説のエッセンスを抽出して、ゲティスバーグに当てはめること。」なんていう宿題出しました。

これが、できるんですねえ。

比べることでオバマさんの演説が繰り返しが丁寧で多いことに気づいたりもします。現代の聴衆、メディアにはありがたい工夫だったことでしょう。

さて、いろいろな和訳を目にしましたが…a wall of fireなど簡単な言葉で被爆者視点を思わせるところがくみ出せていないと残念です。筋も細部も大事です。

出だしだけ、よこはいり訳してみました。よこはいり、って横浜方言なんですってね。

ひとつ反省しているのは、Koreansをうっかり韓国の方々、と言ってしまったこと。ここはコリアンとするか朝鮮半島出身の方々、でしょうか。この事態への日本の関わりを思いつつ…

【よこはいり通訳=オバマさんとチャゲアス状態】

2分50秒からご覧ください。

 

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ストーリーテリング通訳―できるかできないか考える前にやってみた

友達に思いがけないことを頼まれた?できるかできないかわからない?
そんなこと考える暇があったらやってみなさいな。結果がどうであれ大丈夫。

お友達が頼んできたのならなおさら!

自分では「なんじゃそれ?」と思うことも、すでにその友達には「君ならできる」が見えている。ここでグダグダいうのはただの保身。

私にはストーリーテリングの通訳がまさにそうでした。

写真のCDジャケットに写っている男性はストーリーテラーのニックさん。5年前の秋のこと、福島まで運転手をつとめ、ほっとしてあくび連発の私にニックさんが言ったのです。それも珍しく深刻な顔で。

「ユキコ、今日から君がいるときは必ず僕の通訳をしてほしい。僕はひとことひとこと大事にしたい。『英語がそんなにわからなくても雰囲気で充分』なんていう人もいるけど、そうは思えない。本当は英語がわからない、話が見えてない人たちをそのままにして語り続けるのはいやなんだよ。だから頼む。」

うん。わかった。(昨日の那須与一より私は単純。)

やってみました。できました。得意です。

ストーリーテリングの通訳をしたからこそ、一般的な通訳観にはない2つの要素を洗い出せました。

なつかしいチャレンジをありがたく思い出しています。

そして、もっとたくさんの方々にストーリーテリングを届けたいと願っています。そのために…まもなくリリースする歌詞カードもテキストもないCD(!!)に訳詩をつけています。

自然に太宰みたいな手法になってきました。

編集者が口述筆記したはずの作品。なぜか草稿が見つかったそうで。一度書いて、それを暗誦し、語りに耐えうるかどうか確かめ、編集者には隠して初めて語るようなふりをしていたということ。つまり、言葉を声で身体に通したということ。

ニックさんたちに似つかわしい方法です。

CDリリース情報はこの個人サイトでなく、道場サイトでお知らせします。

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通訳レポート:オランダ「精神科医療にシュタイナーの風」

精神病ってなんだかこわい、家族がなったら恥ずかしい…
そう思ったことはありませんか。
え、自分は100%精神疾患フリーのつもり?

私はそうは思わない。自分はいろいろ持っているけど、たまたまバランスがとれているだけ。え、崩れてます?あ…。

どんな病であれ再び歩き出す力は、人に大切にされることで自分の内から湧き上がる。だから心病む人こそ大盛りサービスで大事にされてほしい。

シュタイナーのアントロポゾフィー医療を学び実践する医師の友人たち。この方たちは天で待ち合わせをしてきた兄弟姉妹の気がします。なかでも精神科医の姉妹たちの献身ぶりには脱帽。以前から日本の精神医療の「当然」がどんなに「自然」でないかを切々と語ってはおいででしたが…なんと昨年来、オランダで活躍するケン・タナカ医師を招いて講演会を開いておられます。お仕事、ご家庭、講演会企画、運営…。変えたい、と本気で腹を決めた人には1日は48時間なようで。

オランダ育ちのケン先生は英語のほうが講演はお楽、というので私は通訳をお引き受けしています。

ケン先生はベルナルド・リーフェグッド(Bernard Lievegoed リーヴァフッドとも)の名を冠したリーフェグッド・クリニックの精神科ディレクター。リーフェグッドはアントロポゾフィーを軸として組織開発、自分史ワーク(バイオグラフィーワーク)など時代のニーズに向き合う取り組みを先駆けた方。

このクリニックでの取り組みも「考えてみればおかしな常識」から自由です。まずクリニックである以前にコミュニティ。お医者さんも患者さんもお互いを「メンバー」と捉えます。だから初診でお医者さんは開口一番「さて、あなたはこのコミュニティにどんなことならおやりになれそうですか?」だから受け身に薬を飲み続けることはありません。言葉によらないセラピーを体で味わいながら、コミュニティに必要な仕事に取り組みます。

3週間ほど前のこと。大阪でも講演会がありました。「7月の東京の時とは内容をだいぶ変えたんですよ。」とケン先生はにっこり。今度は現場のエピソードをたっぷり増やしておいででした。

印象的なエピソードをひとつ。

50代のある男性は長年うつに苦しんでいました。いくつもの病院を経てリーフェグッドにたどり着いたそう。

リーフェグッドではスタッフが患者さんのしぐさ、表情を模倣して、自分の身体をとおしてその人の世界に想像をめぐらせます。「共感的(心寄せて)観察」と言います。

この方はいつも前のめりで机に伏すような姿勢。皆で模倣して、どんな職業が思い浮かぶかやってみると…あるスタッフが声を挙げました。「あ、ブラッド・メルドーみたい!」なんと有名なジャズピアニスト。ではジャズピアニストに大切な資質は何だろう…繊細で、精確であること。これが彼が求めているもの。(薬でなく!)それが身につく活動に取り組むことになりました。ジャズピアノそのものではありません。この方の場合は木工。 やがてこの方は木工、裁縫で一目置かれるようになり、人に教えるまでになりました。

