「すっぱいぶどう」新コロ休校中高生無料通訳道場レポート②

 中高生無料オンライン通訳道場を開催してからもうすぐ1月。地方も学年もミックス、普段の学校の枠を超えたドキドキの試みでした。

紆余曲折の末、通訳素材に選んだおはなしはイソップ寓話の「Sour Grapes」。あのきつねとぶどうのお話ですこれ、プログレスというミッションスクールで長く愛された教科書の中1のおしまいに出てきます。

 Sour Grapes
 
     One day a fox saw some grapes.
They were hanging from a tree and so they were very high above the ground.
It was a hot day and the fox was hungry and thirsty.
‘Oh, look at those beautiful grapes,’ he said and jumped up.
But the grapes were too high. He couldn’t reach them.
He jumped up again and again.
But he couldn’t reach the grapes.
Finally he was very hot and tired.
‘Oh, I didn’t want those grapes,’ he said.
‘Maybe they were sour anyway.’
 
From Progress in English 21 Revised1

え、中1?それでは上級生が退屈では?

そんなことないんですよ!

「ソバ」「バラ」漢字で書けますか?私、書けません。でも読めます。読めても書けないってあるでしょう。中1のお話なら高校生は辞書なしですらすら読める。でも通訳トレーニングでアクティブに、となるとなかなか手ごわいのです。通訳トレーニングは受信力と発信力のギャップを埋めるのにぴったりです。

みんなと私でシャドウイング、2人組でリピーティング…など頭をからっぽにして割と体育会系ぽくこのお話を耳と口に何度も何度も流しました。おはなしが耳と口から心にしみこんだときに、誰ともなくこんな声があがりました。(実際は英語だったり、日本語だったり。)

「きつねがかわいそう。」
「何度も飛び上がったがんばりをなかったことにするの?」
「ぶどうがすっぱいことにしないと耐えられないくらい悲しかったのかも。」
「誰か一緒にいたら違ったんじゃない?」
「もっときつねの身体にいいものがこの先にあるけど、きつねは知らないんだ。」

「自分がきつねだったらどうする?」
「自分がぶどうだったらどう思う?」
「誰の助けをもとめる?」

ギリシャのぶどう園の写真も見てみました。日本のように大きな木を棚にはせず、低木にしています。だから木からぶら下がっているなんてめずらしい。切羽詰まったきつねは尋常でない難題にチャレンジしていたのです。

greentours.co.uk より

このことは第2文They were hanging from a tree and so they were very high above the ground.がちゃんと語っています。勝沼のぶどう棚なんか想像していては誤読です。言葉が適切な映像に変換されることを「読んでわかる」といいます。

一見スピード勝負の通訳も、深く細やかな読み込みと想像に支えられています。そのことを若い皆さんと再確認できたのはありがたいことでした。

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すっぱいぶどう

ある日のこと、ふときつねの目に入ったのはぶどう。
木からぶら下がっていたのでたいそう高く、地面のはるか上でした。
その日は暑く、きつねはお腹がすいて、喉も乾いておりました。
「わあ、ごらん、あの見事なぶどう!」そう言って飛び上がりました。
でもぶどうは高すぎで、きつねの手には届きません。
きつねはなんどもなんども飛び上がりました。
でもぶどうは手に届きませんでした。
ついにきつねはとても暑くなり、くたびれてしまいました。
「あーあ、欲しくなかったんだ、あんなぶどうなんて」きつねは言いました。
「たぶん、どのみちすっぱかったんだろうし。」

冠木友紀子 訳
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新年度の参考書、問題集を選ぶなら

こんにちは。持続可能な未来のための通訳者、冠木友紀子です。

中高生の皆さん、いかがお過ごしですか?なんだか出かけにくい?

でも、そろそろ来年度の準備も気になりますね。新学年の参考書や問題集も欲しいでしょう?選ぶの、結構難しくないですか?近所の本屋さんでもなかなか決められない学生さんをよく見かけます。

先生や先輩のおすすめも参考になるけれど、自分にあっているかはわからない…見た目やタイトルに惹きつけられる。でも、中身はどう?…

そんな時、私はこんなふうに選びます。

①たとえば「関係代名詞」のように自分の知りたい項目をひとつ決めます。

②ちょっといいな、と思う参考書数冊で「関係代名詞」について読みます。

③「これを書いた人に会いたい」と思えた本がアタリ。

情報の量やわかりやすさも無視できないけれど、それだけじゃ肝心のところが抜けています。肝心なのは、本の向こうに書いた人が感じられるか、その人に興味を持てるかどうか。

普段の勉強でも、受験勉強でも、「これは自分に関係がある」「自分に宛てて書かれている」「書いた人は自分に用がある」「書いた人に会いたい」という感覚を大事にしてくださいね。この感覚のスイッチを切ったまま、みんなが買ったものを真似して買ったり、親がとりあえず買ってきたものをぼーっとやったりするのはあまり感心しないなあ。

「向こうにいる誰かを感じる」感覚を切ったままでいると、自分がお留守になるからね。そして、そういう人は沢山いる。

私が受験勉強で手ごたえを感じた問題集、参考書は中原道喜さん、伊藤和夫さん、という先生方が書いたものでした。タイトルは忘れてしまったけれど先生方の名前は忘れない。それくらい、日本語での解説にも思いが込められていました。

だから、昔、英検やTOEICを受けた時も、対策問題集や過去問は仕上げにやっただけです。私はあの手のナニヤラ協会が出した問題集には「向こうにいる人」を感じなかったので。

普段は著者の声が聴こえるようなものをたっぷり味わいましょう。

自分にとってぴったりな声を聞き分けるのは自分。

さあ、ご近所の本屋さんへGO! 帰ったら手洗い、うがいをしっかりね。

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