「共感的観察」ではその人の心の声に集中する。投薬は最後の手段に過ぎません。

ここで「うつも治りました」となるとありがちなハッピーエンド。それもいいけれど、人と人の間に居場所を得られたことのほうが大事な気がするのです。

人は人の間で病み、人の間で癒える。病はひとりのものではない。そう思います。

大阪も、通訳冥利につきる至福のひとときでした。お聞きした瞬間、透明にしておいたはずの心が感動。日本語でこだまする機会を与えられていて…目の前に日本語を待ってくれている方たちが沢山いらっしゃる。

ありがとうございました。

オランダ見学ツアーに関心がおありの方、問合せフォームからご連絡ください。時期、日数等ケン先生とも相談しながら決めましょう。

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シュタイナー医療講演「身体の神秘・鳴り響く音楽」と”中心をもつこと”

痛みには鎮痛剤。発熱には解熱剤。ウィルスには抗ウイルス薬。細菌には抗生物質。 悪いところは切除。食べられなくなったら胃ろう。

確かに必要なときもある。でもいつもこれでいいの?と思ったことはありませんか。

症候を「敵」のように見なして「やっつける」のをよしとする発想は次々と敵を生むだけ。しかも相手も強大になる。次々と新しい薬が必要になる。これでは人間は自然の一部であるはずなのに、自らの「とき」がわからなくなる。症候との付き合い方を自分で決められなくなる。不安に追われる生き方になる。

シュタイナーのアントロポゾフィー医療は通訳として私が最も優先する分野。

「感謝」と観察に基づく「哲学」があふれているから。古代の叡智が尊ばれているから。何も憎まず、病をも「大切な経験、メッセージをありがとう」と受け止めるから。その成果は身体的な症候の解消にとどまらず、もっと深い喜びに繋がっているから。

昨日開かれたシュタイナー医学入門連続講座の最終回は超満員。講師の山本忍先生はいつもご自分のみずみずしい言葉で驚きの洞察を語ってくださるので大人気。

講演は「身体の神秘・鳴り響く音楽」というタイトルどおりの壮大なもの。 通常の科学でも知られている魚類から人間への心臓の進化に人間の知性を読み取ったり、手足の骨の数の意味を読み解いたり…すみずみまで感謝と哲学が響いていました。

そして印象的だったのは「中心を決める」ということ。

忍先生にとってアントロポゾフィー医療は「中心」なのだそうです。

ホリスティックセラピーを自称する手法は星の数ほど。シュタイナー関係でも次から次へといろいろなメソッドに手をだすのを見かけます。でも違和感がありました。だいたいどれも半端。半端だからあれこれ手を出す。資格ビジネスにはまる。欲深い人が集まる。困る。

忍先生もいろいろご存知だけれど決定的に違う。 それが中心があるかないか、ということ。

先生は一度、長年続けてこられたその他のセラピーをすべて捨て、アントロポゾフィー医療を究める覚悟をなさったそうです。そして問いを投げては信じて待ち、答えが与えられる、をじっくり繰り返し、やがてアントロポゾフィー医療が中心として定まったそう。 するといったん捨てたものも収まるべき位置に再び収まったとのこと。決して並列的にではなく。

この道は内的な道。

私の中心は…アントロポゾフィー通訳法と言いたいところだけど、それはまだありません。なのでアントロポゾフィーを土台に少しずつ創っているところ。

あなたがどうしても残したい一つは何でしょう?
どうかあなたの旅路も守られていますように。

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「英語と日本語は語順が違う」を疑うー通訳:トランプ大統領就任演説

なんだか芯から冷えますね。がまんしちゃだめよ、通訳者は鼻や喉を大事にね。

みんながそういうもんだと思い込んでわざわざ面倒にしていることなんて山ほど。でも通訳者を目指すならあと3回「なんで」「ほんと?」って考えてごらん。

たとえば 「英語と日本語では語順が違う」。「I love you」が「私はあなたを愛しています」、語順が違う、文化が違うと聞いたことない?

そんなのBullshit.(牛糞ではありません。牛糞はcow dungです)。

だいたい好きな人に「私はあなたを愛しています」って言わないでしょ。それ標準語書き言葉だし。話し言葉の方がよほど自然。「あたし好きなんだ、太郎くんのこと。」いけるでしょう?

人間はイメージが浮かんだ順に話す。通訳は話し手の頭の中のイメージ紙芝居ボックスを聴き手の頭の中に転送する。なるべく紙芝居の順をこわさずに。この転送に人工的な「現代標準語書き言葉」はあまり向いていません。標準語書き言葉で訳そうとすると主語、述語を気にして語順、イメージひっくり返し始める。しかも英語の主語を訳すとき「は」「が」をくっつける。英語と日本語では主語の概念が違います。「は」「が」つければいいものではありません。

だから標準語で訳すときは一工夫。「イメージの順」「深い呼吸」「骨導音発声」を心がけます。トランプ大統領就任演説、始めの3分ほど同通してみました。音声は動画の下のリンクからお聴きいただけます。

【私の通訳音声はこちら】

(YoutubeのABCの動画に勝手に音声かぶせるわけにはいきません。別ファイルとしましたが、背景にトランプさんの声、聞こえると思います。)

ほんとに便利な時代。通訳練習素材には事欠きません。腕が鳴ります!

ご希望の方には通訳道場お申し込みの前にお目にかかってお話伺っています(もちろん無料)。
お気軽にご連絡ください。

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